愛・LOVE・友
「ねえねえ、友くん友くん」
「なに?」
「えーとね、んー、いや、いい。やっぱなんでもないや」
「なんだよ、それ」
「だから、なんでもないって」
「なんか言おうとしたんじゃないの?」
「なーんにも」
「気になるなあ」
「気にしすぎだよ」
「愛が思わせぶりな言い方するからだろ」
「えー、わたし、したっけ?」
「したじゃん」
「覚えてないなー」
「思わせぶりだなあ」
「ふふふ」
「ほうら、まただ。思わせぶりな笑い方だ」
「これがわたしの笑い方なのー」
「そうだっけ?」
「そうよ」
「忘れてたな」
「じゃあ今日は、これを覚えて帰ってくださーい」
「なんでさ」
「テストに出るから」
「テストって、いったいなんのテストさ」
「さーねー」
「気になるなあ」