表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特殊能力:カード  作者: マス シゲナ
2/24

02

「「カード?」」

 エルヴィスとウィリアムは2人して首を傾げた。


「ウィリアム様?

 このカードって何ですか?」

 エルヴィスが尋ねると、ウィリアムはステータスを見て、ぶつぶつと呟いている。


「ウィリアム様!」


「えっ?

 あ……エルヴィス、申し訳ありません。

 実は、特殊能力というのが、神々より授かりしスキルなのです。

 なのですが……本来、ここは能力と出ます。

 特殊能力というのは、本当に特殊で、どういった能力なのかはわからないのです。

 ……いえ、特殊とはいえ、同じ能力を得た者はいます。

 その場合、記録にあるので説明出来るのですが……カードという能力は、歴史上、残された記録にはありません。

 本当に、オンリーワンな能力です。

 ただ、言える事は……残念ながら、エルヴィスが望んだ剣に関する能力ではないと思われます」


「……そんな?」


「エルヴィス、儀式の前に言いましたよね?

 望んだスキルが必ずしも授かる訳ではないと」


「……はい」


「では、改めて言います。

 カードという能力は今までなかった能力です。

 エルヴィスは、カードという能力を研究し、知っていかなくてはいけません。

 ……まあ、エルヴィスが知らなくてもいいというなら、それはそれでかまわないですが」


「ウィリアム様……僕はどうすれば?」


「エルヴィス……少し厳しい事を言います。

 貴方の人生は、貴方のモノです。

 人に言われて、生きるというのは怠惰です。

 考える事の放棄です。

 誰しも、どんな生き方をしても後悔をするでしょう。

 考えて、悩んで、少しでも後悔の少ない人生をしなさい。

 エルヴィス……今日から1週間は孤児院にいても良いです。

 その間に、新たな住まい、仕事……冒険者になるも、ならないも貴方次第ですが、仕事を見つけなさい。

 ああ……そうだ、エルヴィス。

 少しここで待っていなさい、直ぐに戻ります」

 ウィリアムは立ち上がり、祈りの部屋を出ていった。



「神様……どうして、僕に剣のスキルを授けてくれなかったのですか?

 ウィリアム様はおっしゃいました。

 授かったスキル……カード。

 これの能力を知りなさいと。

 このスキルの能力を知れば、僕は強くなれるのでしょうか?」

 エルヴィスは、その場でもう一度、神々に祈りを捧げた。



「エルヴィス、お待たせ致しました。

 ……泣いているのですか?」

 部屋に戻ってきたウィリアムが見た、エルヴィスは涙を流しながら、祈りを捧げていた。


「……ウィリアム様?

 いえ、すみません、もしかしたらと……未練がましいですよね」

 エルヴィスは祈りをやめ、涙を乱暴に拭きながら椅子に戻った。


「エルヴィス、これを貴方に」

 ウィリアムは何かが入った袋を机の上に置いた。


 ーガチャ


 どうやら中身は金属……お金みたいだ。


「これは?」


「エルヴィスが、この孤児院に来た時、貴方を助けた冒険者達が置いていったお金です」

 ウィリアムは、当事の事、規則に乗っ取ったやり取り、お金の意味を話し、もう1つ袋を取り出した。


「これは、貴方のご両親がしていた夫婦の証、つまりご両親の形見です。

 お金とともに、預かっていました。

 今、貴方にお返しします」

 銀の鎖に青い小さな宝石がついたネックレスだった。


「これからは貴方が大切にもっていなさい」


「はい、ありがとうございます。

 ウィリアム様」

 エルヴィスにとって、両親の顔もほとんど覚えていないが、両親の首もとで揺れていた、このネックレスは……青い宝石は覚えていた。



「ウィリアム様……ありがとうございます。

 これから、冒険者ギルドに登録に行ってきます」

 エルヴィスは頭を下げ、部屋を出ていった。


「エルヴィスの人生に幸あれ」

 出ていったエルヴィスに、ウィリアムはエルヴィスの幸せを祈った。


補足:1話目のエルヴィスを救った冒険者の中に、狩人の冒険者がいて、逃げる盗賊に支援魔法・追跡をかけ、盗賊のアジトまで追いかけた事により、盗賊を殲滅する事が出来た。


補足2:ウィリアムは、エルヴィスにステータスで出来る事や、後にスキルが発生する事など、話していない事が沢山あります。

これは、自分で気づいたり、他者から学んだりして、知って欲しかった為です。

後、ウィリアムは、結構うっかり者でもあり、他者から「仕方ないなー」と思われ、よく助けてもらってます。


次は、22時に投稿になります。

ブクマ登録、ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ