闇を狩る少女(3)
†
ロルフは納得がいかなかった。心に引っ掛かりを残したまま、ハイデマリーによって家まで連れ帰られたのだから。
抵抗する事は出来なかった。
いきなり聞かされた話に気が動転し、混乱していた為か。ハイデマリーの、無理やり引っ張る力が半端無く感じられたのはその所為かもしれない。
ハイデマリーを見遣るロルフ。
彼女は毎度おなじみの――子供の癖して平静とした態度で、分厚い本を読んでいた。ハイデマリーの好む本というのは、子供が読むような童話の絵本やらそういった易しい類の物ではない。小難しい聖書にも似た「哲学」だの「思想」だの、常人には理解できない物が多いのである。
(ませてやがる、を通り越してやがる。せめて純文学でも読んでくれたら、ちっとは可愛げがあるのにな)
そう心の中でロルフは呟いた。
尤も、こういう時も肌身離さず人形を抱いているのが、絵的には救いなのかもしれない。……年代モノな古い人形ではあるが。
ふと、ハイデマリーがロルフの視線に気付いたのか、彼を見てきた。
「どうしたの」
無表情だ。とはいえ、それはいつもの事なのでロルフは気にはしていなかった。
「いや、別に」
そう答え、そっぽを向く。
「気になってしょうがない。貴方の先生が何故殺されたのか」
「……」
図星を突かれ、彼は無言だった。
「最強のヴァンパイアハンター、テオドール・シェーンハイト。まさか、賊に殺されるなんて」
「只の噂だろ。先生がそんな連中に殺られる訳がない!」
ロルフが立ち上がり、反論する。ハイデマリーは冷静に彼を見上げるだけだ。
彼女の諭すような青い瞳に負け、椅子に座り直した。
遠い眼で呟く。
「……本当に死んでしまったって事は理解したさ。けどよ、それでも信じたく無いだろ? 直接見た訳じゃなんだしさ」
ハイデマリーは尚も無言のまま彼を見つめている。どのような意図で視線を注いでいるのか。
同情か?
慰めか?
どちらにしても、彼にとっては居づらい事に変わりなかった。
「……すまん。今日はもう休む」
立ち上がり、部屋を出ようとする――
「ええ。おやすみなさい」
珍しく優しさの篭ったハイデマリーの声を背で聴き、ロルフはドアを閉めた。
†
――それは、断片的ではあるが、血塗られた記憶であった。
壮年の男性と、若い青年が無惨に横たわる。
"影"の凶刃により鮮血を撒き散らし、倒れる貴婦人。
舞い散る血飛沫が、少女の白い頬を染め上げた。
モノトーンの床を染める血溜まりは徐々に拡がり、影の足を侵蝕する。
立ち尽くす影――
人の形をとったそれは、漆黒の甲冑に身を包んだ"何か"であった。
ゆっくりと、少女へ振り向く。
兜の目穴から覗くのは、深紅の眼光だ。炎の如く揺らめくその眼が、少女を見据えていた。
おぼつかない足取りで歩み寄る。
右手には最愛の者達を殺めた血染めの槍。甲冑と同様、黒一色の禍々しい形状をした得物だった。
その矛先からは、絶え間無く血が滴っている。父と、母と、兄の血で。
少女は後ずさるも、震える体が思うように動いてくれなかった。足がもつれ、へたり込む。
甲冑を纏った異形が、静かに槍を構えた。その矛は、少女に狙いを定めている。
異形の眼が、瞬いた。
槍が突き出される――
浴槽の中で、ヴィオラは目覚めた。
荒い息をたてながら、気を落ち着かせる。
「夢……あの時の……。眠ってしまっていた……?」
薔薇の花弁が浮かぶ、紅の水面に映った自身の顔。恐怖で、引き攣っていた。
不意に、歯軋りをする。
過去の傷を抉るような悪夢であった。だが、ヴィオラの中で全てが一変した日で、決して忘れられない悲しみと悔しさの記憶なのも確かだ。
(また、私にあの光景を見せるというのね……)
今回に限った話ではない。これまでに何度か、彼女はこの悪夢を垣間見ている。それは決まって、今のように思わず眠りに落ちてしまった時に必ず見るものであった。故に、眠る事を彼女は極力避けていた。
俯くと、濡れた髪が顔を覆い隠した。その隙間から覗く青い瞳が、何が居る訳でもなく前方を睨みつける。
立ち上がる。
ヴィオラの白く美しい裸身から滴り落ちる紅い水が、まるで血のようだった。
胸元――心臓部に濡れた手を当てる。
もはや"発作"となってしまっているらしい。あの悪夢を見る度、心臓の"それ"が疼き、彼女はある衝動に駆られるのだ。
「……狩りの時間ね」
そう、無性に闇を狩りたくなるという、衝動が。
浴槽を出る。
白い床を、ヴィオラの身体から滴った雫が濡らした。
顔を俯けたまま、口ずさむ。
「開花」
数多の薔薇の花弁が具現化され、彼女を中心に渦を巻いた。それは徐々に身体に纏わりつき、刹那の薄紅の光を放つ。
光が晴れると、ヴィオラは漆黒のゴシックドレスを纏っていた。
いつの間にか左手に持っていた薔薇の花が舞い散り、青い細剣に変形する。
顔を上げ、目を見開いた。
†
月夜が照らす街を見下ろし、ヴィオラは適当な家屋の屋根に立っていた。
目を閉じ、空を仰ぎながら、夜風に身を晒す。
冷たい風が肌を撫でて通り過ぎて行く――
これ位の風ならば丁度良い。
ヴィオラは、右腕を翳した。
「青の細剣……。今宵も散らせましょう、汚らわしき悪の華を」
ブラオ・デーゲンで自らの腕を貫く。
痛みで微かに顔を歪めながらも、その眼はいつもの鋭い眼光を湛えていた。
血が滴り落ちる――
虚空でそれは風に乗せられ、彼方へと消えていった。夜の、闇の中へと……。
剣を引き抜き、傷口を眺める。その傷口は、徐々に塞がっていた。特別何をした訳でもない。それがさも当然の事であるかのように、ヴィオラは平然と傷が再生してゆく過程を観察していた。
流血が治まる。傷口は、もう無い。
「以前より治癒が速くなっている。もう、後戻りは出来ないという事ね」
独り呟く。
時を同じくして――
彼女の背後に、無数の人影が、音も無く現れた。
「ほらね。当たったでしょ。この血の匂い、とびっきりの上物だって」
そのうちの一体が、そう述べた。
ヴィオラが肩越しに振り返り、彼等を見据える。
月明かりに照らされたそれは、ヴィオラと同年代と思しき美少年達であった。病的な白い肌と深紅の瞳を除けば、見た目は人間に変わり無い。
「だね。こんなに綺麗な子が獲物だなんてさ。さっきの舞踏会、地味な子ばっかりでつまんなかったからね。口直しに最適だよ」
別の一体が云うと、リーダーと思しき礼服姿の少年がヴィオラへと歩み寄って来た。
「僕達、デルブリュックから来た貴族の御曹司なんです。今宵はこの近所で貴族が集まる舞踏会がありまして、親の強制で参加させられたのですが、あまりにも退屈で退屈で……抜け出してきてしまったんですよ」
と、手を差し伸べてくる。
「ですが、やっぱりこの街へ来て良かった。貴女のような方に会えるなんて。宜しければ、僕達と踊ってくれませんか?」
微かに笑みを浮かべる少年。だが、眼は笑っていなかった。その眼は、明らかに獲物を喰らわんとする獣のそれだ。
尚も冷めた眼で見据えていたヴィオラは目を閉じ、ふ、と鼻で笑う。
「デルブリュック……。そんな遠い所から。……良いわ――」
身体ごと振り返り、少年へと微笑んだ。
「踊りましょう」
ヴィオラはそう云い、ブラオ・デーゲンを勢い良く突き出した。
†
やはり寝付ける訳が無かった。
目を閉じても師の事が脳裏に浮かんできて、彼を眠らせてはくれない。
「ああ、ったく!」
苛々しながら上体を起こした。ベッドに腰を掛けたまま、ロルフは窓の外へ目を移す。
月の光が差し込んでいて、部屋は微かに明るい。暫し、彼は惚けて月を見ていた。
落ち着きを取り戻し、冷静に考え込む。
(やっぱ、知るべきだよな。俺も先生の弟子なんだし)
ヴィオラの言葉を思い出す。
「部外者には関係無い、か」
復唱する。
態度だけでなく、あの口ぶりからも、ヴィオラは他人を信用していないのが見て取れる。
信用していないから、ロルフに教えなかったのだろう。師――彼女の父親が何故殺されなければならなかったのかを。
ふと、外が騒がしい事に気付く。
微かであるが、怒声のような、悲鳴のような叫びが聞こえてきた。
ロルフは無意識に立ち上がった。
……行かなければ。
理由は解らない。
しかし、"何か"がロルフを呼んでいる。そんな気がしてならなかったのだ。
隣で眠っていたハイデマリーが目を覚ます。
否、眠っていたふりをしていた。
部屋の出入り口を見遣る。
ドアが開いていた。
椅子に掛けてあったロルフの上着が無い。そして、銃を仕舞っていたトランクが開けられている。中の銃も無い。
ハイデマリーは、思い詰めた顔で呟いた。
「その先は茨の道よ。踏み入ったが最後、決して後戻りは許されない――」
――それは長く険しい、過酷な戦いへの片道切符。大地に深く根差した、巨悪との戦いへの……。
ロルフ。貴方にその覚悟があるのなら、お行きなさい。
そうすればやがて、貴方を通じて、ヴィオラ・シェーンハイトの下に"彼女達"が集う筈だわ。
美しく、気高い、薔薇の戦姫達が……。
†
其処は、病院の一室であった。
切り揃えたショートヘアの少女が、窓越しから月を眺める。
「明日、退院ですか……」
そう独り言を溢し、胸元に手を当てた。
「"この事"、誰に云えば良いのでしょう」
遠い目で虚空を見据えた後、確かな目つきに変わる――
勢い良く振り返り、手に持った薔薇を舞い散らせた。
薔薇は、赤い刃の大剣に変貌していた。誰も居ない其処へ、切っ先を向ける。
「云える訳が無いわ。……お兄様にも」
ツインテールの少女が屋根の上に座っていた。好奇心旺盛なその釣り目に、空に浮かんだ月を映しながら。
親指と人差し指で作った円を月に重ねる。
「今日はいつに無く綺麗な月だねぇ。この気の昂り、何かの前触れかな?」
振り向き、右眼を眼帯で隠した癖毛の少女に問う。
癖毛の眼帯少女は、無言で頷いた。
「近いうちに何か起こるかも!」
ツインテールの少女は立ち上がり、薔薇を持っていた手を虚空へと翳す。
花弁が舞い散り――薔薇は、緑色の大鎌に変化した。それを肩に担ぐと、今度は眼帯の少女が薔薇を黄のクロスボウに変えたのだった。
「待ち侘びたわ……この時が……訪れるのを……」
眼帯の少女は静かに、そう呟いた。
†
灰と化し、崩れ落ちようとする少年から剣を引き抜く――
衣服を残し跡形も無くなったそれを見下ろした後、ヴィオラは彼等に冷徹な視線を送ったのだった。
「お前……! ヴァンパイアハンターだったのか!」
少年の一人が怒声を放つ。その口から、鋭利な犬歯が覗いた。
「私をその辺のハンターと一緒にするな。金の為に戦う卑しい奴等とは違うわ」
ヴィオラが静かに反論すると、少年達は呻り声を上げながら灰色の異形へと変貌した。コウモリの翼を生やし、尖った爪を振り翳しながら彼女へ飛び掛る。
先頭のヴァンパイアが、がなった。
「貴族に歯向かう奴が何をほざく!」
爪の斬撃が放たれる。
「"貴族"……。貴様達のような穢れた存在が、貴族を名乗る資格など無い」
軽やかに避けながら、ヴィオラは呟いた。
微かな動作でブラオ・デーゲンを振るう。一瞬撓ったかに見えた刃は、真っ直ぐとそのヴァンパイアの額を貫通した。
「があああああぁぁぁぁぁ……っ!」
枯れたような絶叫を上げ全身から青い炎を発する。完全に灰と化すのを待たずに、ヴィオラは剣を額から抜き、次のヴァンパイアを迎え撃つ。
「貴様ぁぁぁぁぁ――」
薙ぎ払ってきたヴァンパイアの腕を剣で捌く。その動作の流れに乗ったまま、剣を突き出した。刃が青い光沢を放ち、深々と彼の心臓部に突き刺る。
呻き声を発しながら身体を崩壊させてゆく様を尻目にし、ヴィオラは残りのヴァンパイア達へ振り返った。
一歩引き下がるヴァンパイア達。
彼等へ歩み寄ろうとするヴィオラの背後を、影が覆った。
振り返る――
刹那、銃声が鳴り響いた。
彼女の背後に立ったヴァンパイアの頭部が欠け、呻き声を発しながら灰と化す。
銃声の発せられた方を見遣るヴィオラ。
「ロルフ・フックスベルガー」
別の屋根の上で、ロルフ・フックスベルガーが銃を構えていた。その銃口から硝煙が立ち昇っている。
「外が騒がしかったんでな。何事かと思って来たら、案の定ってところか」
つかみどころの無い微笑で云ってきた。
そんなロルフへ、冷たい眼で見据えながら呟く。
「助けなど必要無いわ。頼んだ覚えも無い」
ロルフは不敵に笑うと、彼女の立つ家屋の屋根へと飛び移ってきた。
「あんたを助けた訳じゃない。俺だって生活かかってんだよ。それだけの事だ」
「邪魔するな」
冷たく云い放つヴィオラ。ロルフは溜息をついた。
「ったく……。取り付く島も無いな」
残りのヴァンパイアに銃を向ける。
すると、騒ぎを聞きつけてきたのか、何処からともなくヴァンパイアの増援が飛来してきたのだった。ヴィオラとロルフを取り囲むと、二人はどちらともなく背を合わせた。
「多いな。俺はこっちを片付ける。そっちは任せた」
背中越しに指示を出してくるロルフ。
「勝手になさい」
ヴィオラはそう、冷淡に返した。互いに、前方のヴァンパイア達へと向かってゆく。
飛び掛るヴァンパイア達へ二丁の銃で発砲しながら、ロルフが叫んだ。
「あんたは何の為にヴァンパイア狩りをしてる? 金の為とは思えないし。先生達の死と関係あるのか?」
やはり彼の目的はそれか。
ヴィオラはそう心に思いながら、返す。
「貴方の知る事ではない」
ヴァンパイアへとブラオ・デーゲンを突き出す――
彼女の刃よりも先に、ロルフが撃った銃弾がそれを仕留めた。狩る獲物を取られ、ヴィオラは舌打ちと共に彼を睨みつける。
してやったりと云いたげな、どや顔を見せるロルフ。
「勝手にしろって云ったのはあんただろ? そうさせてもらっただけさ」
「……そうだったわね」
家族が殺された真相を聞き出すまで、彼は邪魔をしてくるだろうと踏んだヴィオラは、不服な態度を露にしながら剣を逆手に持ち替え、背後から迫って来ていたヴァンパイアを突き刺した。
「関係……勿論あるわ」
彼の問いに答えた。灰と化すヴァンパイアから剣を引き抜き、攻撃対象を次の標的へと移す。
「お父様は、奴等に"消された"。賊に襲われて殺されたというのは、連中が流布した偽りの情報よ」
ヴァンパイアを屠りながら、そう述べた。
「奴等? 消された?」
彼女の言葉を断片的に復唱してくる。
ロルフの要領の悪さに苛立ちを露にしながら、ヴィオラは説明した。
「人をヴァンパイアに変える組織が存在するのよ。永遠の命を欲しがる強欲な人間と取り引きをしてね。お父様がその事を知った為に、私の家族は……!」
「……なん……だって……!」
驚愕するロルフ。
硬直した彼に、最後のヴァンパイアが襲い掛かる。
ヴィオラは舌打ちし跳び上がると、ロルフとヴァンパイアの間に着地した。ブラオ・デーゲンの刃がヴァンパイアの喉元を貫通する。
「だから私は、奴等に復讐している! お父様達の無念を晴らす為に!」
全身から炎を発するヴァンパイアを見据える。
「闇に咲きし悪の華……せめて美しく、無惨に――」
身体を引き裂くように、喉に刺した剣をそのまま下方へと勢い良く下ろした。
「散りなさい……!」
絶叫を上げながら消滅するヴァンパイア。
灰と成るそれを見下ろし、ヴィオラは深く吐息する。
「すまん。気が動転しちまった」
背後でロルフが謝ってきた。
彼を尻目に云い放つ。
「納得したでしょう。これ以上は関わらない方が良いわ。貴方も、命を狙われる」
立ち去ろうとするヴィオラ――
「待て!」
呼び止められる。
ヴィオラは立ち止まった。
「真相知って、はい解りました。ってみすみす引き下がってられっかよ!」
その背で彼の云い分を聞き、冷たく返す。
「関わるなと云った筈よ」
「断る!」
食い下がるつもりは無いらしい。
ヴィオラは、肩越しに振り返りロルフを睨み付けた。だが、即座にその鋭い眼を驚きに変える。
「俺だって先生の弟子だ。先生に認められたヴァンパイアハンターだ。俺は、その事を何よりも誇りに思っている」
「貴方……」
ロルフ・フックスベルガーの眼は"本物"だった。ヴィオラは初めて、彼の眼光に畏怖を覚えた。
何しろそれは、父が本気を出した時の"眼"そのものだったのだから。
「あんたが何と云おうが、俺も先生の仇を討つ。先生から受け継いだ技でな」
彼の中に父の存在を感じ取ったヴィオラは、微かに笑みを浮かべ、再度背を向けた。
立ち去り際に、ロルフへ投げ掛ける。
「また会いましょう、お父様が認めたヴァンパイアハンター」
その発言でロルフが茫然としたのは、彼女は知る由も無かった。
だが、これだけははっきりと理解できた。
他人に厳しかった父が彼を認めた理由――
それは、彼の確かな実力と、内に秘めた熱い心に他ならない。と。
(「私の身に何かあったら、彼を頼れ」か……。お父様、貴方の仰る事は間違いでは無いようです)
ヴィオラは独り、胸中で呟いていた。
そのヴァンパイアは、物陰から始終を監視していた。
兜の目穴から湛えた深紅の眼光が、彼女の姿を追う。
ふと、月の光が彼女を照らし、横顔が明らかとなる。
ヴィオラ・シェーンハイト――
彼女の顔を見るなり、黒鉄の甲冑を身に纏ったヴァンパイアは眼を険しいものとさせた。
……否。
驚きのそれへと変えたのだった。
微かな呻き声と共に、その言葉が発せられる。
「ヴィオ、ラ……シェーン……ハイト……!」