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挨拶2

作者: F
掲載日:2026/02/21

朝、教室に入るとまた始まった。

「ねぇ。ノート写させてよ。」

友達がヘラヘラと笑いながらお願いしてくる。

「なんでやってこなかったのよ。締め切り今日までだって

先生3日も前から伝えてくれていたでしょう?」

そんなことを言いながらも、仕方なくノートを見せてあげる。

課題すらろくにできないのは本当にあきれるし、

彼女らのせいで予習する時間が潰れてしまう。


私は医者になりたい。なぜなら、医者のお父さんが医者になれっていうから。

そのためにたくさん勉強しないといけない。

「はぁ。何のために生きているのかな。私の人生は…どこ?」

塾を終えるとへとへとになって家に帰りついた。

来年は受験の年だ。ここで医学部に入れなかったら浪人させられる。

自分のことでこんなに精一杯なのに誰もわかってくれない。

私もみんなと同じように要領よくできないのかなぁ。

そんなことを考えていると朝になっていた。


夢でも見ていたのだろうか。自分が自分でない気がする。

朦朧とした意識の中に、黒板がにじんで見える。

2年生になって一度たりとも授業中に寝たことなんてなかったのに、と

自分を責めていたその時だった。


…笑い声?


「がり勉が寝た!」「がり勉が寝た!」

クラス中は大盛り上がりだった。

人に笑われるために勉強しているわけじゃないのに…。

モヤモヤとした気持ちでいっぱいだった。


疲れているのだろうか。今日は調子が悪く、早退して寝ていた。

気づいたときには私の手足がなくなっていた。

30秒に一回くらいだろうか?私は死んでは再生してを繰り返した。

周りには誰もいない。孤独で苦しい気持ちになった。

それでも、現実よりはましだったかもしれない。


今日は図書室でクラスの男子に悩みを打ち明けてみた。

彼も、クラスで笑われている一人だ。

たしか彼はさっきの時間、私を笑っていなかった。

分かってくれる人がひとりでもいてくれて、ただただ嬉しかった。


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