第8話 プレイヤーキル
読んでくださっているみな様有難うございます。
ブックマーク登録をしていただいた方々本当にありがとうございます。
これを励みにして頑張ります!!
感想やご指摘、アドバイスなどしていただけるととても助かります。
これからも引き続きよろしくお願いします。
その後しばらくリュウをメインにして俺がサポートする形でジャンピングラットや、ワイルドホーン、グリーンライムなどのモンスターを倒し、俺の【槌マイスター】のスキルレベルが2に上昇した。この上昇で技能として“衝撃”を取得した。この技能はどうやら発動にMPを消費するらしく俺のMPの1割ほどの消費で発動される。昨日このことに気がつかなかったリュウはバカであるがMPもHP同様自然回復するため、気がつかなかったのだろう。
この、“衝撃”は、相手の脳天にハンマーを振り下ろすことで一時的に敵を状態異常の気絶にすることができるスキルでこれにより圧倒的に俺は戦闘がやり易くなった。
やり易くなったと言っても10分かかっていたワイルドホーンを7分程度で倒せると言った程度のものだが、俺にとってはかなりの進歩だった。
とりあえず今日はワイルドホーンを5匹、グリーンライムを4匹、ジャンピングラットを3匹倒したところで俺たちは町に戻った。
市場に行くと昨日は町にこもっていたプレイヤーの大多数が[南の大平原]に向かったことで昨日に比べて静かなものになっていた。
そこで、『道具店』に立ち寄りアイテムをみたところ【剥ぎ取りナイフ】と言う剥ぎ取り専門のナイフがあることが判明し1個1Gと言う格安の値段から俺とリュウは迷わず購入した。
説明文を読むと
。
_______________________________________________
【剥ぎ取りナイフ】
モンスターの解体専用のアイテム。
解体作業の効率がかなり上昇する。
_______________________________________________
と、書かれておりこれはプレイヤーにとって必須アイテムだと感じる。
こう言ったことはゲームを進める上でかなり大事なため、大抵は説明が入る。だからそれをはじめに説明するイベントやクエストがおそらくはあったのだろうがハッキングでなくなったのだと俺は考える。全く迷惑なハッカーだ。
それと、俺たちは今日の探索で採取ポイントを発見し実際に採取を行った。
採取ポイントは、木や草むらあるいは地面に何か採取可能なものがある場所のことを言い、そこでは採取可能なアイテムがキラリと光っている。
今回は平原にポツンと立っている木で、採取を行うと【乾いた丸太】と言うアイテムが手に入った。
同じように地面の石ころを拾うと【石ころ】など今日1日だけで様々なアイテムを入手し、鑑定をかなりたくさんの回数、リュウのアイテムも含めて行ったところ【鑑定】のレベルも2に上がった。
しかし、【鑑定】のスキルでの技能は新たに覚えることができなかったのでおそらくは鑑定に関しては技能が存在しない、あるいはもっと高レベルで取得ができるようだ。
と、ここまでは順調に進んでいた2日目だったが市馬で買い物を終え、明日に向けて情報を収集しようと思っていたところで今朝よりも自分に向けて視線が集まりつつあることに気がつく。
それも朝は好奇の目といったものであったが、今回は人をバカにするかのような哀れんだ目や、嘲笑の目線が向けられていた。
何かをヒソヒソ話している声も聞こえていたが俺にはよく聞き取れなかった。
リュウも気付いてはいたがしばらくは我慢して市場を歩き昨日と同じ宿にたどり着く。
しかし、宿の出入り口付近やフロント周辺にいたプレイヤーが俺を見るとまた、同じような視線をしだす。
「あ、あの人ワイルドホーンにやられた人だ」
「ワイルドホーンにやられるやつってどんな腕してるんだよ」
「プププ」
「あの人、今日もワイルドホーン相手に10分もかけてたんだよ?子供でも5分あれば倒せるのにね」
などと、外にいるときはヒソヒソ話していて聞こえなかったものが距離が比較的近くで聞いたことで今度はハッキリと聞こえてしまう。
「てめぇっ!」
リュウが剣を抜き、そのプレイヤーに斬りかかろうとするのを俺が止める。
このゲームでPKつまりプレイヤーキルが可能かどうかはわかっていないがあまり心象的に良いものではない事は明らかだ。ここでリュウにそんなことはさせられない。
俺のことで怒ってくれていることはありがたいが、だからこそそんなことはさせらない。
「へ、腰抜けが、そんなだからワイルドホーンごときにやられちまうんだろ?え?」
無視をしよう。こんなやつ後から追い抜いてやれば良いそう、心に決めて無視を決め込もうとした。
「どうせそのお友達もワイルドホーン相手に苦戦するような、グヘェっ!?」
黙って聞いてやり過ごそうと思っていた。
だが、リュウのことをバカにされた瞬間俺は手にハンマーを握り、“衝撃”を発動させてその男に殴りかかった。
ビビーっと、警告音が頭に響く。
「他のプレイヤーを害する行為を認識しました。
直ちにその行為を止めてください。」
「うるせぇ!」
その言葉はさきほどの警告に向けてなのか、目の前で失神しているプレイヤーの先ほどのリュウに対する罵倒に向けてなのか俺の中ではっきりとはしなかったが怒鳴りながら俺はもう一度頭にハンマーを叩き込む。
よく見るとそのプレイヤーはモヒカン頭につり目のおっさんというプレイヤーでいわゆる悪人顔をしていた。これでイケメンだったり、童顔だったりしたら俺も心が痛んだだろうが、心置き無く殴れる。
そう思った俺は、何度もなんども顔に向けてハンマーを叩き込む。
気絶の、状態異常が治りそいつが動き出そうとしたところに俺はもう一度“衝撃”を発動して打ち込む。
そして、何度も殴っていくとHPがなくなったのだろう。ぐったりとしていた男が光になって消えていく。
すると、ビビービビーと先ほどよりも強く警告音がなり、声が頭に響く。
「プレイヤーキルを確認しました。
直ちに身柄を拘束します。」
そのアナウンスとともに俺の目の前が光り出し、金属の鎧に身を包み大剣を背負った騎士のような男が光から現れた。
これからも引き続きよろしくお願いします。