第4話 戦闘2
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ブニョン
こんな効果音が似合いそうな感覚が、スライムに叩きつけた俺のハンマーから伝わってくる。
俺たちは走る勢いそのままに利用していきなり攻撃を仕掛けたのだがリュウの一撃はスライムの体の右上の一部を切りとばし、俺の一撃は体をぐしゃりと潰したはずだった。
しかし、帰ってきた感覚は先ほどの感覚であり、スライム自体は潰れてはいるがそれは横に広がったという表現が正しいであろう状態であった。
「な?こいつまじかよ!」
おそらくスライムには打撃系統あるいは斬撃系統の武器はあまり効果が無い。
これは他のゲームや、その他諸々でも適用されていることが多いが、効きにくいというだけであり攻撃をしっかり当てればそれなりにダメージを与えられると思っていた。
なのに、こいつ。
ベチァーという音立てながら俺がハンマーで叩いたことで横に広がった体を元に戻しリュウが切り捨てた体の一部も吸収して元に戻していた。
「なぁ、リュウ、おまえ魔法使えないか?」
俺はスライムから距離を取りつつリュウに聞く。
おそらくこの手のスライムは魔法に極端に弱い。これはお約束ってやつだ。
「火属性魔法なら使えるぜ!」
俺はこれを聞いて内心ナイス!と、リュウを褒める。リュウもいわれて何をして欲しいのか気がついたのだろう、火属性の魔法はぁ…などどブツブツ呟いている。
そうこうしているうちにスライムがこちらに迫ってきて、後少しでリュウに体当たりをするというあたりで
「〈ファイアボール〉!」
と、リュウが手をスライムに向けながら叫ぶとリュウの手から火の玉が出現しスライムに着弾する。
するとスライムは先ほどの攻防が嘘であったかのように一瞬にして炎上し緑の球を残して消えた。
俺はその球をリュウに拾うように促し拾わせる。倒したのはあくまでリュウだから、俺にはもらう権利はないだろう。
こうして俺たちの初めての戦闘は終わったかに思えた。
しかし、
「カイゲン!危ない!」
拾った球をまじまじと見つめていたリュウが慌てて俺の後ろに剣を突き出す。
俺も遅れて振り返るとリュウの剣とツノがぶつかり弾け飛ばされたシカのようなモンスターが俺の後ろにいた。
「サンキュー!リュウ!」
「おう!」
まったく油断は禁物だと改めて考える。
ここは、見渡す限りの平原であり、見晴らしが良いのはこちらもモンスターも一緒なのだ。
そんなことを戒めながら俺はトナカイに向けてハンマーを振り下ろした。
しかし、ハンマーはトナカイには当たらずドスンと、音を立てて地面を叩く、反動で俺の手からハンマーが飛び出しそうになるがなんとか堪える。しかし、その隙を見逃さずトナカイが俺に突進し、ツノが俺の体に接触する。
衝撃で飛ばされた俺の目の端に緑と黄色のゲージが表示され緑のゲージが4分の1ほど減っていた。おそらくはそれがHPゲージだ。
この攻撃をあと4発喰らえばおれは見事に一度HPが0になる。
それだけは避けたいところだ。
「フッ!」
と、気合を入れて少し痛む体を起こしてハンマーを構える。
すると、俺に向けて既に再び突進を仕掛けていたシカを俺はハンマーで叩くことで止めようとする。リュウが剣で止めることのできた突進なのだから、ハンマーが当たりされすればむしろダメージを与えることができると、そう考えての振り下ろし。
「フンッ!」
俺は力を込めてハンマーを振り下ろし、シカの角とハンマーがぶつかる音がした。
ガキィン
と、いう音とともに俺の手からハンマーが飛び出しあさっての方向に弾かれる。
そして、シカの突進が勢いそのままに俺体に迫ってくるのが見えた。
あれ?これまずくない?
これからも引き続きよろしくお願いします。