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憑依  作者: 吉永和吉
1/1

謎の洋館

        

大型の引越し専門業者のトラック一台と白のワゴン車1台が

列をなすように、ある洋館の前で停まっていた。

トラックの運転席のドアが開き、髭を蓄えた男が一人降りてきた。

すこし遅れるように、ワゴン車の運転席からもドアが開き

ガタイのいい茶髪の男が一人降りてきた。

それに伴うように、ワゴン車の中からは、一般よりは、ガッチリとした体格の男達が

別のドアを開いて、ゾロゾロと出て来た。

どうやら運転手は二人で、ワゴン車に乗っていた作業員は4人ということのようだ。

あたりは、ひっそりとした、静けさの中、心地よい風が気持ちいいと、感じる季節だった。

「おーいどうする、随分早く着いちまったな、秋山よ、休憩入れるか?」

トラックを運転していた髭の男がそう言った。

「いいすねぇーそうしましょう」

茶髪の男、秋山が笑ってそう答えた。

それを聞いていた、回りの男達は、自然と休憩を取ることを知った。

男達は暗黙の了解で休憩に入った。

休憩も後半に入った時だった。

いきなり秋山に向かって話し出した男がいた。

「秋山先輩。おれ、最近、仕事がうまくいってないですが、いいアドバイスないですか?」

短髪色黒の男が、心配そうな面持ちで、秋山を見ている。

「渡辺、おまえの持ってる力を悔いのないように、出せばいいのさ、あまり周囲は気にするな」

ワゴンを運転していた秋山がやさしい言葉をかけた。

「秋山さんわかりました。心配かけてすいません。」

そろそろ休憩の時間も過ぎようとしていた。

「さあーこれから行くぞ、みんな準備はいいな!」

髭の男が元気にハッパをかけた。

秋山達の所属する業者に引越しを依頼した住人は

自分達の車で先に、ここに向かうという事になっていた。

この洋館には、大きな黒塗りの鋼鉄の門があり

その頭上は鋭く尖っており、門自体は三メートル程あるだろうか

その門の両脇には、洒落た丈夫そうな赤レンガの壁が左右に広がっている。

左側の壁には、監視カメラ付きモニターのインターホンがあった。

新人の渡辺が、めざとく、それを見つけると

通話ボタンを押して

モニター越しに話しかけた。

「すいません浜梨様、引越しのアポロンです。今到着しました。」

すこし間をおいて、女性の姿がモニターに映し出された。

「はい、わかりました。門を開けさせますので、少々お待ちください。」

それは物腰がやさしい感じの女性だった。

そのあとに門が開いてから

作業員達が、仕事の打ち合わせを済ませると、手馴れたもので、その建物の中に

次々と荷物を効率よく運び入れて行く、それから仕事も順調に終わりかけていたその時

時間はどれ程経っていたのだろうか

3人の作業員が最後の運び出しとなる、大きめのベット用のマットレスを

横に立てながら、一階の奥にある、寝室に運ぼうとした。

途中の広いエトランスで突然ギシギシと怪しく床が唸りだした。

壁を激しく叩く音、見えない者の囁き声が、だんだんと大きくなり、あたり一面を不気味に覆いつくした、それは男達の近くを、囲むようにしてグルグルと回りだした。

男達はそのあと、いきなり見えない力によって壁際に弾き飛ばされた。

恐怖の声を上げる間も無くそれは男達を襲った。












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