泥男の王
投稿が遅れて申し訳ない。ついでに短くて申し訳ない。
ある魔物の話をしよう。その魔物はある種族の王であった。だが、彼に知性はなく。その僕もまた、知性は持ち合わせていなかった。
いや、昔は彼らにも知性があったのだが…まぁ、長くなるので省略しよう。
彼が魔物の王となった理由は単純であった。
倒すことが不可能なのだ。
理由は、倒しきることができないほどの再生力と大きさ。同種族だとしても彼の一部分の制御を奪うことができる程度で、完全に取り込むことができないため、あらゆる存在に恐れられていた。
彼には知性がないが、その代わり生存本能が同種族の誰よりも強かった。その結果、他の同種族よりも圧倒的な力を手にすることとなったのだ。
ある時、その王は地上のあたりから膨大な魔力が放出されているのがわかった。が、自分を害してくる類の魔力反応ではなかったので、放置していた。
彼に、目や耳。情報を集めるという知性があれば、彼はそのまま、自由気ままに生きることができただろう。無論、避難してから、になるが。
だが、彼は不幸なことにそれらを持ち合わせてはいなかった。
ほら、感じるだろう?目や、耳がなくとも、魔力を感じ取ることのできるお前ならわかるだろう?
お前の上から迫ってくる致死を感じさせる光が。
岩を砕いて迫ってくる致死を感じさせる音が。
お前のでかい体が持っているエネルギーが、ちっぽけに思えるくらいの。それこそ、世界を破壊するほどのエネルギーを持っているものを。
さぁ、一体全体どんなものがくるのやら。
まぁ、ここで死ぬ私には関係のないことだな。
では、さらばだ友よ。いや、お前は私なのだからこの表現は的確ではないのだが…まぁ、今の君に何を言ってもわからないか。
お前の力を少しでも使ってみたかったよ。私は。
強さとは一体何なのだろうね?君は、純粋に死にたくないという本能から、純粋な力を手に入れ続け、私は権力を求めた。
一緒にボロボロになるまで戦い続けたこともあったか。
結果、君は死ななくなったが、同時に死んだ。
私は権力を手に入れたが、その力を振るうことはなかった。残念でならない。
しかし、あの死の権化のような力にただ飲み込まれるのは癪だな。この体は我々の努力の結晶だというのに。
せめて、あのエネルギーと同化できないだろうか。我々のエネルギーをこの世界に残すことはできないのだろうか。…………。
死ぬ覚悟は…とっくの昔に…できていたな。
「さぁ、来るがいい。破滅をもたらすものよ。我々、いや、私は…そうだな……泥王。泥男の王なり。私とて簡単に滅ぼされるつもりはないぞ?」
私は彼の(私の)腕を天に…いや、本当にそちら側が宇宙とは限らないな…。とにかく上に振り上げる。
彼の体(私の体)の上に大量の魔法陣を描いていく。
これは、あのエネルギーを
吸収→解析→変換→同化するための魔法が描いてある。
さて、既に吸収は始まっている。この後は発動した魔法が順に処理してくれる。既に身体の大部分がない。
では、さよならだ。我がとm…………………