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第拾七話 冥獣四天王篇 第八部 決戦!光の八犬士対闇の破壊王

天空十二神の一人である太上老君から、闇の破壊王・玄武将軍に勝つ為、厳しい修行を続けていた導節達は、誰一人根を上げる事無く修行に精進していたのである。

『よくぞ此処まで耐えて来た・・・、光の八犬士達よ。』

「太上老君様、これで我々も、玄武将軍を倒せる域まで達したと思いますが・・・。」

「そうです、我々八犬士も此処まで修行をしてきたのです。」

『だが、お主達の力はまだ完全では無い。』

「どう言う事ですか。」

「俺達の力が完全じゃないってどう言う事だよ・・・。」

『・・・確かに、お主達は術を完璧に修得した。だが、何か一つ気になる事があるのじゃ。』

「気になる事・・・ってどう言う事なのですか。」

『それは、お主達が持っている八大童子の宝玉が完全に光を失っているからじゃよ・・・。』

「何ですって・・・。」

「八大童子の宝玉が、光を失っているですって・・・。」

「・・・本当だ、宝玉が光を放っていない。」

「嘘だろっ、何で光らないんだよっ・・・。」

「なんでやねんっ。」

「太上老君様、これはいったいどう言う事何ですか・・・。」

すると太上老君は、暫くして八大童子の宝玉の秘密を明かしたのである。

『八大童子の宝玉は、元々龍水晶りゅうずいしょうから造られたとされている由緒正しき聖なる宝玉。』

「その龍水晶が、後に八大童子の宝玉になったと言う訳ですね。」

『その通りじゃ、龍水晶は修験道の開祖・役 行者えんのぎょうじゃが霊力の強い龍神から譲り受け、百八の連ねた数珠を造られたそうじゃ。』

「それで、いつ頃から八大童子の宝玉がこの世に現れたのですか。」

『八大童子の宝玉がこの世に現れたのは、今から丁度三百年前の事、ある城の姫君の首に掛かっていたと言う伝説があったとされている。』

「その姫君の名は・・・。」

『館山城城主・里見義実さとみよしざね公の娘・伏姫ふせひめ様じゃ。』

「太上老君様、伏姫様が首に掛かっていた数珠は、その後どうなったのですか。」

「せやっ、なんか気になるわ。」

『伏姫様はその後、愛犬・八房やつふさかばおうと、自ら楯になって銃に撃たれて命を落としたのじゃ。すると、首に掛かっていた龍水晶の首飾りの糸が切れてしまい、《忠》《義》《孝》《礼》《信》《智》《悌》《仁》の八つの宝玉が八方向に飛び散っていったのじゃよ。』

「それが、今我々が持っている〔八大童子の宝玉〕なのか・・・。」

「そんな事があったなんて知らなかったぜ。」

「でも、八大童子の宝玉が光を失っているって言うのは、何か原因がある筈何ですが・・・。」

「信乃、教えてくれっ。何で八大童子の宝玉が光を失ったのかを・・・。それに、このままじゃ玄武将軍に全員やられてしまうんだぞ。」

「私に言われても、どうにもなりませんよ。」

「現八、いい加減にしろっ。この事は、太上老君様に任せるしかあるまい。」

「太上老君様、何か方法は無いのでしょうか。」

暫くして、太上老君は導節達に『後は運を天に任せるのみ。』と、言うだけだったのである。

「それじゃ、このまま我々を野放しにするつもりですか。」

『いや、そう意味で言ったのではない。その宝玉は、力を蓄えているのじゃよ。』

「力を・・・蓄えている。」

「いったい、どう言う意味なんですか。」

『八大童子の宝玉は、一度最大の力を発揮すると、暫くの間霊力を失う事がある。だが、ある一定の期間だけ、霊力を回復させる事が出来る。』

「本当ですか、太上老君様・・・。」

「どうすれば、八大童子の宝玉を回復させる事が出来るのでしょうか。」

霊泉洞れいせんどうと呼ばれる聖なる洞窟があり、その奥にある〔〕龍神水りゅうじんすいに宝玉を沈めると、宝玉は元の光を取り戻す事が出来るかも知れぬ・・・。』

「早速その霊泉洞に行ってみようぜっ。」

「導節様、時間がありません。急いで霊泉洞へ向かいましょう。」

「そうだな、とにかくその霊泉洞に行ってみよう。」

『光の八犬士達よ、我が霊泉洞に案内致そう。』


と、突然導節達の目の前に爆発が起き、再び冥獣四天王の一人、玄武将軍が姿を現していったのである。

「またお前かっ、性懲りもなく現れやがったな・・・。」

『ははは・・・、随分なご挨拶だな。だが、今の貴様達には力を感じない。何故だ・・・。』

「そんな事はどうでもいい、どうせまた俺達にやられたいのか。」

『ふんっ、この間は不覚を取ってしまったが、今度は同じ手を二度と通用しないから覚悟するがいい。』

「だったら、試してみるか・・・。」

「せやっ、今までのわい等とは格がちゃうで。」

『ほう・・・、相当自信があると見えるな。ならば、試しに戦ってみるか・・・。貴様達がどれだけの力を身に付けたのか、この玄武将軍が再び相手になってやるっ。』

「面白ぇ、速攻でてめぇをぶっ倒してやるぜっ。」

「導節様、我々の力を玄武将軍に見せ付けてやりましょう。」

「ああ、みんな行くぞっ。」

『おお〜っ。』


遂に始まった八犬士対玄武将軍との戦いが、再び始まろうとしていた。


『くたばれっ、魔導妖術・爆雷斬魔弾ばくらいざんまだん!』

玄武将軍の魔導妖術・爆雷斬魔弾が炸裂し、導節達の前で大爆発が起こり、大打撃を受けてしまったのである。

「くっ、玄武将軍の奴・・・前より強くなってるぞ。」

「なんで、あんなに強くなっているんだ。」

『奴はどうやら、〔魔導玉〕を使っているらしいのう。』

「魔導玉・・・。」

『魔導玉は、妖術を増幅させる魔道具の一つ。一歩間違えれば命に関わる恐ろしい道具じゃ。』

「玄武将軍の奴、とんでもない物を使いやがったな。」

「どうりで、やけに強力な妖術を使うと思っていたら、そんなカラクリが仕組んでいたとはな・・・。」

『よくぞ見破ったな、だかカラクリが分かっていても、もう誰にも我を止める事は出来ないぞ。』

「くそっ、どうすりゃいいんだよ・・・。」

「導節、何かいい策略は無いのか・・・。」

「あの魔導玉がある限り、どうにもならない。」

「こうなったら、一気に玄武将軍をやっつけるしかないで。」

「そうだな、例え八大童子の宝玉の光が失おうと、我々には無限の力がある。その無限の力を信じるんだ。」

「その通りだ。導節の言う通り、俺達には無限の力がある。そいつに全てを掛けてみようじゃないか。」

「そうですよ。みんなの力を一つにして、玄武将軍を倒すのです。」

「よっしゃ〜、もう一丁気合いを入れて行くかぁ。」

『何度戦っても同じ事だ。もう一度、我が魔導妖術を喰らうがいい・・・。』

再び玄武将軍が魔導妖術を繰り出していくのだが、先程より強力な魔力を帯びた雷球らいきゅうが導節達を直撃していったのである。

『これで、光の八犬士もおしまいだな・・・。』

完全に光の八犬士を全滅させたと思い込んでいた玄武将軍だったが、その時奇跡は起きたのだ。

「玄武将軍、何がおしまいだって・・・。」

『何っ、そんな馬鹿な・・・。』

なんと、大打撃を受けた筈の導節達が、全くの無傷で玄武将軍の前に姿を見せたのである。

「どうだ、俺達は無傷だぜ。」

「形勢逆転の様やな、玄武将軍。」

「我々光の八犬士は無敵の犬士。貴様みたいな奴に、決してやられはしないんだ。」

「闇の化身である玄武将軍よ。貴様に生きる資格は無いんだ。」

「その通り、悪が栄えた試しは無いのさ。」

「今此処に集いし光の八犬士が・・・。」

「天に代わって成敗してやるぜっ。」

「来いっ、最後の勝負だ・・・。」

『うぬぬ・・・、言わせておけば無礼雑言の数々、断じて許し難し。こうなったら、この魔導玉で更に増幅させ、貴様等を叩き潰してやるっ。』

遂に本気モードに突入した玄武将軍は、魔導玉を握り締め呪文を唱えていったのだった。

『闇を司りし邪悪の神よ、今こそ我に魔導玉の力を与えよっ。』

すると、玄武将軍の持っていた魔導玉が妖しく黒い光を放ち、邪悪な妖気が玄武将軍の身体に取り込まれていくのであった・・・。

『うぉぉ〜〜〜〜〜っ、力が漲っていくぞぉ。』「う、嘘だろっ・・・。玄武将軍の魔力が増幅されているぞ。」

「そんなのどうでもいい、一気に勝負を決めるぞ・・・。」

『おお〜〜〜〜っ。』

導節達は反撃を開始し、導節、新兵衛、信乃、現八、小文吾、毛野、荘助、大角の八人はそれぞれの術や必殺技で応戦していき、玄武将軍を追い込んでいったのである。

「これでとどめだっ、玄武将軍・・・。」

導節は究極の修験術を施し、玄武将軍にとどめの一撃を刺していくのである。

「大いなる天空の力を受けてみよっ。天空秘術・爆炎昇龍破ぁ〜っ。」


導節の修験術・爆炎昇龍破が玄武将軍に命中し、遂に玄武将軍は倒されていったのである。

『お、おのれ・・・。だが、我が滅んでも後の二人が貴様等を倒してくれるに違いない。その前に、とっておきの奥の手を使い、貴様等に永遠の呪いを掛けてやるっ。』

そう言って、玄武将軍は死ぬ間際に〔魔導呪災術〕を放ち、一瞬のうちに導節達は玄武将軍の呪いを受けてしまったのだ。

「な、何だ・・・。」

「か、身体が・・・。」

「身体の自由が・・・き、利かないぞ。」

「こ、これが奴の言っていた〔魔導呪災術〕なのか・・・。」

「くそっ、どうにもならないぜっ。」

「いったい、どないなってんねん。」

「導節様、このまま我々は奴の呪いを受けたまま、やられてしまうのでしょうか。」

「いいや、これで終わる八犬士じゃない・・・。最後まで諦めるなっ。」

と、その時だ。


それまで光を放たなかった八大童子の宝玉が奇跡的に輝かしい光を放ち、玄武将軍の魔導呪災術が完全に打ち破られてしまったのだった。

『おお〜、奇跡じゃ。あの者達に奇跡が起きた様じゃ・・・。』

「お、俺達助かったのか・・・。」

「いったい、何があったんだ・・・。」

「もしかしたら、こいつのせいなのか・・・。」

「多分、八大童子の宝玉が助けてくれたのか。」

「ほんまなんか。ほんまに呪いが解けたんやな・・・。」

「玄武将軍、さっきも言った様に我々は決して最後まで諦めないといった筈だ・・・。」

『・・・さすがは光の八犬士。よくぞ我を倒したな。だが、これで我は闇の大魔獣の力になれるんだからな・・・。』

「またしても、闇の大魔獣か・・・。」

「まさかっ、怪魔将牙神の事やないのか。」

『その通り、我が滅びて怪魔将牙神様と一心同体となるのだ。』


「そんな事はさせないぜっ。」

だが、玄武将軍は完全に滅び、魂となって遥か彼方へと飛び去って行ったのである。

『どうやら遅かった様じゃな・・・。』

「太上老君様、玄武将軍の魂は・・・怪魔将牙神の中に取り込まれていくのか。」

『恐らくな、まだ怪魔将牙神は完全体ではない・・・。』

「どう言う事ですか。」

『怪魔将牙神は、恐らく悪霊・玉梓が冥獣四天王の魂を集め、復活の儀式を行おうとしている。今、玄武将軍の魂がもうすぐ怪魔将牙神の中に取り込まれようとしておる。あと二つの魂が揃えば、怪魔将牙神は完全に復活するであろう。』

「くそっ、そうはさせるか・・・。」

「あと二人って事は、闇の風使い・白虎将軍と闇の妖術師・青龍将軍のみ・・・。」

「もし、この二人を倒した時、怪魔将牙神は復活しちまうのか。」

「でも倒さないと、人間界がやばい事になるぜ・・・。」

「どっち道、両方やっちまわないと、意味が無いんじゃないか。」

「太上老君様、何かいい知恵はありませんか・・・。」

『・・・さすがにこれだけは、どうにもならん・・・。』

「とにかく、俺達だけで何としてでも奴等を阻止しようぜ。」

「ああ、我等八犬士は必ず闇の一族を滅ぼす・・・。」

「せやっ、わい等が倒さんと誰が倒すんねんっちゅう話しや。」

「みんなで力を合わせて、残り二人の将軍を倒し、悪霊・玉梓と怪魔将牙神を完全にやっつけるぞ・・・。」

『その意気じゃ、光の八犬士達よ。だがその前に、お主達が持っている八大童子の宝玉を霊泉洞の龍神水で清められていくがよかろうぞ。』

「では、今から霊泉洞に行って八大童子の宝玉を清めて行こう。」


暫くして、導節達は太上老君の案内で霊泉洞に向かい、八大童子の宝玉を龍神水に沈めたあと、天将楼の八賢者のところへと向かっていったのである・・・。


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