10 初ライブ
「楓!このスタンプってのはどうやって使うんだい!佑子がよく使うから私も使いたいんだよ!」
「えーとですね、それは・・・」
楓が吉井手芸店の店主である文子にパソコンとモバイルフォンの使い方を教えに来て2週間。文子は楓が思うよりもデジタルデバイスの習得に意欲を見せている。
楓の指導の甲斐もあって文子はとりあえずモバイルフォンとパソコンの基本的な使い方を習得した。使い方を覚えると文子もデジタルデバイスの便利さに気づいたのか色々と教えてくれと楓に自ら頼むようになった。
楓は業務を効率化する使い方よりも周囲との繋がりやすくするツールを積極的に文子に勧めた。商店街で既にパソコンを使ってるお店のスタッフとやり取りできるようなツールや娘の佑子さんとのやりとりができるモバイルフォンでのメッセージアプリなどだ。
余計なお世話かもしれないが、なんとなく文子は孤独に見えた。楓が吉井手芸店に出入りするようになって2週間が経つが、その間にあった会話といえば常連客との会計での会話とたまに出入りする業者とのやり取りぐらいのものである。楓もこれから毎日吉井手芸店に来るわけでもないので楓がいなくても誰かとの接点を持てるようにしておきたかったのだ。
(まぁそんなこと文子さんに言ったら怒られそうだから言わないけど・・・)
「あん?何か私に失礼なこと考えてないかい?」
「イヤ、カンガエテナイデスヨー」
「棒読みがわざとらしいわ!何考えてたか白状しな!言わなきゃチャットツールで商店街のみんなに楓がこの前店でエアギターしてた動画バラまくよ!」
「やり方がこの前まで機械音痴だった人間の言うことじゃない!!しかも結構えげつない!!」
以前に比べ吉井手芸店は少し賑やかになり、気になった人が入ってくるようになり更に賑やかになった。
◇
「楓お姉ちゃん、私ライブやりたい!」
「Oh・・・」
ギターの楓とキーボードの由愛のユニット「Raspberry」がユニットを組んで1ヵ月。既に3曲ほどアップしているが反応は上々だと楓は思っている。
由愛が作った曲もあれば楓が主導した曲もあるし、2人のアイデアを合体した曲もある。曲に載せる動画は全て楓が3Dアニメーションで作成した。
楓も前世の意識が覚醒してから数か月が経ち、溜まった色々なインスピレーションや試してみたいことがついつい爆発してしまい、ちょっと調子に乗りすぎたかもしれない。
アップロードした曲に集まったコメントを見るとそれなりに再生されている理由のひとつがわかった。
(前世の私に似てる、か)
集まったコメントは日本語よりもむしろ外国語の方が多い。やはり歌の入っていないインストだからだろうか。
その中でも多いのが「Nishina」の文字。前世での自分の名前だ。うぬぼれるわけじゃないがそこそこ注目されているのは前世の自分のおかげのようだ。Nishina is Back!のコメントがちょっと嬉しい。でもそんなに聴いただけで分かるほど自分ってクセあるかなぁ・・・
とまぁそれはさておき楓は話を戻し、由愛にライブをやりたい理由を問う。
「ライブって言っても、ピアノ教室の発表会とかじゃダメなの?あれもライブみたいなものじゃない?」
「だってあれはソロだもん。楓お姉ちゃんと一緒に作った曲を演奏したいから・・・」
「なるほどなぁ・・・」
確かにピアノの発表会で由愛ちゃんの時だけ見知らぬギタリストが一緒に登壇して演奏していたら意味不明ではある。
ライブをしたくなる衝動自体は楓にもよく分かるので楓としてもやりたいところであるがいろいろと問題がある。
それは楓がまだ中学一年生だということだ。ライブに出演するのであればワンマンで会場を貸切るにしろ誰かの開催するライブに出演させてもらうにしろやり取りが発生するわけで、それをまだ中学生の楓が、しかも小学3年生の由愛と2人で出演したいです、と言っても真に受けてもらえるかという懸念がある。
(・・・まぁ、それなら大人を頼ればいい話かな!)
前世での知識があるとはいえ今の楓は中学生の少女である。それが逆に自分の裁量を超えるものは誰かに頼ればいいという判断を可能にしていた。前世の楓だったら何でも自分でやろうとしていただろう。子供に戻り逆に誰かを頼れるようになった楓であった。
「うん、じゃあライブやろう!」
「本当!?やった!!」
「せっかくやるからには面白いことやろうか!」
「もちろん!あ、私やりたいことがあってね――」
まだライブが決まってもいないのに2人はライブについての妄想を膨らませるのであった。やると決めてしまえば物事は転がり始めるのだ。あとはぶつかる障害物を一つ一つ取り除いていけばいいのである。
◇
「もうチケットが完売してる?」
とあるスタジオのミーティングスペースにて、4人組のバンド「blue salt」は練習後のミーティングを行っていた。といっても堅い雰囲気の物ではなく雑談に近いものだが。
blue saltは全員が社会人のバンドである。プロとしての活動を目標に仕事をしながら全員が空いた時間でスタジオに入り練習し、定期的にライブを行っている。
今日の話題はあと1ヵ月をきった今度のライブである。
いつもであれば観客は多くても50人、少ないときは10を切る時もある・・・・そんな感じの彼らだが今回のライブは事情が違っていた。
「完売って、今回やるとこって一応マックス150人だろ?それがライブの告知をして2日でもう完売したってのか?」
リードギター担当である俊介が今までにない事態に情報の真偽を問う。
「あぁ本当だ」
リーダーでありボーカルである圭吾がその情報は確かだと答える。
「たまたまどこかで告知のメッセージがバズったとか?」
ドラムの亮太が推測を述べる。
「いや、特に告知のコメントがバズったとかじゃないんだよなぁ・・・」
「じゃあ、他のバンドが有名なんじゃね?」
ベースの健斗が別の考えを示す。
「いや、今回呼んだバンドの内1つはよく一緒にやるアークってバンドだし、もう1つは女の子のバンドなんだよな」
「女の子?ガールズバンドってことか?」
俊介が圭吾に質問する。
「いや、なんでも中学生と小学生の2人組らしい」
「「「中学生と小学生!?」」」
圭吾の言葉に他のメンバーが一斉に驚きの声を上げる。
「経緯を説明すると、サイトで出演者を募集してた時にその子のお父さんから娘がライブに出たいので出させてもらえないか、ってコンタクトが来てな。とりあえず音源を聴かせてもらえませんかって言って送ってもらった音源がすげぇレベル高かったんだよ。多分お父さんが音楽詳しくて、娘さん達を色々サポートしてる感じなんだろうな。まぁそういうフレッシュな感じのバンドがいてもいいし、出演させてもいいかなーと思ってな」
「でも2人なんだろ?演奏はどうなるんだ?」
「1人がギターで、1人がキーボードらしい。伴奏を流しながらギターとキーボードが生演奏って感じでやるって言ってたな」
「いや、演奏できるのかって話よ。音源で上手く弾くのとライブで弾くのじゃワケが違うぞ。大丈夫なのか?」
健斗が悩み顔で疑念を示す。恐らく健斗の性格からしてそんな奴らと一緒にライブなんてできるかと言いたいのではなく、もっとやりやすい感じのライブでライブデビューした方が彼女たちの為なのではと言いたいのだろうと圭吾は思った。
「正直、まぁそこは蓋を開けてみないとわかんねぇな・・・。誰にでも初めてはあるし、そこは経験ということで。それに今回は観客も多いわけだし、逆に良いんじゃねぇか?」
「・・・まぁそうだな」
今までのライブの中には観客が2,3人しかいないライブもあった。現実を思い知らされたという意味ではいい経験になったが、どうせやるなら人が多いライブの方が彼女たちも喜ぶだろう。
チケット完売の理由はわからずじまいだったがとりあえず満席になったライブを楽しむことにしたblue saltの4人であった。
◇
「お父さん、ライブ出演の交渉ありがとね!」
「おう、全然いいぞ!」
夕飯の時間に楓は父である透にライブ出演の交渉をしてくれたお礼を言う。
両親である由紀と透の仕事が遅くなる時もあるが、なるべく3人で夕食の席を囲むのが川原家のしきたりである。
「主催の人に聞いた話だと、もう既にチケット完売してるらしいぞ」
「本当に!?」
透の言葉に楓は驚いた。
今回のライブハウスはキャパが150人と聞いている。なるべく知り合い呼んでねーと言われていたので楓も家族や商店街で知り合ったお店の人なんかに声をかけたり、ネットでRaspberryのアカウントからライブの告知をしたりしていた。バンドメンバーがそれぞれ知り合いを呼んでいたとしても2日で完売するのはかなり早い気がする。他のバンドが売れっ子なんだろうか。
「それにしても、楓があんなにギターが上手いなんてお父さん知らなかったぞ。お父さんのギターをあげてからまだ半年ぐらいしか経ってないだろう?」
「確かにねぇ。それは私も驚いたわ」
驚きを隠せない透に母である由紀も同意を示す。結局我慢できずに前世で培ったギターのテクニックを使ってしまったわけだが何も知らない透と由紀からすればギターに興味のなかった娘が急にギターに興味を持ち唐突に上達したように映っているはずだ。おかしいと思わないはずがない。
(そ、そりゃそうなるよね。でもあの時は由愛ちゃんのためだったからしょうがなかったし・・・。うーん、どうしたもんか・・・)
「ち、中学生だから時間もあるし、毎日ずっと弾いてたからね。半年近く毎日何時間も弾いてたらあれぐらいは弾けるんじゃないかな」
「う〜ん、そんなもんなのかなぁ?」
楓は透と由紀がギターに詳しくないのをいいことに言いくるめる作戦に出た。(ちなみに透のギターの腕前はギター歴3ヶ月くらいの頃の前世の自分ぐらいのレベルであった)
「まぁ楓は昔からいつの間にか私たちを驚かせるような技術を身に付けてたりするしね。絵も誰も教えてないのに小学校の頃からすごい上手かったし、あり得ないことじゃないんじゃない?」
「それは確かに・・・。でもお父さんが続かなかったギターを楓に半年で抜かされたと思うとちょっと情けないなぁ」
「働きながら何かを覚えるのは大変だからねぇ・・・」
「その言い方だとまるで楓が働いたことあるみたいだなぁ」
楓の迂闊な発言に透が突っ込む。
「い、いやほら仕事で疲れた後にギターの練習とかしんどいだろうなーって思って!」
「まぁそれはそうだけど・・・」
なんとか煙に巻くもいつか本当のことをちゃんと説明しないとなぁ、と思う楓であった。
◇
そうして迎えた本番当日。トップバッターである楓と由愛はリハーサルを終え舞台袖で待機していた。
お客さんの入場が始まったようで観客席の方から徐々に賑やかな声が聞こえてくる。
楓が横にいる由愛の方へ目をやると――
(ガッチガチに緊張しとるやないかい!)
それはもうガッチガチに緊張していた。
とはいえ無理もないと楓は思う。由愛はまだ小学3年生だしライブも人生初である。しかもどうやらライブ前に緊張するタイプのようでリハーサルの時から簡単なフレーズをミスったりしていた。
(とはいえ、こればっかりは本人が乗り越えるしかないからなぁ)
ちなみに楓は前世でライブをしたこともあるしゲームクリエイターとして有名になってからは大勢の前に出ることもあったので全く緊張しておらず、正直由愛に何をしてあげればいいのかわからない。
「えいっ」
・・・というわけで由愛ちゃんを抱きしめてみた。
これは決してやましい気持ちからではない。ハグは心理学的にもストレスの大きな軽減になると実証されているのだ。なので何もやましいことはないね。うん。
「・・・どうしたの、楓お姉ちゃん?」
緊張から自分の世界に入りきっていた由愛ちゃんが私の方へと意識を向ける。
「いや、緊張してるなーって思って」
「だからって、なんでハグ?」
疑問に思いながらも笑う由愛ちゃん。
「こうするとリラックス出来るらしいからしてみたんだけど・・・あんまり効果ないかな?」
「う~ん・・・無い!」
「いや、そこは嘘でもあるって言おうよ!」
楓のいつも通りのノリのツッコミに頬を綻ばせる由愛。
(・・・なんか緊張してるのがアホらしくなってきた)
初めてのライブ直前だというのに全く緊張していない楓を見ているとガチガチになっていた自分が馬鹿みたいだなぁ、と由愛は思った。
「まぁ今日は初ライブだし、失敗して当たり前だって。お客さんも多分私たちの後のバンド目当ての人ばっかだし。気楽に楽しもうよ、気楽に」
「流石にそれは適当すぎじゃ・・・」
「そりゃ失敗しようと思っては演奏しないけどね。でもステージの上で演奏してる人がガッチガチだとお客さんもしんどいし。ステージの上にいる時は自分が世界一のプレイヤーだって思うと良いって有名なギタリストも言ってたよ!」
「世界一、かぁ。大きく出たなぁ」
そうこうしていると会場に流れていたBGMが鳴り止む。入場の合図だ。
「じゃあ行こうか、由愛ちゃん。世界一のスーパーギタリストがお供しますぞ」
楓が執事が主人へするようなお辞儀をする。
「はははっ、何それ!・・・じゃあサポートよろしく!」
「お任せを!」
2人の初めてのライブが、幕を開ける。
◇
「いよいよですね二階堂さん」
「あぁ。こんなにライブの日を指折り数えて待ったのは数十年ぶりかもしれん・・・」
ソルダーノ・レコーズの代表である、二階堂拓とその社員である澤村歩は忙しい時間を割いてアマチュアバンドのライブに来ていた。すでにプロとして活動するアーティストのマネージメント業務で忙しい彼らがわざわざアマチュアバンドのライブに来ているのには訳がある。
以前、彼らがRaspberryをネットで見つけた時、彼らはすぐにウチと契約しないか、というメッセージを送ったのだが「現状はプロとしてやっていく気はない」というメッセージが1日で帰ってきたのだ。瞬殺である。
バッサリ切られたわけだが、あきらめきれなかった彼らはその後もRaspberryの活動を追っかけていた。とはいえネットで公開されている情報はKaedeとYuaという名前の2人組であるぐらいで経歴や性別はもちろん年齢すらわからないという有様だった。従って追っかけていたといっても文字通り新しく公開される曲や動画を見ていただけなのだが・・・。
そんなある日、Raspberryのアカウントでライブ出演の告知が行われたのだ。
2人は待っていたとばかりにこの情報に飛びついた。すぐさまチケットを予約し、本日に至るというわけだ。
Raspberryの2人が一体どういう人物なのかついに拝むことが出来るというわけだ。そしてあわよくばライブ後に直接勧誘しようという目論見もあった。
「・・・というか二階堂さん、なんか色んな事務所の社員来てるっぽくないですか?」
「・・・みたいだな。どこも考えることは一緒ってことか」
2人に目を付けているのは自分たちだけじゃないようだ。彼らも自分たちと同じ心境のようでステージに2人が現れるのを今か今かと待っている。
会場に流れていたBGMが鳴り止み、会場が暗転する。
しばしの静寂の後、綺麗なギターのアルペジオが聴こえてくる。しかしまだ照明はステージを照らさない。
(イントロを暗転したまま演奏しきる気か!)
ギターの音に澄んだピアノの音が重なる。全く手元が見えない状態だというのにギターとピアノの音は少しもブレる気配がない。かなりステージ慣れしているなと二階堂は感じた。
段々と色々な楽器が重なっていき、ついに照明がステージに落とされる。
ステージにいたのは――
「「「「「女の子ぉぉぉぉおおお!!!!?????」」」」」
会場にいた観客の大多数が心の中でそう叫んだのであった。
◇
(女の子だと!?)
二階堂は驚きを通り越して困惑していた。確かに名前からして女性なのでは、と予想していたがこんなに小さい子供だとは思いもしなかったのだ。あまり表情に感情を出さない部下の澤村ですらあまりの驚きに口をあんぐり開けている。
ギターの子は中学生くらいだろうか。ショートボブの髪型に大きな瞳が快活な印象を感じさせる。チノパンに長袖のシャツというどちらかというとボーイッシュな服装をしているがその服装が彼女のスラリとしたスタイルの良さを引き立たせている。
キーボードの女の子はまだ小学生だろう。肩に掛からないくらいに切り揃えた髪と水色のワンピースの組み合わせがいかにも女の子という出で立ちだ。ギターの子と同じく将来は間違いなく美人に育つだろう。
ステージ上にいるのは2人だけで、後の演奏はパソコンから流しているようだ。いわゆる同期演奏という奴だろう。
Raspberryが発表している曲は今のところ全部で3曲。オープニングのこの曲はギターのアルペジオから始まる爽やかで開放感のある楽曲「Before the Dawn」だ。
一見すると聴きやすい曲なのだが実は変拍子が使われており、演奏するのはかなり難しいはずだ。
(キーボードの子は既に十分上手いがまだ年相応、と言えなくもない。ありえないのはギターの子だ!)
キーボードの女の子は十分上手いが、まだ常識の範囲内だ。このまま練習すれば間違いなく日本を代表するミュージシャンになれるだろう。
しかしギターの子は既に自分のスタイルを確立している。もはや今までのギターという楽器の概念で彼女の音を説明することはできないだろう。
既に観客は彼女たちの世界に飲まれている。全員の視線を一挙に集めているにも関わらず2人の少女は全く怖気づいていない。それどころか演奏するのが楽しくてしょうがないといった様子だ。2人があまりにも楽しそうな笑顔で演奏するのでこちらも思わず頬がほころんでしまう。周りの観客も同じようでステージの2人につられるように笑顔になっている。
1曲目の演奏が終わりMCが入る。簡単な自己紹介が行われ、2人の年齢と名前、そして今日が初めてのライブだという事実に観客は騒然となった。「初めに断っておきますが、アンコールは作った曲が3曲しか無いのでありません。というか出来ません」というギターの楓ちゃんのMCが笑いを誘う。
そのまま2曲目が始まるのかと思いきやなんと2人のアドリブによるジャムから2曲目に突入した。まるでベテランのバンドのような芸当にもはや笑うことしかできない。
2曲目の「Twilight」はアップテンポでノリのいい曲だ。ギターとキーボードがサビでユニゾンする時の2人の楽しそうな姿が微笑ましい。楓ちゃんがソロパートを右手で観客を煽りながら左手だけで弾き切るという人間離れしたプレイを見せつけ、観客を沸き立たせていた。一緒にステージにいた由愛ちゃんも驚いていたが、そりゃそうだろう。
その勢いのまま「最後の曲行くぞー!!」という楓ちゃんのMCと共に最後の曲「Snowdome」が始まる・・・と思ったら楓ちゃんがイントロでミスをし、一旦演奏はストップ。
「・・・さっきの難しいソロを片手で弾き切ったくせになんでそんなに難しくないこのイントロでミスるの?」「・・・すいません」という年下の由愛ちゃんに怒られる楓ちゃんの姿がシュールだった。
初めから仕切りなおしたテイク2、由愛ちゃんからのジト目で睨まれつつそんなに難しくないはずのイントロを楓ちゃんは冷や汗まみれになりながら無事に弾き切ることに成功。
その後にあるその辺のプロでも弾けないようなソロをライブとは思えない安定感でサラッと弾き切っており、観客は恐らく心の中で「ふつうは逆だろ!」とツッコミを入れているだろう。
かくしてRaspberryの初ライブは大歓声と共に終了した。