第7話 ソルネのサンドイッチ
オレクは一目散に頂上に向かって走ってきていたが、ネイサは手を振りながら小走りに頂上を目指していた。
「カイ!!手伝い、サボったな!それもずっと、ロロ様と、一緒だったなんて!」
オレクは、はぁはぁと息を切らし、顔は真っ赤だった。
「ごめんって!色々あったんだって!」
カイが申し訳なさそうに笑いながら言うと、オレクは疑うような顔でカイを見た。
「後で教えてやるから、なっ?」
カイの言葉でオレクは納得したのか、フンッと鼻息を荒くすると、その場にドカッと座った。ロロは2人のやり取りを微笑ましそうに見ていた。
「まぁ、許してやるよ。それより、ロロ様までここで何してるんですか?」
「ん~?まぁ、あれだ。この場所は風が気持ちいいからな」
「ふぅ~ん…」
ロロの答えにオレクは腑に落ちない顔をしていた。
「はぁ~、疲れた。ちょっと、カイ!手伝いもしないで!!」
ネイサは頂上に辿り着くとすぐにしかめ面をした。
「悪かったって!もうオレクに怒られたよ」
カイがもういいというように手を振ると、ネイサは、まぁいいわとその場に座った。
「お腹空いたでしょ?もうお昼よ。ソルネおばあちゃんがサンドイッチを持たせてくれたわ!たぶんここにいるだろうって」
ネイサは持っていたカゴから包みを取り出し、4人の真ん中に広げた。するとすかさずカイとオレクは食べだした。
「ロロ様も一緒だろうからって、多めに作ってくれたの!ロロ様もどうぞ」
ネイサはロロに微笑みかけながら言った。
「ああ、ありがとう」
ロロは一つ取ると、ゆっくり食べだした。
「でも、ここで2人で何をしていたの?」
その時カイは両手にサンドイッチを持ち、ほっぺがリスのように膨れていた。それを見たネイサはため息をついた。
「いいわ。食べ終わってからで。誰も取らないからゆっくり食べなさいよ!」
オレクはカイの顔を見て大笑いし、ロロは横を向いて声を殺して笑っていた。