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第弐拾参話 冥獣四天王篇 最終部 怪魔将牙神、復活を遂げる。

悪魔の樹海に出没した冥獣四天王、闇の妖術師・青龍将軍との最後の戦いを迎えた天空八将神。


しかし、圧倒的な強さを誇る青龍将軍の前に、導節達は苦戦を強いられていたのである。


『ふはは・・・、無駄だと言った筈だ。貴様等が束になっても、我を倒す事は出来ぬ。』


「くっ、あまりにも強すぎるぞ。」


「いったいどないせぇっちゅうねん。」


「こうなったら、天空変身で戦うしかない。」


「ああ、みんな変身するぞっ。」


導節達は急いで印を結び、天空変身の術を唱え始めたのである。


『唸れっ、天空の力・・・。超天空変身・八将神変化っ。』


すると導節達は、金色の光に包まれながら天空八将神に変身していった。


『貴様等・・・まさか天空八将に変身したのか・・・。』


「ああ、こいつに変身してしまえば、こっちのもんだからな。」


「つまり、俺達は天下無敵の天空戦士ってな訳だ・・・。」


「わい等を舐めとったら、怪我するでぇ。」


『ふっ、何が言いたいんだ。まだ、我の真の恐ろしさを知らない様だな・・・。』


「何っ、どう言う事だ・・・。」


すると青龍将軍は、すかさず懐から銀色の丸薬を取り出し、そのままその丸薬を飲み込んでいったのだ。


暫くすると、青龍将軍の身体に異変が生じ、徐々にこの世の物とは思えない異形な化け物に変貌を遂げたのだ。


「な、そんな馬鹿な・・・。」


「青龍将軍が、なんであんな姿に・・・。」


「・・・はっ、そうか。奴はあの銀色の丸薬のせいだ。」


「導節、どう言う事だよ・・・。」


「奴は《妖幻丹》と言う特別な丸薬を飲んだせいで、恐ろしい魔物に変身したのさ。」


「それだけではない、今まで以上に力が増幅されていて、例え我々の力を以てしても、勝ち目は零に等しいと考えるべきではないかと・・・。」


「だったら、力尽くで戦うしかないだろ。」


「ああ、やってやろうじゃないか。俺達天空八将神の実力を見せてやろうぜ。」


『ぐぉ〜、貴様等に我を倒すなど不可能だ。』


「へんっ、てめぇなんか一気にやっつけてやるぜ・・・。」


「みんな、行くぞっ。」


すると、導節達は一斉に青龍将軍に攻撃を仕掛けていくが、力が増幅した青龍将軍には全く打撃を受ける事は出来なかった・・・。


「な、何々だ・・・。」


「めっちゃ強うなってるやんか。」


「俺達の攻撃が通用しないぞ。」


『ははは・・・、だから言った筈だ。何度やっても我は無敵の青龍将軍だとな・・・。』


「くそっ、どうすりゃいいんだよ。」


「このままじゃ、奴を倒すのは困難だぜ。」


「導節様、何かいい方法はありませんか。」


すると導節は、ある一計を案じるのだった。


「かくなる上は、合体技で応戦するしかないな・・・。」


「よしっ、やってやろうじゃないか。」


「俺達天空八将神の力を見せてやろうぜ。」


すると、導節達はそれぞれの力を集中させ、一気に青龍将軍に攻撃を仕掛けていったのだが、全く歯が立たず逆に青龍将軍は太極破斬剣で導節達を弾き飛ばしていくのだった。


「駄目だ・・・あの太極破斬剣で近付く事すら出来ないぜ。」


「なんとしてでも、あの剣を何とかしないと・・・。」


「信乃、何とかならないのか・・・。」


暫くして、信乃は導節にこう話していった。


「確率は少し低めですが、何とかやってみます・・・。」


そう言って信乃は、狙いを定めて青龍将軍の持っている太極破斬剣を得意の術で見事命中し、太極破斬剣は空中回転しながら遠くへ弾き飛ばしていったのだ。


「よっしゃ〜、命中したぜ。」


「これで奴は丸腰だ。新兵衛、急いで太極破斬剣を・・・。」


「分かりました。」


新兵衛は自慢の駿足で太極破斬剣を拾いあげ、導節の手元に渡していったのである。


「さぁ、青龍将軍。これで貴様はとっておきの切り札を失った訳だ。もうどうする事も出来まい・・・。」


『ぐぐぐ・・・、おのれ貴様等ぁ。だが、その剣が無くとも我は無敵の将軍なり。いかなる技をも、我は最後まで戦う為るぞ・・・。』


「喧しい、てめぇがどんな攻撃して来ようと、俺達は負けやしねぇんだよ・・・。」


「せやっ、わい等が本気になれば、貴様なんか一発で倒したるわいっ。」


「さぁて、そろそろ決着をつけようじゃないか・・・。」


『うぬぬ・・・、もう勘弁ならぬ。我が最強の妖術を喰らうがいい。』


すると青龍将軍は、導節達に妖術を繰り出し、全滅させようとしたのだが、天空八将神に変身した導節達は、ひらりと避けながら反撃を開始した。


「天空秘術・爆裂飛翔暫。」


「天空秘剣・火炎爆龍斬。」


「天空秘術・雷鳴流星破。」


「天空秘術・氷結龍神破。」


「天空秘剣・爆雷破壊斬。」


「天空秘術・虚空雷神衝。」


「天空秘術・龍神招来覇。」


「天空秘術・四神来々拳。」


導節達の必殺技が一斉に放たれ、青龍将軍は大打撃を受けたのだが、あともう少しのところでとどめを刺す事は出来なかった。


『ま、まだ我は死なん。我は最後まで戦い抜くのみ・・・。それが、闇の一族の宿命だからな。』


「何が宿命だっ。そんなの俺達には関係の無い事だ。」


「その通りだ、我等は天の命令に従う者。闇の者を裁くのは我等天空八将神の使命だからさ。」


「これまでに闇の妖怪達を倒して来たが、貴様の様な奴は天の神をも恐れぬ不埒者だと言う事をな・・・。」


「喰らえっ、我等天空八将神の力を・・・。」


再び導節達は、全神経を集中させながら青龍将軍に必殺技を放っていくのであった。


『唸れっ、天空の力・・・。必殺・爆龍八卦陣・・・。』


導節達の必殺技・爆龍八卦陣が炸裂し、遂に冥獣四天王最後の一人・青龍将軍は苦悶の声を上げながら消滅していったのだった。


「やったぁ、これで冥獣四天王を全員倒したぜ・・・。」


「ずいぶん長かったな・・・。」


「ああ、これで一先ず冥獣四天王は全滅した訳だ・・・。」


「残るは、闇の一族・・・幻魔城城主・悪霊玉梓と、闇の僧侶・幻斎坊だけ・・・。」


「それだけやないで。たった今倒した青龍将軍の魂が、もう間もなく闇の大魔獣・怪魔将牙神のところへ向かっている筈やで・・・。」


「ちょっとやばいんじゃねぇのか。」


「それより、この中に閉じ込められた鳳扇元帥様を助けないと・・・。」


「そうだ、うっかり忘れていたぜ。」


「おいっ、急いで助けるぞ・・・。」


すると現八と小文吾の二人は、岩牢の扉を開けようとしたが、封印が施されており、誰もが諦め掛けたその時、導節が岩牢の扉の前に立ち、印を結んで術を唱えると、岩牢の扉が大爆発を起こし、急いで鳳扇元帥を救出したのであった。


「鳳扇元帥様、ご無事でしたか・・・。」


『そなた達は・・・。』


「我等は封雷元帥様からの命令により、鳳扇元帥様を助ける様命ぜられた天空八将神にございます・・・。」


『何っ、するとお主達が・・・。左様か、忝ない。我は確かに、翔風殿の主・鳳扇元帥とは我の事だ。』


「やはりそうでしたか・・・。」


「もう心配ありません。闇の妖術師・青龍将軍は我々が倒しました。」


『何っ、それは本当か・・・。』


「ええ、我々は闇の一族を討伐する為に、数多あまたの妖怪を倒してきました。無論、冥獣四天王も・・・。」


『だが、心配なのは・・・奴等が闇の大魔獣である怪魔将牙神を復活させようとしている事だ。』


「その心配ならいりません、我々が命を賭けて怪魔将牙神の復活を阻止します。」


「この太極破斬剣がある限り、何も恐れる事もありません。」


「その通りや、わい等天空八将神が闇の一族を蹴散らしたるわい。」


「そして、闇の大魔獣である怪魔将牙神も・・・。」


『・・・天空八将神の者達よ、助けてくれた礼に、我が翔風殿に招待いたそうと思うておる。』


「しかし、どうやって此処を脱出するかだよな・・・。」


『その心配は無用じゃ。我が術で、此処から脱出し・・・一気に翔風殿まで移動しようぞ。』


そう言って、鳳扇元帥は術を唱えると一瞬にして樹海を脱出し、暫くして導節達は翔風殿に到着したのであった。



「ふぅ〜、何とか脱出する事が出来たな。」


「それにしても、あんな所は二度とゴメンだぜ・・・。」


「せやっ、息苦しいってもんやないで。」


「そうですよね、私もあんな所は死んでも行きたくありませんよ。」


「だけど、心残りなのは・・・何時怪魔翔牙神が復活するかだよな。」


と、そこへ鳳扇元帥が導節達の前に現れ、遂に怪魔将牙神が復活を遂げたと導節達に告げたのだった。


『導節よ、どうやら怪魔将牙神が復活した様だ・・・。』


「何ですって・・・。」


「遂に、恐れていた事が現実に起きてしまったか・・・。」


「聖魔大戦が、いよいよ始まるのか・・・。」


「けど、こっちには太極破斬剣があるんだ。」


「それだけやないで、わい等には天空の力があんねん。怪魔将牙神なんか、わい等の力で倒したるで・・・。」


「おいっ、毛野。あまり無茶な事を言うなよ。」


「そうですよ、小文吾の言う通り・・・あまり無茶をすると、命を落とし兼ねますからね。」


暫くして、鳳扇元帥は導節達に『この事を元始天尊様に報告し、応援要請をする。』と告げ、更に雷界殿の封雷元帥にも助太刀して貰おうと提案するのだった。


「本当ですか、鳳扇元帥様・・・。」


「奴等がこれを聞いたら、きっとびっくりするだろうな。」


「せやけど、帰って逆効果とちゃうやろか。」


「そんな事は無い。これも、天の運命さだめなのかも知れないな。」


「大角の言う通りだ。俺達は人間界を護る為に奴等と戦っているんだぜ・・・。」


「でも本当に、これで良かったのでしょうか。」


「いいに決まってるじゃないか。俺達は天空八将神なんだぞ。そんな弱気な事を言ってどうするんだよ。」


「みんな聞いてくれ・・・。奴等との最終決戦は、一週間後に決行する。それまでに、各自休息を摂るのだ。」


「分かったぜ、導節。」


「俺達は何時でも準備は万端だぜ。」


「導節、あまり無理をするなよ。お前だけが頼りなんだからな。」


「ああ、分かっているさ。大角も、気合い入れて行けよ。」


「ばっちり任せておけ。さぁて、暫く休むとするか・・・。」


導節達は、最終決戦を一週間後に控え、各自休息を摂る事にした。


その日の夜、一人翔風殿の外を散歩していた導節は、天を仰ぎながら夜空を眺めていた。


「いよいよ一週間後か・・・。もし、この戦いが終われば、俺は仲間と別れなければならないんだ。この事は、誰も言わないほうがよさそうだな・・・。」


すると、導節の前に白装束を身に纏った白髪の老人が姿を現した。


「導節よ、久しぶりじゃな・・・。」


「あっ、貴方様はもしや・・・白劉老師はくりゅうろうし様。」


「暫くぶりじゃな。」


「老師様もお元気そうで・・・。」


「いよいよ一週間後じゃな、最後の戦いが・・・。」


「・・・はい。」


「お主なら出来る。自分を信じるのじゃ。」


「自分を・・・信じる。でも私は、これまでに仲間と戦ってきました。しかし、正直自信がありません。」


「大丈夫じゃ。わしが、お主に勇気のでる呪文を授けよう。」


そう言って、白劉老師は導節に勇気の出る呪文を唱えた。


すると、導節の身体から心の底から徐々に勇気が湧いて来たのだ。


「・・・老師様、何だか勇気が湧いてきました。これで、最後の戦いに挑む事が出来ます。」


「それは良かったのう。じゃが、あまり無理をするではないぞ。他の仲間と力を併せ、闇の一族を翻弄させるのじゃ。」


「分かりました、老師様・・・。」


「ではっ、そろそろ帰るとするかのう。導節よ、武運を祈っておるぞ。」


「ありがとうございます、老師様・・・。」



それから一週間後、いよいよ闇の一族との最終決戦の時を迎えた。


導節達は、いつも以上に気合いを入れ、最後の戦いに挑むのであった。


「みんな、準備はいいか・・・。」


「ああ、こっちは何時でも準備は万端だぜ。」


「目指すは、宿敵・悪霊玉梓のいる幻魔城。」


「ではっ、皆の者・・・行くぞ。」


遂に始まった闇の一族との最終決戦。


果たして、導節達は闇の一族を討ち滅ぼす事が出来るのか。


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