第11話 独房3
今回は生産メインの回です。
ご都合主義なところが多々ありますがそこは、ファンタジーと大目に見てやってください。
表現などアドバイスを頂けるととても助かります。
まず、俺が防具を作る上で重視したのは動きやすだ。ガチガチに固めたフルプレートの防具、それこそ昨日の鎧の騎士のような防具は動きやすさ、機動性に優れているとは言えない。
俺の現状の戦い方ではまず相手にしっかりと攻撃を与える必要があり、その点動きやすくないと咄嗟の行動や攻撃ができない。
だから、体のどの部分の防具でも動きやすさを重視した防具を作る必要があった。
この動きやすさを重視する上でぴったりな素材が【ワイルドホーンの皮】であった。
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【ワイルドホーンの皮】
ワイルドホーンから得られる皮。
伸縮性に優れたその皮の汎用性は高い。
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この皮をベースに防具を作って行く。
防具を作る際に必要な条件というものは少ないらしくかなり自由な作成が可能となっており、その幅は最低限今回のように核やベースとする皮などのアイテムがあればほぼ自由と言っても良い。
さらに、同時展開してある他の生産系スキルとの複合的な生産も可能となればプレイヤーの数だけオリジナルの防具ができると言える。
今回俺は、先ずはは【ワイルドホーンの皮】を先に【道具政策職人】のスキルを用いて鞣していく。
本来はミョウバンなどの薬品が必要となる工程だが、【初心者用道具製作セット】に皮を鞣す用のアイテムが入っており、薬品につけて取り出せば乾かすなどの工程がスキップされて完成されたアイテムとして【ワイルドホーンの皮(加工)】が、完成した。
鞣した皮は、服以外にもたくさんの用途があるためおそらく道具製作のスキルの領分に入っているのだろうがこれで丈夫でなおかつ肌触りの良い皮の素材が手に入った。
俺はその皮を二枚使用して胴回りの防具を作成していく。
【木工職人】のスキルを発動させて【乾いた丸太】を加工して薄い板にした後、体の前面と側面側とに分けて俺の体に合わせるようにしてサイズ通りに切り分け、熱しながら少しずつ曲げることで俺の体の微妙な曲線に合わせていく。さらに、皮を二枚使用してその板を間に挟むことで衝撃を少しでも和らげるための緩衝材として木材を中に仕込む。本来は金属や鱗のあるモンスターの素材などがあれば良いのだろうが、今回はないのでこれで代用する。その際、俺の体周りに合わせて窮屈にならないように細心の注意を払い、つなぎ目や合わせ目には【何かの骨】を使って中でずれることや動きを阻害する事態を未然に防ぐ。
そして、布を縫っていく際には、【鍛治職人】と【道具製作職人】のスキルを同時発動させることでスキルの補正がかかったのか、かなり簡単に皮を縫い付けることができるようになり作業が簡単に進んでいく。
最後に余った【何かの骨】を大きさを揃えた上で縛り長方形の骨の塊を2つ作り肩当てとして肩の部分に取り付ける。
「よしっ…と!」
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【ワイルドメイル(速度強化)】
ワイルドホーンの丁寧に鞣した皮を用いたワイルドな様相の一品。
製作者の丁寧な作業により細心の注意を払って作成されたこの防具は使用者の動きを早くする。
また、無理のない作業によって長く使用することができるようになっている。
耐久値 120/120
DEF+15
AGI+3
製作者:カイゲン
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初めての作業でこの出来栄えなら満足のいく一品が完成したと言える防具が出来上がった。
正直、自分でも出来過ぎなところもあるくらいに全ての作業が上手く行った。
それを反映してるかのような一文や、俺の狙いがうまく反映されている説明文を読みこれまでの2日間で溜め込んでいた陰鬱な感情が吹き飛んだ。
「よし!この調子で残りの素材も全部使いきっちまうか!!」
俺は残った素材を見つめながら何が作れるか、このゲームを始めて以来最もウキウキとした感情で考え始めた。
今回も読んでいただき有難うございました。
今後も引き続きよろしくお願いします。