第1話
4時間目の始まりのチャイムが鳴り響く。今日は先日の数学のテストの返却の日だ。数学の教科担任の谷口先生がガラッと扉を開けて入ってきた
谷口 「挨拶すっぞー」
相変わらず緩い人だ。その分助かってはいるが。
「起立、気を付け、礼」
学級長の挨拶に合わせ皆が礼をする
「着席」
谷 今日はテストを返す。返す前に平均点を発表するぞー。今回の平均点は68.7点だ。前回と比べて少し上がったな。この調子で頑張ってくれ。
平均点が発表されて少し騒がしくなってくる。
谷 「そんじゃテスト返すぞー。浅井」
出席番号順調に次々と呼ばれていく
谷 「たじま けんと!」
太島健斗 「おおしまです!」
みんながドッと笑う。太島は名前のせいでいろんな先生と同じやりとりを繰り返しているがやはりこのやり取りはいつ見ても飽きない。
谷 「すまんすまん、今回も頑張ってるな!次回も期待してるぞ。」
谷口から笑いながら答案と模範解答が書かれた用紙が太島に渡された。
谷 「川崎悠斗ー」
川崎悠斗 「はーい」
相変わらず川崎はいつも赤点ギリギリの点を取るが今回は大丈夫だったろうか。
谷 「んー。前回よりかは上がったなもうすこし努力すれば伸びるぞー」
答案と模範解答をこれまた笑いながら川崎に渡す
川 「ありがとうございます」
律儀にお礼の言葉を言ってから俺の後ろの席に戻ってきた。
谷 「次、白山淳」
俺の名前が呼ばれる
白山淳 「はい」
席から立って教卓まで歩く
谷 「 んーまあ普通ってところだな。このまま維持しろよ!」
やはり笑いながら答案と模範解答を渡された。そこから自分の席で無く太島の席へと向かう。
白 「たじまー川崎ー何点だった?」
自分の席に座って喋る太島と自分の席に座り後ろを向きながら喋る川崎に声を掛けた。
太 「もうその名前いじりやめてくんね?w」
川 「俺は今回50点だった。」
白 「俺は71」
太 「聞いて驚け!89点だ!」
皆いつも通りの点数だった。そろそろ男子のテスト返却が終わる頃かと思っていたらもうすでに男子への返却が終わり女子の返却が始まっていたらしい。川崎の席の隣の席の後山陽子が戻ってきていた。
白 「 後山さん何t、、、」
言ってる途中に後山さんの点数が目に入って絶句した。
後山陽子 「100点!!!超嬉しい!」
普段静かな後山さんがはしゃいでいるのを見るとなんか新鮮な感じがする。続いて俺の隣の席の佐藤優香がこちらにやってくる。
白 「佐藤何t、、、」
こちらの点数も絶句した。
佐藤優香 「zeroですけどなーにーか文句?」
川 「い、いえ!な、何も文句など無いです!」
もはやいつも通りなので開き直ってしまった佐藤なのであった。