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そらあい


愛していたからこんなにも寂しい思いをしたのだろう。



友人たちはそろって一時間後に来た。

どうやら、あたしと彼が話す時間を作るためにみんなで一時間作ってくれたらしい、ということを聞いた。

なんだか、嬉しくて、ありがたくて、それでいて恥ずかしかった。


「ね、ナミー、あたしが電話したとき誰か一緒にいたでしょ?」

「え」

その友人の発言に野次馬根性丸出しでみんなキラキラと目を輝かした。


「か、会社の人、だよ」

「なんもなかったのー?」

「ないないない!」

間違っても告白された、と言ってはいけない気がした。


「ナミ」

彼があたしを端に引っ張る。

「本当に何もなかった?」

「こ、告白はされた……」

複雑そうな苦しそうな顔をした彼。どうしていいのかわからずに戸惑いながらも見つめた。

「返事……した?」

「断ったよ!」

恐る恐る聞く彼に言うと柔らかく笑ってくれた。



帰りは彼と二人、久しぶりに並んで歩いた。

すごく穏やかな感覚で、懐かしいと一瞬思った。

きっとあの別れは必要なことで、だから、今こんなにも穏やかに並んでいられるのだろう、と思う。

彼と歩くとこんなにも景色はかわる。

空もこんなにも愛おしくなる。

肌寒いはずの夜も、心地よかった。



「ナミ」


彼に呼ばれる名前が好きになる。

差し出された手をしっかり握りしめた。







きっと彼が本当に、あたしの最後の恋人だろう。



なんの確証もなく曖昧にそう思った。



ソラアイ、完結です。

最終話、やたらと短くなりました。

ごめんなさい!

どれくらいの長さがちょうどよく読みやすいんですかね……(^_^;)


空合い

意:空の様子、空模様、事の成り行き

という言葉を当時、辞書で見つけて響きが気に入ったのを覚えています。


よろしければ感想などいただければ幸いです。


芽実


追記:桜井さんの対応が……。反省しております

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