【その他人々】Others
筧兵悟
:飛鳥崎中央署捜査一課所属の刑事。階級は警部補。
現場百回、叩き上げのノンキャリだが、独自に積み上げてきたノウハウといわゆる刑事の
勘でもってこれまで数多くの事件を解決してきた実力派刑事。近しい・親しい者達からは
“兵さん”の愛称で呼ばれている。一方、言い方を換えれば昔気質で組織にも馴染まない
ため、上層部を始めとしたエリート組とは反りが悪い。因みにバツイチ。
失踪してしまった由良を探している内、自身をその殺害犯とする当局上層部──プライド
達と、その対抗勢力である睦月ら対策チームの存在を(改めて)知る。
当初は刑事としての誇りから反発していたが、事が一通り解決した後は、自らの信じてき
たものを全て失ってしまったと、結局職を辞すると睦月達の前から去った。
後に二見・由香と共に獅子騎士の一人として登場。対立することとなる。
由良信介
:飛鳥崎中央署捜査一課所属の刑事。階級は巡査部長。
新人の頃から筧に師事し、そのノウハウを学んできた現在の相棒。筧の、ともすれば組織
をも省みない一匹狼さには度々肝を冷やしているが、それでも彼の心根を知っているから
こそ相棒であり続けようとする、筧にとっての良き女房役。その秘めたる正義感は筧にも
迫るものがあるが、如何せんまだ経験不足なのか空回りしがち。
守護騎士姿の睦月と、怪人態の黒斗が一緒にいる様を目撃してしまい、それまで好意的に
受け止められていた守護騎士という都市伝説に懐疑的になってしまう。
事の複雑さ、確証が無いため一旦筧と二手に別れて単身捜査することにしたが……その判
断は結果として彼自身の命を奪い去った。
白鳥涼一郎
:飛鳥崎中央署捜査一課の刑事。階級は警視。
筧や由良とは違い、当初からエリート街道を歩いてきたキャリア組。若いながら飛鳥崎の
警察幹部の一人として辣腕を振るう。
『悪は根絶やしにせねばならない』という信条の持ち主であり、善良な市民には紳士的に
接するが、不良などのいわゆる明らかな悪人に対しては“死んで当然のクズ”と言って憚
らない二面性を持つ。
そんな価値観の違い故か、筧とは長らくの犬猿の仲。
その正体は“蝕卓”が幹部、プライド──もといプライドが彼とその姿や
生前持っていた身分などを全て奪われ、入れ替わった姿。
オリジナルの彼も同じ思想を持っていたようだが、幼少期に憧れていた父親(同じく刑事
であり、寧ろ筧に似た人情派の名物刑事だった)が、かつて自身が捕らえた犯人に逆恨み
の末に殺害された事件が切欠になったようだ。
角野
:白鳥の側近。大木のような長身の男。
その正体はプライドの側近の一人、A・ライノ。
円谷
:白鳥の側近。丸太のようなガタイの良い男。
その正体はプライドの側近の一人、M・ムーン。
金居健太郎
:Ep2に登場。スカラベ・アウターの召喚主。飛鳥崎に出稼ぎに来ていたフリーター。
心機一転して街にやって来たものの、思うように稼げず生活に苦しんでいた所に改造リア
ナイザを渡され、不本意ながら契約を結んでしまう。
睦月がスカラベと戦っている間に、國子らが彼を説得。撃破後は自らが招いた罪を真摯に
償うことにしたようだ。
木場荒太
:Ep3、Ep4に登場。ハウンド・アウターの召喚主。元飛鳥崎西高校二年のドロップアウト組。
在学中も度々暴力沙汰を起こしており、本編の半年前に中退、その後は札付きの不良とし
て街の裏側で抗争に明け暮れていた。
他の者達に比べて暴力が足りないと痛感しており、契約を結んだハウンドにも力が欲しい
と願った。アウターの力にとことん溺れていったモデルケース。
最終的には実体化を果たしたハウンドによって「用済み」として殺害されてしまった。
井道渡
:Ep5、Ep6に登場。ボマー・アウターの召喚主。飛鳥崎郊外に妻と二人で住んでいた。
しかし妻が急な病に倒れ、命の境を彷徨ったにも拘らず、集積都市の外の人間ということ
で搬送が後回しにされ、結果彼女はその後息を引き取った。故に集積都市や今日の社会の
有り様に対して強い憎しみを抱いている。
当初は改造リアナイザにも懐疑的だったが、ボマーの見せる力をみて考えを改め、復讐鬼
と化していく。最終的には飛鳥崎の中枢を爆破し、街と心中するつもりでいた。
だが睦月──守護騎士にボマーを斃された上、自身も逃走中に街のインフラを標的にされ
ることを好まなかった蝕卓の面々によって暗殺される。
法川晶
:Ep9、Ep10に登場。クリスタル・アウターの召喚主。飛鳥崎学園高等部二年。女子水泳部部長。
真面目で責任感の強い性格で、部長の大役を任された以上チームを立派に導き、育て上げ
なければならないと力んでいた。クリスタルと契約したのも、いまいち意識の乏しい部員
達を“教育”する為。
そんな性格の違いから、対照的な宙とはかねてより反りが悪かった。故に彼女も同じよう
にクリスタルの力で“教育”してやろうと目論んだが、その現場を目撃し、激昂した睦月
によって一度はコテンパンに叩かれてしまう。
それでも頑なに拗れた責任感は止まず計画は続行、市民プールにて再び睦月と対峙したが、
最終的には凶暴・巨大化までしたクリスタルを斃されてしまい少なからぬ怪我を負う。
その時のショックからか、契約後からの記憶の大部分を失ってしまい、公式戦目前であっ
たが入院を余儀なくされる。言うまでもなく、その後チームは瞬く間に瓦解した。
八代直也
:Ep11、EP12に登場。カメレオン・アウターの召喚主。飛鳥崎学園高等部一年。海沙の非公
式ファンクラブ「M.M.T」のメンバー。彼らの中では新参の部類らしい。
かねてより本気で海沙を(物理的に)狙っており、カメレオンの能力を利用してストーキ
ングを働いていた。その際に撮った彼女の写真──ブロマイドを、近過ぎると不審に思っ
た大江に疑われてしまい、問い詰められた際に彼を襲撃・監禁した。
更にもう猶予はないと半ば強引に海沙も襲い、本懐を遂げようとするが、それは皆人達が
仕組んだ罠であり、駆けつけた睦月らによって撃破・阻止された。
学園側が不祥事として内々に隠しているが、その後身柄は警察に移された。
後に(Ep49、50にて)再び改造リアナイザに手を出したことが判明するものの、新たに呼
び出したキャンサーによって早々に“始末”され、命を落とす。
瀬古勇
:Ep13、Ep14に登場。タウロス・アウターの召喚主。玄武台高校二年。
本編の一ヶ月ほど前に一つ下の弟・優を自殺で失くしており、その無念を晴らす為にタウ
ロスと契約し、彼の古巣であった野球部や顧問、担任、やがては玄武台高校そのものを標
的として次々に殺害──復讐鬼となっていく。
二度睦月達を退けたが、ケロベロスフォームの前にタウロスが破れ、消滅してゆく彼に叱
咤されながら夜の市中へ逃走した。
その後、満身創痍の所をプライドに保護され、蝕卓の七人目・エンヴィーとして復活。
“龍咆騎士”として睦月達の前に立ちはだかる。
五十嵐典三
:Ep18に登場。既に故人。ストーム・アウターの召喚主で、流浪の武道家。
あまり名こそ知られていなかったが歴戦の猛者で、年老いても尚、己の武の極みと名を知
らしめることを願い続けていた。
その死後、ストームは彼の技・経験の全てを受け継いだ(記憶を読み取り)
ある意味で彼を、実体化の為に手段を選ばないアウター達の中において異端の存在とした
最大の理由ともいえる人物。
東條瑠璃子
:Ep19、20に登場。ムスカリ・アウターの召喚主。清風女学院三年。淡雪の同級生。
自らの派閥を持ち、学院内で「お姉さま」と呼ばれ慕われている淡雪に強い対抗心を燃や
していた所を見込まれ、改造リアナイザを授けられる。自らの人気を不動のものにしよう
と淡雪を狙い、暗躍していたが、その執事・黒斗と睦月達によって阻まれた。
来栖信彦
:Ep21、22に登場。ラースことリベンジ・アウターのオリジナル(召喚主)
飛鳥崎郊外にある小さな教会で住み込みの神父をしており、地域住民にも慕われていた。
だが彼自身は、しばしば祈りに訪れるとある母子に心惹かれており、そんな煩悩に負けそ
うな自分を何度も罰していた。
しかしそんな彼女達が強盗に殺され、しかもその犯人当人が自身の教会へ懺悔に訪れた事
で完全に我を失い、彼を撲殺してしまった。これを切欠に、それまで抱いていた己と信仰
の無力さ──母子を助けようともしなかった自他を呪い続け、プライドとスロースが差し
出した改造リアナイザの力で住民達を虐殺する。
それでも彼の“怒り”は収まらなかったが、直後当のリベンジに始末され、その記憶も命
も全て奪われてしまった。
天満洋輔
:Ep23、24に登場。セイバー・アウターの召喚主。正義の味方に憧れたサラリーマン。
期せずして手に入れた改造リアナイザの力により、独自に“悪”を成敗する義賊として活
動していたが、そこに目を付けられた対策チームの罠に嵌る。その後も義賊“セイバー”
として自らの理想と闘い続けようとしたものの、実体化を果たしたセイバー・アウターに
よって「用済み」とされ、始末された。
額賀二見
:Ep25、26に登場。ミラージュ・アウターの召喚主。飛鳥崎西高校二年。
いわゆるライトオタクで、趣味の合う「友達」が欲しかった。改造リアナイザでアウター
を呼び出した者達は多くがその力に溺れてゆくが、彼が自らのアウターこと“カガミン”
との生活が続くことを優先していた。
しかしプライドによる指令からは逃れ切れず、最後はミラージュ(カガミン)を目の前で
失い、後日失意のままアパートを引き払った。
後に筧・由香と共に獅子騎士の一人として登場。対立することとなる。
二宮馨
:Ep31、32に登場。イエスタディ・アウターの召喚主。飛鳥崎学園高等部一年。
睦月達のクラスメートであり、特に親しいというほどの交流は無いが、他の面子と同様に
優等生として認識されている少年。ただ当の本人は学年が上がってからの成績低下に悩ん
でおり、そんな心の隙間に付け込まれた。
一時はイエスタディの能力で試験前日を何度もループ、次第に勉強時間よりも遊ぶ時間に
費やしていたが、睦月達によってリアナイザを破壊されてそれらも失った。後に親の反対
を押し切ってもっとランクの低い学校に転校し、抑圧から解放された生活を送り始めたと
のこと。
杉浦想
:Ep29及び37、38他に登場。ライアー・アウターの召喚主。筧がかつて捕まえた元詐欺師。
出所後は改心して、街の片隅で小さな私立探偵を営んでいたが……実はそれはライアーが
杉浦になり替わった後の出来事であり、オリジナルの彼は出所後の社会復帰が上手くいか
ずに荒れてゆき、次第に自分を投獄した筧を恨んでいた(実質逆恨み)ライアーとの契約
内容も彼への復讐であり、後のライアーが当の本人を捕えた後の執拗なまでの罠はこうし
た経緯も少なからず影響していると見られる。
尤もそんな成就(?)を、当の本人は結局生きたまま見られることは無かったのだが。
片桐岳人
:Ep44に登場。チェイス・アウターの召喚主。玄武台高校野球部の生き残り。
母校や日常を滅茶苦茶にされたのは、由香のせいだと逆恨みを深めるようになり、学園へ
転入していった彼女を抹殺する為に執拗な攻撃を仕掛ける。
当初はチェイスの追尾能力により、散々由香や睦月達を苦しめるが、その正体を看破した
皆人の作戦によって形勢逆転。チェイスを倒された後、当局に引き渡された。
遠野大祐
:Ep45、46に登場。ストライク・アウター(投)の召喚主。片桐と同じく玄武台の元野球部
員であり、当時から内田とコンビを組んでいた。
自身の選手経験からストライク(投)の“魔球”を効果的に制御し、相棒・内田とのコン
ビネーションで睦月達を苦しめたが、睦月達が予想外の協力者を得たことを知る由もなく
接近を許してしまう。最後はステルス状態の朧丸によって改造リアナイザを刺し貫かれ、
消滅したストライク(投)と共にその場で昏倒──再起不能となった。
内田秀紀
:Ep45、46に登場。ストライク・アウター(打)の召喚主。片桐と同じく玄武台の元野球部
員であり、当時から遠野とコンビを組んでいた。
自身の選手経験から相棒の“魔球”を正確に捉え、ストライク(打)のバッティング攻撃
を制御。コンビネーションで睦月達を苦しめたが、先に遠野が脱落したことで無力化され
た。本人は気の良い、のんびりとした性格で、凶行に加担したのも『遠野がそう言った』
『野球がしたかった』から(或いは遠野と同じく、何処かで由香を恨んでいた?)
百瀬恵
:Ep45、46他に登場。アイズ・アウターの召喚主。学園高等部三年、即ち睦月達の先輩に当
たる女子生徒。放送部部長。ぴょこんと跳ねたミドルショートの髪と、細いフレームの赤
眼鏡がトレードマーク。由香を狙う刺客(ストライク投・打)を追っていた最中、人間態
のアイズと一緒にいる所を発見され、以降なりゆきから対策チームとしばしば情報を提供
し合う間柄になる。
亡き伯父・耕士郎の影響から、ジャーナリストを志望している。改造リアナイザに手を出
した動機も、当初はそんな尊敬する彼の不審死の謎を探る為であった。だがアイズの能力
により、件の真相──“蝕卓”の強大さと闇深さを知ったことで、一度はそれ以上の深入
りを諦めてしまったのだが……?
磯崎瑠歌
:Ep47、48に登場。ウィッチ・アウターの召喚主。就職を目前に控えた女子大生。
父親・康太郎が玄武台高校の前校長であったために、それまで内定を貰っていた企業から
ことごとく取り消しを喰らう。また周囲の人間も(厄介事に巻き込まれたくないと)どん
どん離れていった。そのため事の原因となった由良及び筧に強い恨みを持ち、復讐を果た
すべく改造リアナイザに手を染めた。尚、父の保身行為自体を擁護する気はなく、自業自
得だと考えているようだ(その意味ではこの父あってこの娘あり、なのだろうが)
捜索中に筧の名を出していた冴島や睦月、仁らを見つけて仲間だと断じ、ウイッチに攻撃
させる。当初はその能力で圧倒していたが、後に冴島の「アブソーブ・キャンセラー」に
よって斃された。始めは目的の為の駒に過ぎなかったが、次第に人間態のウィッチを妹の
ように可愛がるようになっていた。事件後、当局に拘束される。
葦田剛
:Ep51、52回想部にて登場。いわゆる“貧民区”に暮らしていた少年。望の兄。
後のグリードことローグ・アウターのオリジナル(召喚主)。開発や政策の波に乗り損ね
た自分達を切り捨てた、集積都市ないし国を憎んでおり、ある時白衣の男=シンから授け
られた改造リアナイザの力で蜂起。他の地区を武力でもって侵攻し、一大勢力のリーダー
へと登り詰めた。
しかし、都市との全面戦争を避けたい──まだインフラ及び当局に睨まれるのは得策では
無いと判断したシンの一声により、他ならぬローグの手によって“処分”。殺害された。
その出自故か、年齢にそぐわない激しい欲望の持ち主。
葦田望
:Ep51、52回想部にて登場。いわゆる“貧民区”に暮らしていた少年。剛の弟。
後のグラトニーことフィード・アウターのオリジナル(召喚主)。兄と共にある時白衣の
男=シンから改造リアナイザを与えられ、後に武装勢力の幹部メンバーとなった。兄にく
っ付いて回ってこそいるが、その本質は常に食べ物のことしか考えていない腹ペコ少年。
ある意味では兄同様、欲望に恐ろしいまでに忠実な人物である。
しかし、力を得て増長する兄を不都合として“処分”したシンやローグ、フィード達によ
って同じく殺害され、その短過ぎる生涯を終えた。
本間颯
:Ep52、53に登場。マリア・アウターの召喚主。三十五歳のエンジニア。
出身は郊外であり、飛鳥崎には出稼ぎに来ていたが、大学進学の為に同居していた妹・翼
が難病に侵されたことで状況は一変。思い悩んでいた中、改造リアナイザの誘惑に負け、
妹に他者の生命エネルギーを注いで延命・治療するという凶行に走ってしまう。
当初は良心の呵責に苦しみ、抵抗していたが、同リアナイザが備える(生体エネルギーを
消費する)中毒症状に侵されたことで正気を失っていた。睦月や黒斗、筧らトリニティに
よってマリアが斃されたことで昏倒。一応はその支配から解放された。
本間翼
:Ep52、53に登場。四年前から難病に侵されて眠っている。兄・颯とマリアにより、他者の
生命エネルギーを注がれ続けることでその進行を抑えているが、一日の殆どを眠ったまま
過ごしているため、その事実を知らない。本編中も目を覚ますことはなかった。
益子匡
:Ep55に登場。パンデミック・アウターの召喚主。飛鳥崎郊外在住の一人で、同じくボマー
の召喚主・井道とは同じ集落の後輩だった。集落の面々の中では比較的若い方。彼の死後
も、まるで変わらない当局の在り様に怒りと憎しみが募り、改造リアナイザに手を出す。
同年代の仲間らに止められつつも引き金をひき、後にセントラルヤードを舞台とする大事
件の大元を生み出すことになった。当の本人達はその「増殖」の過程で敵味方の区別すら
付けられずに呑み込まれ、消息不明──死亡している。
宇高
:Ep55に登場。益子とほぼ同期の仲間であり、およそ自分達に御せないようなパンデミック
達の力を危惧。これを止めようと説得を続けていた。しかしそんな矢先に「増殖」を続け
るこれらに益子達もろとも呑み込まれ、消息不明──死亡した。
大江智
:Ep12他に登場。仁の歳の離れた姉。行方知れずになった仁を探す睦月達に訪ねられ、夜勤
明けの寝惚け眼を擦りながら応対してくれた。
一見サバサバとしているが、いつの間にか(彼が覚えたオタク趣味もあって)距離ができ
てしまった弟を内心心配しているようで、睦月達をその友人達と早合点した時には嬉しそ
うな表情を漏らしていた。
瀬古優
:Ep13、Ep14から登場。勇の一つ下の弟。故人。
玄武台高校の野球部に所属していたが、陰湿な苛めの末に自殺、その短い生涯を終える。
勇が復讐鬼に身を堕とす切欠を作った。生前は兄想いの心優しい少年だったらしい。
七波由香
:Ep13、Ep14から登場。玄武台高校一年。野球部のマネージャー見習いをしていた少女。
優の死、兄・勇の復讐殺人を人伝ながらに聞き及んでいて、それでも尚自らの非を認めよ
うとはしない部や学校に不信感を抱き、意を決して同校を張っていた筧と由良にそうした
内情を告発した。ゴムで短めのおさげを結わった、素朴な印象の少女。
玄武台襲撃事件後は、メディカルセンターに入院中していたが、夏休みを前に退院対策
チームの根回しによって学園に転入したものの、相次ぐ自分狙いの復讐事件と家族の崩壊
を目の当たりにして出奔。筧・二見と共に獅子騎士の一人として対立することとなる。
小松健臣
:Ep16から登場。現文化教育大臣で、かつて新時代を築いた三巨頭の一人“鬼の小松”と恐
れられた小松雅臣元総理の息子。豪胆な父とは対照的に、線が細く誠意と正義感に富んだ
男性。玄武台──瀬古勇の事件に心を痛め、政府代表として視察に訪れていた。
期せず出会い自己紹介した睦月、そして香月のことを、よく知っているようだが……その
理由も後に判明。他でもない、睦月の実の父親。学生時代に交際していた二人の間に生ま
れたものの、実家に呼び戻されて政治家へと転身し、されど香月が『政治家の妻なんて柄
じゃないし……』と自ら引き取ることを選択。健臣もその意思を尊重して別れた。
香月とはその後も時折連絡を取り合っていたようで、後に対策チームと政府側を結ぶキー
マンとしても奔走してゆく。
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ガネット
:Ep52から登場。対策チーム(香月)から、調律リアナイザと共に“共闘条件”として贈
られた、対アウター探知に特化したサポート・コンシェル。外見はパンドラによく似て
おり、実質姉妹機でもある。妙にテンションが高く、やる気も十分。
名前の由来になったと思われる赤髪に、政府用をイメージしてか古風な軍服姿といった
デザイン。健臣達とのファーストコンタクトの傍から、SPに化けていた個体を発見。
プログラム自体を焼き尽くす特殊な炎を放ち、消し炭にするといった活躍を見せた。
中谷利雄
:Ep16から登場。健臣の秘書兼運転手。先代・雅臣から仕えている古株で、時には主人すら
も遮って彼を守ろうとする。茶スーツの男。ラグビー経験者でガタイも良い。
松下郁代
:Ep37に登場。筧の元妻。当局に由良殺しの濡れ衣を掛けられた折、その足取りの手掛かり
を求めて睦月と冴島が訪ねた人物。
曰く、今時珍しいくらい一徹な仕事人。反面その正義感の塊ゆえ、家庭を顧みることは殆
ど無かった(離婚の原因)但し部下殺しの疑惑について、睦月達に訊ねられた際、筧の人
となりから世間一般に広まるそれには当初から懐疑的だった模様。
秋葉崇嗣
:Ep40、43他に登場。筧が刑事時代に培った人脈の一人で、飛鳥崎の裏町の一角でコスプレ
等の衣装を扱う店『オータムリーフ』を営む、スキンヘッドの小太り男。妻・シェリーと
共に、昔は筧に大変“世話になった”らしい。主に店の仕入れなどを担当。
筧が由良殺害の濡れ衣を着せられた際は、自らの危険も顧みず警官の衣装を貸し出し、更
に裏ルートから仕入れていた拳銃も彼に渡している(状況が状況のため、この時は見逃し
て貰えた模様)二見・由香と共に獅子騎士を結成された後は、彼らの隠れ家としても店舗
兼自宅を提供している模様。
秋葉シェリー
:Ep40、43他に登場。夫・崇嗣と共に『オータムリーフ』を営む米国系クォーターの女性。
ケバめの化粧に金・黒・紫で色分けされた髪という、一見するとおっかない見てくれでは
あるが、内面は面倒見の良い姉御肌。主に店の接客や経理を担当。
夫と共に、筧が濡れ衣を着せられた際は、その逆襲の手助けをした。二見・由香と共に
獅子騎士が結成された後は、筧に頼まれるでもなく甲斐甲斐しく世話を焼いている模様。
梅津功
:Ep42から登場。現公安内務大臣で、かつて新時代を築いた三巨頭の一人“雷の梅津”。
警察行政のプロであり、自他共に厳しい性格で知られるが、盟友達の息子である健臣や薫
とはプライベートでも長い付き合いがある。三巨頭の内で唯一独り身のため、心の中では
彼らのことを我が子のように大切にしている。
健臣が仕入れてきた、飛鳥崎にまつわる“リーク”を聞かされ、政府・与党内における根
回しを約束してくれた。
竹市薫
:Ep42から登場。現総理で、かつて新時代を率いた三巨頭の一人“仏の竹市”こと竹市喜助
の息子。一見するといつもニコニコと微笑みを絶やさない若きイケメンリーダーだが、実
際はそのルックスほど軽い人物ではない。健臣よりは四つほど年上だが、体格は彼よりも
やや細身。健臣や中谷、梅津らの密会を聞きつけて現れ、その後の政治的根回しの後ろ盾
となってくれた模様。
長井直衛
:Ep42から登場。現内閣官房長官。若きリーダー・薫を支える、地味ながらも老練な政府の
スポークスマン、女房役。会見などでも常に淡々としていて頭の回転が速い。下手に感情
を表にみせることの危うさを知っている。
飛鳥崎中央署を巡る一件の後、アウターこと“電脳生命体”及びこれに抗する有志勢力が
存在していることを、記者会見にて政府を代表して認めた。
筑紫久彌
:Ep43、45他に登場。梅津の部下の一人であり、中央署を巡る事件の後、リアナイザの出元
であるH&D社を捜査するべく派遣されたチームの指揮官。
リチャードCEO自らが、抜き打ち訪問の現場に現れたことで出端を挫かれ、一旦報告の
為に梅津の下へ戻って来るが……?
小松真由子
:Ep52から登場。健臣の妻。香月と別れて実家に戻って来た後、見合いを通じて結婚した。
元々良家の子女であり、政治家の妻としては十分な肩書きや教養、品の持ち主。健臣との
間に一人娘・真弥を設けている。健臣よりも少し年下。
小松真弥
:Ep52から登場。健臣の娘。即ち睦月にとっては腹違いの妹に当たる。世間的には彼女のみ
が健臣の子供として認知されている。登場時点で中等部二年の十三歳。人懐っこく、純朴
な性格をした少女。




