番外編・聖櫃風ガントレットケース/製作記
・簡単な注意書き
※今回の番外編の扱いは活動報告・あとがきに準じます。作中のキャラクターは出てきません。
※写真を多用しているため、縦書きPDFなど、イラストに対応していない読み方を想定していません。
※その場合、なんか話の流れからしてここにそういう写真があるんだな、ぐらいの感覚でお読み下さい。
※写真の枚数が増えていくのは呪いか何か……?
箱は好きですか? 私は大好きです。(挨拶)
箱とは奥の深いアイテムです。
神話のアイテムで言うと、パンドラの箱、契約の箱(聖櫃)、玉手箱……。シュレディンガーの猫も、箱に入った猫が可愛いって話です。(※違います)
「ブラックボックス」や、「蓋を開けてみなければ分からない」という言い回しもありますし、良い箱は良い中身の魅力を何倍にも引き上げます。
さて、そんなわけで、『聖櫃風ガントレットケース』と仮に名付けられた、『ブリジットのガントレット』を収めている箱の話に移りましょう。
聖櫃にアークとルビを振るかは……お任せします。とりあえず宗教要素はない。
封印の~という言葉を前に付けるかもお任せします。とりあえず黄金ではない。
ガントレットと一緒に野外ロケしてきました。
……ガントレット込みで、1104g=1.1kgあるんですよ、この箱。
(※ガントレットは150g)
野外ロケの場所は、山の上の公園なんですよ。
傷付かないように気をつかいながら、大きい紙袋(カモフラージュ用)に詰めて山を登り、徹底的に人目を避けながら、頻繁に場所を変えて、撮影していく。
……何の修行? 忍者?
小川の川縁で。
……開けたら物語が始まりそうな一方、あらゆる災厄が解き放たれそうな気もします。
岩場で。足場悪い……。
以前、羊毛フェルトバーゲストを撮影したのと同じ場所ですが、撮影対象が重いので気を遣う。
蓋を開けるとこんな風。
ガントレットが入ってます。(前回の製作記参照)
側面・裏面は同じデザインです。
影に沈むのも良い風情……。
影の中にも光はあるので、金属が暗い中ほの青く光る質感が好き……。
……ロケには天気のいい日を狙ったので、暑いぐらいの陽気。二月の影の濃さじゃない。
でも自然光たっぷりなのは、普段いつも撮影時の光の足りなさに苦労しているので嬉しい。
木陰で。
神に捧げられた奉納品って感じがします。
・ラフ
さて、この箱は作中に登場させる機会を窺いつつ、少なくとも現時点では未登場ですし、登場しない気もする。
ただ、ブリジットの甲冑を、左のガントレットだけ作るという決定を下した時、それを収めるための箱が、私の頭の中にふっと映像として浮かんできました。
まずはデザインですが、私は「絡み合った蔓と葉っぱ」系のデザインが大好きです。
そして、ブリジットのガントレットを収めるための箱なので、蓋には"第二軍"紋章、二本の剣をあしらう。
よし完璧! ……頭の中では。
人の頭の中で出来ていないと何も出来ないのですが、人の頭の中でだけ出来ているというのを信用してはいけません。
他人でも、自分でも、です。いいですね? 絶対です。本当に絶対です。
なので、それを形にする作業が必要です。
こういう時はやはりイラストですね。デザイン画っぽいものを描くという行為そのものが、多分好きなのです。
このラフ画(↑)を元に、脳内で作れそうかを試算します。
問題なし! ……頭の中では。
……うん。おおむね……おおむね、頭の中に見た絵を形に出来たと思うのです。
ただ、多分見積もりが甘い。
何故か、それを作りたいというだけで、それが自分に出来ると思うというだけで、ろくに作業見積もり出さずに、全てにゴーサインを出す自分がいる。
……でも、そうでなきゃものづくりなんて出来ないのかもしれません。
何かを作るのは疲れるし、時間もお金も使うものです。
――それを作らない理由なんて、いくらでも思いつけるから。
それでも、もう、私は自分が見た光景を自分の頭の中だけで終わらせたくない。
そうしたい。それだけで、きっと何かを作る理由には十分すぎる。
それでも見積もりは大事。本当に大事。絶対に大事。
予算に関してだけは正確なのは救い。
他がガバガバすぎるのは……意図的に安全装置緩めてるんじゃないだろうかと思うほど。
予算は……400円~ぐらい?
例によって~が入るのは、中身の布がピンキリすぎるから。私の所に流れてくる時点で、ですね。
他は、塗料代抜きですけど、400円なら入れてもいいかもしれない。
……うん、予算の雰囲気で言えば「ものづくり」っていうか「工作」ですね。
それでも、私は予算が全てだとは思っていません。
テストさえ思うようには出来ないから、頭の中で、ラフを描いて、数字を合わせて、設計を詰めようと思う。
素材の価格に制限があるからこそ、手持ちの材料で何が出来るか――それを、『どう』使えばいいかを考える。
その創意工夫だけが、自分が作るものを、同じ額の硬貨を積んだオブジェを眺めるよりも、私にとって楽しい物にしてくれる。
……ちなみにクラフトをすると、テキスト作業がしたくなるという副作用があります。
何の制限もないって素晴らしい……。
後、デジタルイラストが塗料代が掛からなくてやり直し出来るのに神を感じるようになります。
さて、以降は製作記。
「中身(ガントレットを含む)」と「箱本体」の2つでお送りします。
・中身
箱の中身である『ブリジットのガントレット』は一つ前の製作記を参照してもらうとして。
まずは、箱の中身の中身、『ガントレット詰め物』をさらりと。
ガントレット単品では、くたりとして、いまいち様にならない。注文服は着られてこそ様になると言いますが、やはりガントレットは手にはめてこそ。
解決法は『詰め物をする』事。マネキンが着てると服のデザインがよく分かるようになりますよね。
……シンプルに布とかを丸めて入れようかなあ、とも思ったのですが。
こういうものが入ってます。
一応、指も動きますよ。ポーズ固定も可能ですよ。
ポーズが欲しければ、基本的にはめて撮影すればいいので特に野外ロケ時は使わなかった機能ですが。
この写真から完成写真に飛んでいる。
可動はガーデンソフトタイ。他、ダンボールと養生テープ、何かの緩衝材だったらしいスポンジで出来ています。
最後に布を巻いてやっぱり養生テープで留めれば完成。
他の画像がないのは、これが設計図なしの現物合わせ……現場で作られたアイテムだから。
勘でつく……こほん。
現物の観察によって得られた最新の情報を迅速にフィードバックして、経験から導き出された最適な形を採用し、最低限の脳内シミュレーションによる図面作成のみで、速度を優先して製作しています。
一言で言うと勘ですね。うん。
ちなみにしっかりしているので、ちょっとはめるのは面倒。
なるべく外したくないし、外したらしばらくガントレットはめて遊んでいたい。
次に中身は「ガントレット入れ」です。『外側』……「外装」とは独立しています。実は固定していないので着脱も可能。
これも現物合わせ。正確に言うと、ガントレットが出来てから各種サイズを正確に出しています。いい感じに映えない収納ケースほど虚しい物はありません。
まずは適当に積んでみて置いてみる。
角度を現物合わせで色々つけて箱の形に形成し、ガントレットが入る事を確認。さらに触れた時の柔らかさを出すためにスポンジを敷き詰めてみる。
ちなみに保護も兼ねています。
このスカートを解体する。
前回の豚革スカートと同じく既に来歴不明。手元にある事からして多分100円ぐらい。
『着る』事を考えず、『生地』と見るようになると楽しい事が増えます。
タグによると、綿80%、レーヨン20%らしい。裏地はポリエステルだけど今回は使わない。
なお全部は使ってません。いいとこの半分ぐらいかな。(ファスナーなどがある所は大きく取れない)
糸切りバサミで解体。豚革スカートに次いで二度目なので、最早慣れたもの。
さらさらと危なげなくバラせるのですが、このスキルの今後の使い道は謎。
なんとなく乗せてみる。
はみだし気味なので、この後また外したり。付け直したり。
同じく赤の養生テープで、スカートから切り出したままの布を、そのままダンボールに貼っています。簡単仕上げ。
ちなみに綺麗に合わせて切っていないのは、布のたるみやしわもまた、いい風合いだから。
ダメだった時に初めてハサミを入れる仕様。……自分の作る物を疑えるようになったのは昔から成長した所ですね。
・箱本体
大雑把に計算式を出すと「(厚紙+黒グルー)×メタリックペイント)」。
大雑把すぎない? という疑問にお応えして丁寧に見ていきます。
まず、図面を作ります。
……お断りしておくと、どうしても、ガントレットをゆったりと見せたかったので、箱の中身を大きめに取っています。
その結果、本来有り得ない『分割痕』が各所に残る、口惜しい設計となっています……。はいぼくかん……。
何かに負けた……。
ただ、徹底的にそれをカバーしています。
『本来の製法上』存在しない分割痕は恥。
……カバーしきれてないけど。(恥)
……ちなみに、B4よりも大きい黒厚紙を入手すれば、それで済んだ話。
恥よりもお金の方が重かっただけの話……。
……追加購入は、近所の百均で済ませたかったんですよ。このご時世ですし。
そんなわけで図面はこちら。
※箱側面の長い方。B4の紙を想定。
※箱側面の短い方。B4の紙を想定。
※蓋の長い方。B4の紙を想定。
※蓋の短い方。B4の紙を想定。
ちなみに『山折り』と『谷折り』を独自に記号化しています。
『コ』みたいなのが山折り、『<<』みたいなのが谷折りです。ほとんどそのまま書き込んでいるので察して下さい。
……山折り記号と谷折り記号をきっちり見分けられる(そして書き分けられる)人って凄いと思うんですよね。
本来ありえない、無駄極まる分割が存在する図面……ある意味で贅沢と言えなくもない。
……最初は収まると思ってたんですけど、それは『詰め込む収納』であって『見せる収納』ではないのです。
素材は基本的に、ダイソーの(ほぼ)B4黒厚紙10枚セット。0.1mm厚。五分の一の厚みですが、愛用の0.5mm厚は3枚セットなので、数は大事。
……小型なら、多分0.5mm厚を使った。
ただ、『折り』の難易度が上がるので、そういう意味での選択でもあります。
これに、後述する上と下の板を追加して組んでいくと、おおむね聖櫃っぽい長方形のケースになります。
脚はまた後で。
・紋様
さて、このケースの本気はここ。
実はこのケースを作る切っ掛けになったのは、聖櫃系のアイテムではありません。
このケースは、とあるドールハウス作家さんの作品を目にした時に、私の中に降りてきました。
それは、イタリアの『Cassone(カッソーネ)』という、家具でした。
二年間それに専念して、二つを作り上げたというそれは……見るだけで、ああ、この人は頭おかしいんだと嬉しく思うような芸術品。
モデルになった大型サイズも多分頭おかしい作業量だろうけれど、ミニチュアサイズのこれも、作業難易度では負けてはいない。
木製や金属製などがありますが、それは木製。
日本で言うと長持ちっぽいかな。基本は床に直置きして、服とか入れたりする箱です。
ちなみに脚があるのもないのもあります。それはないタイプでした。
脚がない方が絶対に楽。安定するし、コストが下がるし、収納もしやすいし、圧倒的に楽。
でも、楽とかそういう基準は要らない。
私の頭の中で見えた絵には、脚があった。それだけです。
そんなわけで、紋様はおおむねグルーで出来ています。
……私に潤沢な予算(作業環境含む)があれば、私は多分純銀か、それを流し込むための鋳型を彫っています。(多分今も作業してる)
次点で純銀粘土をこねこねしています。(多分今も作業してる)
……木を彫るという選択肢もある。(多分今も作業してる)
ね、粘土でも……。(多分今も作業してる)
……人の出来る事には限りがある……そして私は『特殊技術持ち』ではない……ただそれだけ……。
ならば、出来る事をしよう。
自分が今は出来ない事を、自分に今出来る事だけで出来るようにしよう。
諦めたくないのならば、それ以外に方法はない……事もないのですが。
……いやほら、真面目に練習するという手もありますよ?
あるんですけども。
……このクラフトは「病毒の王」の配分で言えば0~3%ですし。
ゆえにグルー。
『なんか妙に好きな素材』以上でも以下でもない、人によってはただの接着剤。
私は、強力な接着力を持ちながら、加工さえ可能なこれが好きなのです。
シンプルにグルーガンで絞り出す事さえ考えました。
ただ、硬化速度が早すぎる。葉っぱ程度でも描けるかどうかは分の悪い賭けになる。一応テストはしましたが、満足いくものにはならなかった。
そもそも、ディテールが『甘い』。
なめらかでもやわらかでもまろやかでもいいですが、へにょんと溶けて固まっていくグルーは、基本的に優しいディテールになります。
後である程度の加工は出来ますが、あくまで『ある程度』。
ゆえに板状に成形してから切り出す。シンプルな結論です。
……ちょっと飛ばしすぎましたね。
ゆっくり見ていきましょう。
まずグルーを溶かします。
非食品用のホットプレートにクッキングシートを敷いて、新品を溶かす。
(※換気とマスク推奨。多分吸わない方がいい)
再利用品(切れ端をもう一度溶かす)でも良いのですが、気泡が入るのでまた別の使い方の方がいいと思います。
なるべく平らになるように。クッキングシートが丸まると最悪です。
ドライヤーで温めてから重石を載せて伸ばすとなんとか。(最悪のパターンにあっさりはまっている)
……色々やったのですが、ある程度諦めて「いい薄さになった所を使う」のがベストかな……。
なるべくじっくり、のんびりやるのがコツだとは思う……。
後、なるべく低温で……。
……温度を上げると『沸騰』するので、多分それが気泡の元。気泡があっていい事は基本的にありません。
でも、所詮食品用から払い下げられた、かなり古いホットプレートだからな……そんな繊細な温度調節機能は……。
……次やる時は、点けたり消したりしてみようかな……。
※硬化後。↑でクッキングシートが丸まったパターン。
まあ試行錯誤しつつも、基本的には溶かして、なるべく薄く平たく固める、それだけです。
かなりでろん、となったので、持ち上げて、平らな所に移動させて冷まそうとしたのです。
………………。
…………。
……。
持ち上げる?
手振りを交えてシミュレーションしてみる。
一人で。
この。
でろんと。
クッキングシート一面に。
広がったグルーを。
持ち上げる。
シミュレーション結果: fatal error (訳:致命的なエラーよりも、こんな事がエラー扱いされてしまう今の状況が心の古傷に沁みて痛い)
……人の手には余る事もありますよね。
正確に言えば『一人の手には』……。
時間が……解決してくれる事も……ある。(訳:ホットプレートが自然に冷めるまで放置した)
さて、とりあえず出来た事にします。
……値段がアバウトなのは、こちらの失敗……いや、『技術試験』のせいで使用量がよく分からないから。
200円分ぐらいは要りそうだけど300円分よりは使ってないと思いたい……で、まあ紙代100円+グルー300円ぐらい? の400円というアバウト極まる計算。
失敗した物や切れ端は、基本的に何らかの形で再利用されます。
こういうガイドを作って、目打ちの切っ先をペン代わりに刻みながら、ハサミで切り抜く。
だけです。難しい事は何もない。
ただ、それが224枚必要なだけ。
…………何かがおかしい気がするんですよね。
上手く説明出来ないんですけど。
なんでこんなに葉っぱの量が必要なんだろう……。
ていうか私、何やって()
―― ! ―― …… ― … ― … ぷつん
……あ、えっと。何の話してましたっけ。楽しい楽しい葉っぱの切り出し作業の話はしましたよね。
次はこの手前のデザイン。
図面にも参考用に入ってはいますが、元から多少伸び縮みさせているので、新しくなっています。リニューアル。
ちなみに今回のデザインには「Sekka」というフリーソフトを使わせて頂きました。楽しい。
今回は「四分割された画面に、四本とも同じ線が引ける」だけの使い方。
四つ同時に見えるだけで、なんかこう……雰囲気が分かるんですよね。シンメトリーの良さは脳内で並べて見るだけでは分からない……。
魔法陣や雪の結晶っぽいものを作って遊ぶだけでも楽しかったんですが、今回の事で『実戦実証済みの道具』になりました。
本来は幾何学模様描けるのが売りだと思うので、そっちも上手く使えるようになりたいなあ。
まず、方眼を描いて、デジタルからアナログへ写し取ります。
印刷出来たらそれでいいんだろうなー。
こういうのは旧時代の技術だけど、現物に合わせてバランス見ながら描きやすくしたり、微調整も出来るんだ。だから意味があるんだ。多分そう。(洗脳)
そして気付くのです。
ダメだ。これ全部手作業でやってられない。(気付くのが遅い)
グルーを置くためのガイドラインそのものを描くためのガイドがいる……。
二重通訳みたいな話になってきた。
……つまり、転写を目ではなく……他のやり方で……?
……こうか。
これは重要な『点』を取り出す事で、転写の精度を上げるための道具です。
……星空みたいですね。
……一見、何の意味もないような点が、人の手で線を引かれて結ばれると意味のある形になる……星座みたいでロマンチックだとは思いませんか?
多分、『暗号の鍵紙』の方が近い。
ほら、葉っぱと蔓が見えてきたでしょう?
……私に文句言うのは、星座好き全員論破してからにして下さいね。
いや、大丈夫ですよ。私も内心で、「あ、これはダメだわ」って思ってますよ。
これはあくまで、『一回だけ正確に転写するための技術』です。(側面も入れれば二回ですけど)
これを切り抜けば、ガイドが出来るって寸法です。
……これを作るだけでもすごく辛かった。何この繊細な作業。向いてない。
なんというか、こう……。
全力で楽したい……。(全力のダメ発言)
……でも、この後は、白い色鉛筆でざっくりやるだけだもの。大丈夫大丈夫。
ここで、葉っぱが224枚必要という数字が出てしまうのですが、まあ。
正確な見積もりって時に残酷に心を折ってきますね。
ここで、葉っぱ切り出しが終わった事にして、次に行きます。
……一番小さいの写真がないのなんでだろう。そりゃ同じ形だけど。(大中小とデザインは同じですが、側面は一回り小さいのです)
ホットプレートに並べます。
……短時間なら紙は発火しないはず。多分……。
少なくとも私は発火させてませんし、危ないと思ったシーンはないです。
もし試すなら、自己責任かつ気を付けて作業して下さいませ。
私は、消火用の水を手元に用意して作業しているという前提は伝えておきます。
後、熱を出す機器は、スイッチとコンセント、全部チェックするのも絶対です。
……ここで、『サイズ』と『厚み』の問題が牙を剥く。
……ディテールが甘くなるのですよね、どうしても。
少しならいい。むしろ望む所。
ただ、溶けすぎると……。
コツは、出来るだけ薄くする事。そして、厚みを揃える事。
薄い方に揃えられなかったので、片面は厚め、片面は薄めです。
さらに『どちらから見たいか』を考慮に入れましょう。
くわえて『技術習得度合い』でも変わります。具体的に言うと、引き上げのタイミング。
溶け始めてからも、紙は熱くなっていますので、予熱で火が入りますし、グルーの溶融は進みます。
これを考慮に入れて作業……出来るといいなあ。(願望)
熱を入れると紙が反ります。
0.5mm厚の方が良かったのかな……。
なので、かまぼこ板でカバー。……反ったから熱の入りが違うのか、熱せられたグルーの配置の違いで反っているのかは謎。鶏と卵。
後は、グルーの絞り出しで蔓(茎?)を表現します。
ここはディテールが甘くていい、というよりむしろそれを生かす所。
グルーガンの残弾に気を使いつつ、『息継ぎポイント』を設定しておくといいでしょう。蔦の付け根とか。
それと、可能な限り身体を締め付ける服を減らしましょう。
「(ドサッ……)ふっ、この俺にこれを脱がせるとは~」みたいなやつです。
……肩~手は動かしやすくなった。
でも、上着を減らすとちょっと寒い……。(※二月)
……暑い時期に作業するか、暖房を効かせてもいいと思うんですよね。
でも、室温が低い方が、グルーの硬化が早くなるから……多分……。(震え声)
これを箱の側面四面に使うので、合計四枚。
後、蓋の剣も同じ製法で作ります。
こんな風に型を作ってもいいし、どうせ溶けるのでダイレクトに書き込んでもいい。
板状のグルーには鉛筆でも線は書けます。一応。目打ちなどで引いた方が確実ではあります。
ホットプレートで加熱中に反ったのでかまぼこ板を載せ……。
……たのが失敗だった。(泣)
ひっついて溶けた……。
溶けるのが私の感覚より圧倒的に早い。……プレートが……まだ温かった?
かなり悲惨な事になりつつも、グルー事故は慌ててはいけない。慌てれば、二次被害が拡大します。
この場合、まずは素早くカマボコ板を取り除きます。
そしてじっと状態を見て、手の施しようがない事を悟りましょう。
後はこう言えば完璧。「……これは『ヒケ』。冶金技術が未成熟な時はこういう事例もあっただろう。だから問題ない」。
理論武装とメンタルケアは丁寧に行いましょう。
……え、物理的ケア?
……完璧主義の方は二個目作ればいいんじゃないですかね。
人間は失敗しますよ。でも、そうやって成長するんです。失敗は恥ずかしいかもしれないし、出来る事ならない方がいい。でも、ゼロには出来ない以上、失敗は必要なもので、付き合っていかなくてはいけないものなんです。だから、反省してちょっと落ち込んだら、ね? 元気出して次の工程に移りましょう。(丁寧なメンタルケア)
図面にない上と下の延長部分ですが……。
脚の土台でもある下の方が「40.3×19×1cm」。
蓋の裏側にも同様の板を張っていますが、現物合わせなので。内径より少し小さめ。
……素材は、ダンボールと、マスキングテープで出来ています。
高さ5mmのダンボールを二枚貼り合わせて1cmにして、側面はマスキングテープ。他は見える部分に黒画用紙などを適当に貼る。
マスキングテープは一応塗料が乗るので……。ただ、ある程度水を弾く関係で、接着剤も弾く時がある。
いいテープがあるとは思います。紙テープ系かな……。
これは貼り合わせ前ですね。
サイズは「40.3×19×1cm」で、幅は短い方が3cm、長い方が1.5cmです。
ちなみにマステは白。……黒もあるけど高かったので。
全体的に、低予算部分の象徴とも言う。
……まあ、裏地の補強もカレンダーですけどね? (乱立する低予算の象徴)
二枚を重ねて反りを相互に打ち消しつつ厚みを足すという技術を使いつつ、予算がケチられた部分でもある。
……箱は木で組んで、塗装とグルーのために画用紙を貼る、というのがこの技術のベストだと思うんですよね。主に強度面とか。
ただ、それを買う値段でもっと違う物を作れる。ただそれだけの話です。
蓋を組む直前……。
最初からこの形に切り抜ければ……どんなに楽だったか。
ところで、ここは三角柱の補強材(カレンダー製)を全面に入れたかった。気を付けてはいても当たるとへこむ。物理的に。
今となっては味と言い張るしかない。
ちなみに新聞紙は失敗した固定方法の名残。やっぱ薄かった。
分割痕を誤魔化すためにも、1cmごとにラインを入れています。ボールペンで刻み込むように。
ほぼ組み。
内部はビニールテープやスティックのりで固定。
隙間埋めにはグルーガンの先端を押し当てて広げつつ塗る技をよく使います。
……ダンボールがぴったりじゃないのが哀愁を誘う。ダンボールにすら窮している……。
ちなみにここは一枚。このダンボールはほぼ5mm厚で、1cmの高さの半分になる寸法です。ここはへこませる表現なので。
それでも、ホチキスとグルーガンを駆使しつつ、どうにかこうにか組み上げる。
作業を進めるごとに、段々と、脳内にしかなかった光景が実際に『見えて』くるのが好きです。
……その差が大きすぎると心が折れ始めるのもこの辺。
・脚
大体こんな感じ……。
特に曲線とか現物合わせなので上手く説明出来ないけど、写真で分かってもらえると信じています。
サイズは長さ4cmぐらい。
脚の裏には改良の余地があるかな……。野外の衝撃吸収用に1cm角のフェルトを両面テープで貼っています。
ちなみに、パンチで空けた穴はグルー接合を上手くするため。不安ならさらに、下にも穴を空けたり、塗ったり色々しましょう。ホチキス出来るならそれもオススメ。
接着前に場所確認。なんか可愛い。
割り箸を柱代わりにグルーで埋める。
顔に飛びついてくるエイリアンいましたよね……。
それはさておき、グルーを格子状にして強度を確保。
トラス構造は日本の安全を支えています。鉄橋とかも好き。
……まあこれは違いますけど。
ほら、精神面で支えてくれるっていうか。
完成後ひっくり返すとこんな感じ。
フタ裏と並んで塗装のテストピースを兼ねているので、「どこまでやったらやりすぎに見えるか」のテストも兼ねています。
……普段は見えないし。
さらに角にグルーを盛っていきます。
斜めに交差させていくイメージで、かつ木の根をイメージして……。
……強度面でもこれがないと不安。飾りと言うには重要度が高い部分です。
これで完成! ……ベースが。
そうだまだベースだったよ。
もう黒単色でもいいかな……? と思い始めたら末期。
・塗装
相変わらずメラミンスポンジ。塗料も今回はオール百均。
最近ちょっと大物になってきたとはいえ、そんなに量を使わないので……。
1. 茶アクリルを一部にぽんぽんと。錆び表現なのでなくてもいい。
2. 黒アクリルを全体にぽんぽんと。↑の上にも。
~ここで乾燥期間を十分に取る~
3. 水で薄めたメタリックシルバーをぽんぽんと。根っこっぽい所などはスポンジを絞る勢いで。
ただ、流れた後は特殊な風情になるので、なるべくスポンジに吸わせる。(別の吸い取り用メラミンスポンジを用意してもいい)
~ここで乾燥期間を十分に取る~
4. 水で薄めた黒アクリルをぽんぽんと。葉っぱや角、端を中心に。
~ここで乾燥期間を十分に取る~
5. 水で薄めたアンティークメディウムをぽんぽんと。↑と同じく。錆び表現なのでなくてもいい。
※1。茶アクリル。
※3。薄めメタリックシルバー。あわあわ。
※3。薄めメタリックシルバー。
全体的にかなり薄め。濃い銀にしたい場合は薄めないのもあり……ですが、結構癖のある塗料なので全く薄めない場合、立体を塗るのは結構大変かも。
明るい銀にしたいか、暗い銀にしたいかでかなり濃度は変わる。
なお濃度は好みと勘。
色ムラは味と言い切り、混色はしない方向。抜け出せない沼を回避しましょう。
乾燥したらガントレットを収めて……完成!
野外ロケは天気が良かったけど、『良すぎた』ので、これぐらいの光(室内灯&太陽光)の方が、金属質感が出るような気もします。
・終わりに
辛かった……けど、今回は当初の設計がおおむね通ったので、マシな方かな?
……紆余曲折はあったけど。(遠い目)
そして……部屋の片隅に鎮座する聖櫃風ガントレットケース。
起きた時、カーテンの隙間から差し込む朝日に柔らかく照らされるアンティークシルバーの落ち着いた輝き。
ランタンも護符も杖もそうでしたけど、寝起きにファンタジーアイテム目に入るのはたのしい……。
……ただ、いい事ばかりかというとそうでもなくて。
……脚は強度が十分だとは思う。でも何か下に支えを置いておくべきか……。
埃は……?
部屋の一角が、『病毒の王』スペースなのですが、そのサイズでスペース占有してる……。
などなど、考える事がまた増えた。
洋服ダンスの上に設けたスペースなのですが、上に飾る物が増えてきたし、隣にも巨大な木箱(木箱風の杖ケース)。
……最初は「病毒の王」関連の品は、羽根ペンだけだったんですよ。
それがランタンが追加されたのを皮切りに、なんかこう……着々と増えている。
侵食率が……上がっているような……。
『庇を貸して母屋を取られる』って言葉が頭をよぎる今日この頃です。




