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よんそくほこう(はいはい)とダミーコア

「んぅ~。」

あ、かわ〈ギロッ〉い…

………魔物が睨み付けてきたんですけど…



魔物の反応からもわかる。

この子は確かに、すごくかわいい。

すごくかわいいんだけど…正直この赤ん坊面倒くさい臭いがぷんぷんする。



……よし、取り敢えず別のことをしよう。これは後でもいい。面倒ごとという名の非常識メインディッシュはあとでいただくに限る。



さて?スライムくんや、ここにつれてきたのはこの子を俺に託すためだけ?



ズリズリ……あーっと、身振り手振り (スライムなりの)で教えてくれたところによると、




この子・1・目的・2・目的・池を指すここダンジョンの壁を指すダンジョンコアを露出コア蟻系モンスターを指すあり


ということらしい。




というわけで、ダンジョンコアを探しているのだが見つからない。

スライムも、あの赤ん坊のところから動こうとしなくなったし。

どこだよ…あれ壊れると多分死ぬんだぞ…

今の所俺だけだけどさ…



探し回ってるうちに、この体に少し慣れた。

具体的に言うなら四足歩行が可能になったのだ!!


…尺取虫、あるいは芋虫の状態からは脱したが、人間には戻れてない…


今俺は非常識。なんて素晴らしい!!!


というか、これ種族が変わってるとかはないのかな?


[     ]泥人形レベル1

鑑定[0]


泥獣マッドビーストとかに変わってるかなと期待したけどそんなことはなかったよ。



〜二十分後〜



なん…だと?


コアは見つかった。見つかったんだが…


「なぁ、スライムくん。コアってさ…コアってさ…あそこにあるやつ?」


………(無視)

あ、こいつ。九十度ほど回転したってことは顔を背けたつもりか?

スライムの視界の広さとかわからんが、上下左右360度全域見えてるんじゃないのか?


「そんなわけないよね?ねぇ?」


|スライムくん(思わぬ伏兵)の行動に心が折れかけている俺が見つめる先は…


天井


いや、俺四つん這いなんでそこに届きませんよ?そのせいで発見にも随分と時間がかかったし。


しかも、このダンジョンの天井、かなり高い。

尺取虫状態の時には寝てるからだと思って特に気にとめていなかったのだが、実際高かったらしい。



いや、逆に考えれば、あそこにある限り安全なのでは?



うん。そうだよ。そうに決まってる。

だよねー。プニプニ。


「んぅー」


………うざったいのか、俺の指の肌触りが悪すぎるのかはわからないが、すごく嫌そうである。

…ちょっとショック。


…………あぁ、可愛いなー(思考停止)



〜プニプニの六分後〜



……とにかくその考えでいけば、これで命のことを考えず好き放題できるはず?かもしれない。


が、怖いのでやめて〈今回のマスターは常識的な方のようで非常に助かりますね。〉おくわけないだろ暴れよう。


おっと、常識って単語が出てきたからつい…………すいません、ね?


「って、は?どなた?というか、どこから?どうやって姿を隠してる?魔物か?」


〈お初にお目にかかります。私はダミーコア。今は、貴方との魔力的な繋がりが確認されています。〉


「え?あ、はい。」


〈先ほどの無礼をお許しください。〉


「うん。びっくりしたからね?結構。

あと、

俺のことを常識的な人

だなんて二度と言わないでいただきたい。」


〈誠に申し訳ありませんでした。ご主人様の事情は存じませんが、その命令、承らせていただきます。〉


「お、おう。あ、そうだ、お前がダミーってことはどこかに本物があるんだろ?どこにあるんだ?」



〈ご主人様の質問に答えさせていただきますと、かつてはあった、というのが正確ですね。今は貴方様がコアです。〉


「え?………え?俺?」


〈はい。どうやらコアは、その赤ん坊の精神と貴方様の精神、半分ずつに分けられてようです。〉


「え?赤ん坊にも半分入ってんのか…。」


〈そのようですね。〉


「え?ってことはダンジョンの機能とかって使えない?」


〈二人揃って私に触れていただければなんとかなりそうなのですが…〉


「無理だろ。」


〈無理ですね。〉


「なんとかならないのか?」


〈限定的な事ならば私だけでもできそうです。〉


「それを先に言え。それで?どんなことができる?」


〈えっと、え?…これは。〉


「え?何があったんだ?」


〈……どうなっているのですかこれは…〉


「おーい。」


〈…………脱。〉


「は?」


〈…ダンジョン離脱ができるようです。〉


「え?それは…」


〈はい。ここを手放す事に…〉


「でもさ、それしたら多分俺らが触れるようになる、よな。」


〈ですね…〉


「…頼んでいいか?」


〈……わかりました…ここにいるものは全て持っていかれますか?〉


「あぁ。」


〈了解しました。では…始めます。〉



〔ダンジョン離脱を開始します。ランダムに候補先に転移します。〕




突然、目の前が真っ暗になる。

そして、同じく突然。視界が白色に染められる。

そして、三度視界はほぼ、灰色一色に染まる




ゴツゴツとした岩肌。

さっきまでいたモンスター。あと池?

切り出さずにここで作られたと思われる石の台座。

そして、その上に置いてあるダミーコア。


〈成功したようですね…前ダンジョン、今まで、ありがとうございました。〉


「すまんな…

…あれ?というか、前マスターはなぜあんなわかりにくいところにダミーコア置いてたんだろうな?」


〈いえ、私はマスターとはなんの交信もした事はなかったですから…ただ、ダンジョンという名の家にお世話になった。と、私が勝手に思っているだけですから…前マスターは、あそこならば部屋の場所も、コアの位置もばれにくいと考えられた…のだと思われます。〉


「そうか…今更だが、ここはどこだろうな?」


〈そうですね…この作られ方を見るとおそらく地表に近い地下、ですかね。〉


「おいおい、岩が落ちてきたりしないだろうな…」


〈そこはダンジョンなので安心してください。〉


「そういうもんか。」


〈そういうもんです。〉


ザリッ

お?どうしたスライムくん。


ジャリジャリ

ふんふん。なるほど?




「なぁ、あの赤ん坊。見つからないらしいぞ?」




〈え?そんなはずは…あ、モンスターのカテゴリーに入れてないので一緒に来てないだけのようですね。マスターのカテゴリーなので、マスターと一緒に来ているはずなのですが…〉


《んぅー》

……えと。これはどこから?

…なんかいやな感じがするな…



ポロン

「んぅー」


「おお、無事か!!って、いや待て待て待て、いまどこから出てきた?」


〈マスター。いま、マスターのの体から赤ん坊が出てきていませんでしたか?〉


「やっぱり?やっぱりなのか?俺の見間違えとかじゃ、ないのか?」


〈はい。おそらくマスターの転送は一人のみの転送のはずなので、転送を二人で行った結果なのでしょう。〉


「それ、精神とか混ざったりとかしないんでしないんだろうか?」


〈さぁ?何せマスターは非常識ですからね。〉


非常識、いただきました!!


「まぁ、いまのところ実害はないようだしいいか。…さてさて、これで俺ら二人がお前に触ればダンジョンの機能が使えるわけだな?」


〈はい。………システム再起動……ダンジョンマスター確認……ダンジョン内の敵対生物の有無、確認……スキャン中……確認完了………マスター?何がご要望はございますか?〉


「…んー……あ、そうだよ。最初はあれだよな。ダンジョンを広くする機能あるよな?」


〈ごさいます。現在のマスターが支配できる領域を広げるのは………最大で10㎥ほどでしょうね。〉


「え?何かが邪魔してるとかか?」


〈いえ、今マスターが持っておられるDPダンジョンポイントでは、その辺りが限界なのです。〉

【修正】DPってなんぞ? を消しました。設定的に知らない方が不自然かと。

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