第24話 ニワトリ亭2
今回から生産回が続きます。
俺は目の前に広げたアイテムを見つめてどんなものを作りそれには何が必要か考える。
まずハンマーを作る際に必要なものとして、柄の部分に使うアイテムとして【堅牢な骨】を選ぶ。
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【堅牢な骨】
タックルボアの大きな体躯を支える頑丈な骨は、加工によって高い耐久度を持たせる素材となる。
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と、言うアイテムでドロップ先はタックルボアだ。
これを使えば骨と言う素材から割と軽量な柄が作ることができる。あまりにも重すぎても取り回しが悪くなりすぎることから、軽さも大切だと俺は考える。
次にハンマーの頭の部分に使うアイテムとして【硬い石材】を選んだ。
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【硬い石材】
広く人に使用される石材で耐久力と重量には定評がある。
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と、言う探索で得られるアイテムで、柄の部分は軽さを重視したためここで重量を求める。
本来は健在などに使うのが一般的なアイテムのようだが俺は頑丈な点と重さから今回は武器の作成に利用する。
次に俺が注目したアイテムは【粘着糸】とその加工したアイテムである【頑丈な糸】だ。
グランドキャタピラのドロップアイテムである【粘着糸】を2本束ねて紡いだアイテムで強度の高い糸になっている。
そしてそれを基本に後はプラスアルファの素材として【タックルボアの牙】の牙と【ワイルドホーンの皮】を使うことを決める。
「よし!早速、製作開始といきますか!」
俺はまず【堅牢な骨】を手に取り両端に加工を施していく。まず持ち手にする側を握りやすい細さになるまで削り丸くなるように【道具製作セット】に入っているやすりを使って持ち手を丸くなるように加工する。反対側は結合部分になるので【硬い石材】を貫通しやすくするため槍のような形状になるように削る。
次に【硬い石材】を柄の部分との結合部に穴を小さく開けて起き硬い石材を貫通させるポイントを決めておく。そこに先ほど加工した柄を差し込んでいく。結合部に隙間ができるともろくなりそうなため慎重に【硬い石材】を削りながら作業を進めた。
貫通に成功したら、【頑丈な糸】を使ってまずは柄の部分が抜けたりさらに深く刺さることで頭の部分がずれることの無いように結合部と突き出している部分に糸を巻き付けて固定する。その後に斜めに巻き付けていくことで全体的な強度を上げる。
そして、これだけでもハンマーは既に完成しているのだが、ここにプラスアルファとして両端に【タックルボアの牙】を取り付けていく。
【タックルボアの牙】は少し反った形状になっていてそれを両端に特に何も加工をせずに牙が若干飛び出すようにして【頑丈な糸】を用いて巻き付けて取り付けていく。
最後に持ち手の部分を【ワイルドホーンの皮】をなめして毛をすべて毟り純粋な皮のようにした後で野球のバットのグリップのように巻いていく。
今まで力負けして武器をはじかれた際に武器を飛ばされることが多かったのでこれは気休めかもしれないがグリップを取り付けた。
「ふぅ…完成っと」
俺は額に浮かんだ汗をぬぐい完成したハンマーを握る。
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【ロックスパイクハンマー(頑丈)】
岩石を用いたハンマー。高い火力と高い耐久性を誇る。
取り付けられたタックルボアの牙により、たたきつけて突き刺すという攻撃手段を追加した。
ATK+155
状態異常出血(中)
耐久180/180
製作者:カイゲン
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「ロックスパイクハンマー、ね」
軽く素振りをして使い心地を確かめる。
ブンっと音をしてハンマーが振るわれる。
握り心地も良く、重量も少し重いが逆に相手に叩き落す分には高い攻撃力を発揮しそうだ。
それに嬉しいのは追加効果で状態異常出血(中)が付いたことだ。中確率で相手を状態異常出血に陥らせることで相手に継続ダメージを与えることができ、防御力やHPの高い敵にも有効な攻撃手段を手に入れることができた。
さらに、制作を終えたところでポーンと音がして【鍛冶職人】と【道具製作職人】のスキルがレベル3に上がったことが表示される。
そして同時に技能をそれぞれ取得したことが表示される。
【鍛冶職人】の技能の【改良】は既に完成している武器に、新しく素材を取り付けることで武器を強くしたり、改造することを可能にする技能で、武器の生産において大きく幅を広げるものだった。
【道具製作職人】の技能の【簡易製作】は一定難易度以下のアイテムをMPを使用することで自動で生成する技能で、生産の効率を上げる技能だった。
「次は防具でも作るとするかな…」
夜はまだまだ長い。
俺は残ったアイテムで何ができるか考える。
これからも引き続きよろしくお願いします。