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プロローグ

 知らないことを知っていることを気味悪がられたのは随分と昔のこと。


 幼心に友達から奇妙な目で見られることが耐えられなかった記憶がある。


 それが嫌で、私はいつの間にか口を閉ざすようになった。


 それが私の処世術。


 誰にも言えない、誰も知らない秘密すら、私は丸裸にできるけど、私はそれら全てに口をつぐむ。


 自分の中に飲み込み続けて、いつしか私は自分の言葉や思いすら口にすることが難しくなった。


 この記憶は本物?

 彼らと会話をしたのは私?

 私は何をしたっけ?


 混ざりに混ざる記憶の世界に、私はいつしか溶けて消えちゃうんじゃないかと思い始めた頃、このままじゃ駄目だと顔をあげた。


 そして一念発起して、お父さんとお母さんにお願いした。


 のらりくらりと、無難に、誰かと深く関わることなく生きてきた私が初めてお願いしたこと。


『私立楠木異能学園へ入学したい』


 お父さんもお母さんも最初はぽかんとしていたけど、なんとなく言いたいことは分かったようで、得心のいったように私の学園入学を応援してくれた。


 そうしてこの春、私は晴れて入学を果たしたのだけれど。


 ――まさか入学早々、この先の私の人生で一番の出会いがあるとも思わずに。




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