プロローグ
はるか昔、神様は世界を作った。
そんな妄想を信じているのは極一部の人々だけだろう。
海は、神様が作ったのではなくマグマの海が冷えて固まったものだ。
人間も神様が作ったのではなく生物の進化の過程で誕生した。
神様のしたとされることは、殆どが理論的に解明されている。
「神様なんていない」
それが当たり前だと世界中にその思想が浸透していた。
しかしある日を境に、その思想は世界中から消えた。
始まりは、光だった。
その光は、夜を消し去るほどに輝き、全ての人の目を奪った。
人々は、その光を見て様々なことを考えた。
何かの実験、大量の花火の爆発。
そんな常識的な考えばかりしていため、誰も真実にはたどり着けなかった。
様々な考えを巡らせていた、人々の頭の中 「私は神だ」と名乗る声が聞こえた。
神様の存在を否定していた人々は、誰しもが誰かのおふざけだと思っていた。
そして、神と名乗る声は続けて言った。
「この光は、天界に穴が開いたことによるものである。
そして、天界に穴が開いたけとにより神の作り神器と、神の封じていた化け物が地上に落ちてしまった。
どちらも、地球に悪影響を及ぼすため、これらより人々を守るため一つの贈り物を授ける」
それだけ言うと光と声は消えた。
誰もが、謎の声を信じず元の日常をまた過ごし始めた。
しかし、数分後人々は嫌でも神の存在と言葉を信じることになる。
まず初めに、神器の影響を受け世界が変わった。
空に飛んだ大地、急激な温度の変化、次々に起こる自然災害など様々な変化が起きた。
しかしそれは、まだ序章に過ぎなかった。
世界の形が変わった後、再び異変が起きた。天界から落ちてきた化け物達が、世界の各地に出現し人々を襲い始めたのだ。
人々は、環境の変化と化け物の襲撃を同時に受けてパニックを起こした。
結果的に、まとも思考ができないまま化け物あるいは自然災害によって命を落とした。
化け物に立ち向かう者達もいた。
彼らは、武器を手に取り化け物と戦った。
しかし、銃弾は傷をつけることもできず、戦車は傷をつけることができたが、致命傷には至らならなかった。
人々が持つ全ての武器は、化け物達には効かなかった。
そのことを知った人々は、これはただ一方的な殺戮なんだと理解した。
この日人類は、人口の約一割を失うこととなる…。