表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

堤防

作者: 72

十年位前の話。他人の仕事場にいって業務水準を満たしているか満たしていなければ罰則与える仕事をしている。していたが正しいかな。なんの検査をしているかは身ばれするから言いたくない。委託で受けているから調べればすぐ身元ばれる。委託先は大抵地方で地方在住の管理責任者が嫌われて検査をすることにより嫌われて生活することができなくならないよう代わりに検査をする。不正防止のためという名目の悪役代行に近い。毎年言ってて特に目立ったところもなくやっかいごともなかったんだけど、最近その検査されてる仕事で大きな事故があって検査とは特に関係ない、そもそも検査してないところで起きた事故だけど「取り締まりできていないのでは?」とのことで検査を厳格化してほしいと依頼があった。とはいえその人たちも生活があるわけでギリギリのラインでごまかしたりしてたけど結局二社?二人?は一週間の営業停止になったりしてた。あちらは生活がかかっているので必死でそれが精神的にやられてきてたので(人に会うと体が震える)一ヶ月後にやめることにした。三週間位してあとちょっとだなとちょっと物悲しくなっているなかで検査に引っかかる会社がでた。もうやめるからといい加減な判断したかったんだけどごまかしが通用できない数値で さすがに勧告した。社長らしきおじさんが「なんとかならんのか」とごねたり「俺に死ねっていうのか」とか恫喝してきたけど、途中からだんだんしおらしくなって来て「そうか」ってうつむいてた。「しばらくなら休むしかないか」とかいうから「それはまだ結果でてないんでまだなんとも言えませんが」と私がいうと「まあ、うん」と自分を納得させるために吐き出してた。「休みになったし久しぶりに山でも行くかな」と強がってたのでなにも言えず苦笑いで返事をすると社長から「海と山どっちが好き」かと聞かれたので「海ですね」と答えると「海はほら目立つから俺はあんまりかな」と腹を叩きながら「山嫌い?」と聞かれたので嫌いではないと答えると山のよさを小一時間語られた。帰り際に「すいません」と謝ると「いいっていいって」と笑ってくれたので本当に申し訳ないことをしたと思ったけど、どうしようもないのでこれで最後とあきらめた。 やめるまで2日ぐらいに迫った朝方 あの社長が仮事務所兼寝床に「仕事やめるんだって?」と騒々しくきた。めんどくさいなと思いつつ、そうなんですというと「最後の思い出に山誘いにきたよ」と意気揚々と誘ってくる。断ると「やっぱり海がいいか?」と聞いてくるので「山でいいです」とまあ長く勤めてた割に何もしていない寂しさでいっぱいだったので一緒にいくことにして社長の車にのった。走り出して数十分後 黒いワンボックスカーの煽り運転に引っ掛かり。危険だからと停車すると社長がワンボックスカーのおじさんと社長が怒鳴りあいでひと悶着起こしてた。ドキドキしながら待っているとおじさんの方が起こりながら車に近づくとおじさんの車に力付くで乗り換えさせられた。驚きと恐怖で抵抗もできずボーッとしていたら「○○さんごめんな、こんなことになって」と謝ってきた。「危ないところだった」と何度も言うおじさん。事情を聞くてスナックで飲んでるときにママさんが 今回の社長さんが私を山に誘うといっていたけど前回のことあったばかりだから不安になってきてみれば私がつれられそうになっていたらしい。車を止めて話してみたら登山する格好をお互いしてないし準備も 届けでもされてない。相手の社長さんは今から用意するとはいってたけど 怪しいから明日改めて誘えって説得して無理やりおじさんの車にのせたらしい。このまま帰っても危ないから荷物はこっちで送ってやるから帰れと実家まで送ってくれることになった。

後日おじさんからの謝罪の手紙と二万円と私の荷物がおくられてきた。あの社長が言ってた「海と山どっちがいい?」もどっちに連れていくって話なのかと思うとゾッとする。ただ、今になって考えてみるとあの時の報告書とかも受理されたか確認していないことを思いだし、体よく田舎の談合に利用されたのかもとも思う。それはそれで前者とは違う意味で怖いわけでもう地方ではこういう仕事はしたくない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ