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不完全な儀式

「姫さまっ、て、敵がっ。早く。早くその儀式をなしてください!!」


「わかっています!!私の命に代えてもこの儀式は必ず!!」


もしその光景を現代人、いや人間が見たならば、夢だと思っただあろう。しかし、そこにはたった一人の人間さえいなかった。

そうたった一人も。

ついでにその光景を現代人が見たならば、夢だと思うであろう理由も伝えよう。


「姫さまっ、敵が来まし「へぇ、面白そうなことやってるじゃん。」なっ!!!」


突如としてその場に現れたのも、また人間ではなかった。

そこにいたのは

「ふん、やっぱりその儀式であんたらゴーレム族の守護者を呼び出そうとしてたのか。」


そう、ゴーレムである。そして、現れたのはドワーフ。


「なぜそのことを!!」


「なぜって言われてもなぁ。

 俺たちドワーフからしてみればあんたらはただの動いて喋る鉱石つまりかねの塊。あんたらからしてみれば、食べ物や水、そんなものをいちいち食べたり飲んだりするために金を使っている下等種。


 お互い、そう思っているからこそ我々は戦争をしている。そうではなかったかね?そして、下等種だと見下していた我々の方が力も知恵もほとんどの点において優っていたことに今更気づいたお前たちがとる行動。

上位種のプライドにかけて我々に特攻する?流石にそこまでバカにしちゃいない。


 だが、あんたらは助けを求める相手がいない。つまり、自力で何とかしなければ、でも、お前たちだけではダメ。となれば、大規模な召喚を一か八かで行う。そう考えただけさ。 もちろん他にもとる行動は考えられていたぜ?


 でもその魔法陣を見てそれ以外だとここら一帯の魔力が、数年間枯渇してしまう。それはあんたらも困るはずだ。なら、後は召喚をしている。という、簡単な考えさ。

まぁ、説明はこんなものでいいだろう。俺は任務を果たしに来ただけだ。

さっさとその魔法陣。破壊させてくれや。そしたら命までは取らないでおいてやるからよ。」


「爺!!」


「はっ!!」


「私は儀式に集中します。あなたはその男を止めて!!」


「わかりました。はぁ!!」


「おいおい、爺さんに無理させんなよ。ゴーレム族だからどのくらいの年かわからないけどさ。」


「姫様は何としてでも私が守り抜いて見せる!!姫様のためにも、我々の一族のためにも!!」


「はいはい、おじいちゃんご苦労様。………老害は沈んでろ。」


ドワーフの男はいつの間にか手に持っていたハンマーを一直線にゴーレムの頭に叩きつけた。次の瞬間ゴーレムの頭部は粉々になっていた。

「ジィィィィィィィィィヤァァァ」


「やっぱり、お前らって打撃に強そうに見えるけど、簡単に砕けるよな。」


「バカな………爺は、爺はゴーレム族の英雄なのですよ!!!こんなに簡単に、死ぬ、わけが………」


「え、これが英雄?全然そんな感じしなかったぜ?え〜、そんな大物そうなやつだったら俺に傷の一つぐらいつけて欲しかったんだけどな。後で、あいつらに自慢できねぇなぁ。まぁ、とりあえず任務を果たそう。ちょいと退いてな。いくらゴーレム族だからって、女を殴り殺す趣味はねぇ。」


「どきません!!」


「………そうかい。」


男は、ゴーレムの姫に飛びかかり………そのハンマーを叩きつけ……ることなく頭上を通り過ぎると空中で回転しハンマーを魔法陣に叩きつけた。


その瞬間、その衝撃波が地面を砕き、

その下にあったゴーレム族の住処を破壊し、最下層にあったゴーレム族の長の家、そしてさらにその下にあった、ダンジョンのコアを貫いた。

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