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4 フランソワ契約を交わす

フランソワとアランは婚約を結び契約書を交わすことになった。


(フランソワ)(アラン)


一 甲と乙は契約結婚をすることとする


二 甲と乙は互いに寄り添う努力をすること


三 どちらかが裏切った場合この婚姻は破棄される


四 破棄される時は甲から乙に仕事に対するそれ相応の報酬を渡す


最低限の事が書かれている簡潔な書類だった。


「四は私に有利過ぎますが良いのですか?」


「仕事に対する報酬は成果分は出すのが当たり前でしょう。しかし裏切った時点で私の前から消えて欲しいの。もちろん離婚のサインをしてからね。二度と姿を見せないと約束をして欲しいわ。

それが慰謝料の代わりだと思って我慢します。

結婚したら貴方の家と共同事業を始めても良いですわね。勿論離婚したら打ち切るけど。何か考えてみてね」


「貴女が命がけで守ってきた伯爵家を私も一緒に守らせて欲しいと思っています。肩の力を抜いて貰えるよう頑張るつもりです。決して裏切ったり致しません」


そうして二人は誓約書にサインをして一部ずつ保管することになった。






 結婚式は一年後になった。招待客のリストやパーティーの食事の選択、お酒やお茶などのリストアップ、一番大事な花嫁衣装選びや花婿の衣装など、決めることが多すぎてゆっくりデートすることもままならなかった。


それでも合間に街へ連れ立ち流行りのカフェでデートを楽しんだり、レストランで食事をしたりするのは楽しかった。

観劇や音楽鑑賞にも一緒に行き距離が段々縮まってきたように感じられて、フランソワはこれが婚約をすることかと嬉しいような恥ずかしいような気持ちになった。


アランは文官の仕事もしつつ、高位貴族のマナーや婿の心得を嫌な顔をしないで受けていた。



「主に招待状が届いています」

クリストフが執務室に高級な紙で出来た封筒を持って入って来た。王家の封蝋が押されていた。


「夜会があるみたいだわ。婚約の発表もしなくてはいけないし丁度いいわね。アランに伝えなくては。衣装はお互いの色を纏うことにしましょう。ウエディングドレスを頼んでいるメゾンに頼めば今からでも間に合うかしら」

「直ぐに連絡を取ります。夜会はいつですか?」

「半年後よ」

「充分ではないでしょうか」

「でもどこでも注文をされるでしょう?大丈夫かしら」

「嬉しい悲鳴でしょう」



アランは仕事が早く終わる日や休日には花束を持って顔を見せ甘い言葉を囁くようになっていた。

「今日も美しいね。僕の妖精に会いたくてたまらなかった。仕事の間も貴女のことばかり考えていたよ」

そう言うと髪をひと掬いして口付けた。

「ありがとう、教育の賜物とはいえ凄い進歩だわね。堅物と言われていたとは思えないわ」

「貴女を落とす為なら何でも出来る気がして。褒めて貰えたなら嬉しいです」

「私以外にそれを使うのは控えて欲しいわ。愛人狙いの女性が列を成しそうだもの」

「勿論微笑みは貴女だけに見せますよ」


アランは蕩けるような顔で告げた。


「半年後に王宮で夜会が開かれるの。そこで私達の婚約を発表したいと思っているわ。衣装はお互いの色を纏うことになるわ」


「ドレスを贈らなくてはいけませんがよく分からないので、何かアクセサリーを贈らせて欲しいです。僕の資産だから大した物ではないけれど」


「働いてから貯めていたものでしょう?良いのかしら」


「勿論です、婚約者なので何かプレゼントしたいと思っていたのです」


アランは耳を赤くさせ嬉しそうに微笑んだ。文官になってからの給料を使わずにほとんど貯めていたおかげでダイヤのネックレスがプレゼントできそうで心からほっとしていた。


「もうアランの為の予算は組んであるから使えるけど、貴方が働いたお金でプレゼントしてもらえるのはとても嬉しいわ。ありがとう。もう一つ頼みがあるの、そろそろ話し方を砕けた感じでお願い出来ないかしら」


「砕けた話し方ですか。フランソワって本当に可愛いんだね。胸を撃ち抜かれた。こんな感じで良いかな」


「充分よ。そんな天然たらしのような言葉何処で覚えたの?」

「天然たらしって、本気で言っているんだけど。でも参考にしたのは本からかな。職場の同僚が恋愛本を読んで勉強するようにって貸してくれたから」

「その人女性でしょう、可愛い人なの?」


「上司だよ、それでおじさん。娘さんに借りてきてくれたんだ。ねえ少しでも妬いてくれた?嬉しいな」


「貴方最初と印象が変わって来た。真面目な堅物だったのに甘えたの大型犬に見えてきたわ」


「それは光栄です。僕のお姫様」


「恋愛小説を我が家でも買おうかしら。本を読むといったら仕事の本ばかりだったし、私も読んでみたいわ」


「今度街に行ってどんな本があるか見てみよう。アクセサリーも見たいし」


「そうね、仕事ばかりではお茶会での話題に困るわね」


「お茶会をやってたの?」


「子供のお茶会よ。亡くなられたお母様が仕切ってくださっていたから大体は分かるんだけど、いざ自分でとなると怖気づくわね。でもやらないといけないことだわ」


「助けて貰えそうな親戚の方とかはいないんだよね」


「ええ、残念ながら。足を引っ張られそうな親戚はいるんだけど。エミリーに相談するわ」


「悪いね、力になれなくて」


「そんなこと気にしないで、これは女性の仕事だもの。それにまだ先よ」

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