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再会と真相2


彼も一瞬止まったが彼はぎこちなくあたしの隣をさしていった。


「隣、いい?」


昔、彼の場所だったあたしの右隣。

また彼がそこにいるのは不思議な気がする。

だからと言って彼以外にあたしの右隣がしっくりきた人もいないのだけれども。


「久しぶり」


気まずさに耐えかねて口を開いたのはあたしだった。


「久しぶり、だな。元気してたか?」


やっぱり彼はどこか気まずさを感じさせる話し方をする。

お互いに気まずいと感じているのだろう。

名目上は元カレ、元カノ。でも、付き合っていた時にキスすらしなかったあたしたちは、本当にそんな関係だったのだろうか。

再会できないわけじゃないけど、再会したら気まずい。


「うん」



そう返すと沈黙が彼とあたしを支配する。

複雑な気持ち、だ。

嬉しいような

嬉しくないような。

前は嫌じゃなかった沈黙が、なんだか今は嫌みたいだ。

はやく他の子達来ないかな、と逃げるようにそんなことを思っていた。

今更、彼に向き合える自信なんてなかった。


「ナミ」


彼に呼ばれてピクリと体が反応する。

彼の声が好きだ。

彼に名前を呼ばれるのが好きだ。

脳裏に思い出されるのは彼と付き合っていた3年のこと。

そりゃあもう鮮やかに。


「アキラも呼ばれたんだね」

彼の続く言葉に恐れて、あたしは話を変えるように言う。


「あ、おう。一か月前に帰国して、なんか集まろうって言ってくれたからな」

「そっか」

「ナミは来ないって聞いていたから驚いた」


その言葉にあぁ、そっか。と納得してしまう自分がいた。

望まれた再会じゃない、とわかっていたくせにいざそう言われると泣きたいくらいに悲しくなる。

あたしも、彼が来るとは聞いていなかった。

どちらも望んでいない再会だった。

「うん。あたしも」

彼は、だよな……とつぶやいた。


「いい機会だからさ」

と彼は続けていう。ナミに伝えたいことがあるんだ。

それを聞くのが少し、怖かった。


「俺さ」


彼は少し困ったような声を出した。

表情は見ていないけどきっと別れの時と同じ顔だろう。

ってわかるのは付き合いが長いからか、あたしが彼に惚れているからか。


「あの時どうしても待っててって言えなかった」


待っててって言ってくれていたらあたしは、5年でも10年でもまつだろう。その言葉だけを支えに生きていくであろう自分が容易に予測できた。


「確証のない約束でナミを縛りたくなかった」


何が、言いたいのだろうか……?

今のあたしはそれすらわからない。


「だから、絶対迎えにいこうって思って留学した」


もう、わからなくなってしまう。

そんな言い方をされると期待したくなる。


「俺はナミじゃなきゃ駄目なんだよ……。あんな付き合い方だから言えなかったけど」


彼が自分の話をしている……。

それがすごく珍しく思えた。




「愛している」


思わずこぼれたのは涙で“泣かないで”って言葉以来の涙が溢れでた。



「俺が絶対、幸せにするから。もう一回やり直してくれませんか?」


2年もたてば人は変わる。

それでも、変わらない想いがあったことが嬉しかった。



「どんなナミでも俺は愛してるから」


声は出なかった。

出来たのは首を上下に動かすことだけ。

もう一度はじめようか。

今度は無理させない。

わがまま言ってもいいよ。

彼は囁くように言った。



テンポが速くなってしまったみたいなので修正いたしました。

ど、ど、どうかな(^_^;)

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