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季節が変わる

作者: 武田道子

季節が変わる




季節が変わる

季節が変わっていく

習慣のように

誰も気がつかないのに

長い夢から覚めたように

ある日突然

目覚める瞬間

同じ朝ではないことに気づき

生きていることは幻ではなく

昨日と今日の違いに

魔法を見たかのように

目をこする




夏至が春の絡みつく指先から逃れ

ぬるくなった水に飛び込む

夏の光を少しずつ咀嚼するのを

暑さに麻痺してふやけてしまった脳は

午後のまどろみの中に

無抵抗に堕ちていくから

気がつくこともなく

やがてぼやけた記憶の中

蜘蛛の巣に捕らえられた虫のように

遅すぎた抵抗が過ぎていく

季節を走行する列車の中から駆け抜ける景色を追うように

背凭れにもたれて

傍観する




季節が変わる

望み通りかそうでないか

選べるものではないことも

反発することも変えることも

不可能な揺るぎない自然の不動の力

人は・・・なぜか・・・むりやりに

自分の季節を変えようと

無駄な抵抗を繰り返す

それは力のないものの喘ぎなのか勇気なのか

時に重くのしかかる季節の変わり目に

移りゆく季節は空気のように軽く穏やかに

痛む心を慈しむように

はやる人の心を包み込む


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