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飛行機と空

時刻を確認するためにデジタル式の腕時計を見る。


09時58分。



約束の時間まで僅か2分。


あたしはベランダにでると空を見た。

出会った時のように晴れとも言い難い曇りとも言い難い空。

忘れることができたら、機械みたいに消去のボタンで白紙にかえせたら、楽なのに、なぁ。

有りもしないことを真剣におもう。

携帯のデータすら消せないあたしが、事実そんなことができたところでしないんだろう、とどこかで思っていた。



ふと時計をみるとちょうど10時になった所だった。


彼はあたしに何を見せたかったんだろうか?

わからない。


しばらく無心に見上げていると白い小さく見える機械が飛んでいた。

俗にいう飛行機だ。


多分、彼はあれを見せたかったのだろう。

理由のない思いがこみ上げた。


大学にいくと今日は噂がまっていた。



「紺野暁が留学した」



彼のことだった。

元の彼女であったあたしは未だに彼女だと思われているみたいで比較的に同じ講義をとっていることが多く仲良くなった友人たちに質問攻めにあった。


「知らない」



彼女だったのに、彼に関する質問は答えられないことが多かった。

本当に彼女なの? と何度も言われてきた言葉も、今言われると泣きたくなった。

あたしよりも彼のことを明らかに知っていて、あたしはなんだったのだろうとわけがわからなくなった。

あたしよりも彼女たちの方が彼に近く見えて少しイラついたのは秘密だ。


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