新たなる旅立ち
「…マさん。ユーマさんっ…」
「…ユーマぁ、ユーマぁ…」
目を開けると、そこは雪国…
ではなくて、シキの膝の上だった。
「む…ここは?」
「ユーマさんっ!ユーマさぁぁぁぁぁん」
「ユーマぁ、起きたか!よかったぁ」
女神様に会ったんだ。それで…
背中にそっと手をやると、確かに包帯がしっかり巻かれている。
「俺は…刺されたのか?」
「ユーマさんっ…それより…」
刺されたことより大事なこと?
それよりって…
「男になってますっ!なんで、ユーマさんがぁぁぁぁぁ」
「…へ?」
ああ、そうか。女神様が男に戻すとか言ってたな。
「おお、おおおお‼︎戻ってる‼︎」
やっぱ男に戻ってよかった。
身体の感覚が以前よりある。
「「戻ってる???」」
あ、そうか、シキとネシアは女の俺しか知らねえんだな。
神様のことも話さないといけないが…
しゃーないか。
変にごまかすよりも、どうせいつか言ってただろうし。
「あのな、シキ、ネシア、俺は-----」
懇切丁寧に何度も、そう、何度も何度も繰り返し説明させられました。
「なんと、ユーマが男だったとはな」
「男性のような言葉を使われるとは思ったんですけど、まさか男性でしたなんて…」
驚くとこ、そこなの?
もっとこう、神様とか転移だとか元の世界とか…気にならないの?
あ、気にならない。そうですかそうですか。
「ところで、執事さんは?」
執事さんの姿が見えない。まさか…
「ああ、家に帰したわ」
「帰した⁉︎え?なんで?」
「だって、馬車は壊れたしユーマが男になったから、「男手はもう充分でしょう。邪魔しちゃ悪いですし」なんて言って帰ったわ」
馬車、壊れちゃったかー。
「じゃあ荷物背負っていく感じ?」
「ウチのアイテムボックスが、多分少しは使えると思う」
アイテムボックスっ!異世界の響き。
「ユーマは使えんの?」
「ユーマさんなら使えるんじゃないでしょうか?すごい魔力ありますし」
アイテムボックスは、魔力量に関連してるらしく、魔力が多ければ多いほど沢山いれれるらしい。
「とりあえず、ステータスみとこうかな。ステータスっ!」
名前:ユーマ
種族:ヒト
職業:世迷人
体力:少なめ
魔力:無制限
能力:魔力譲渡
言語共通化
上限突破
魅了
無限収納
魔法:火魔法
土魔法
おお、アイテムボックスがある!
しかも魔力が無限になってるんだが。
これは世界的にどうなんだろうか?
バランスとか…ね?
はっきり数値化されてないから、見た目ではわかりにくいが、感覚的には力が強くなった気がする。
「よし、とりあえずアイテムボックスに入れとくか」
すべてしまい終えても、まだまだ余裕そうだ。
どんだけあるんだよ、容量…大型馬車一両分丸々入ったぞ?
「じゃあ、行くか。えーっと、ここの道を行けばいいのか?」
「たぶん」
「たぶんそうです」
たぶん…?こんな山奥で道を間違えたくないんだが。
いつまでもここにいても同じだしな、進むしかない…か。
「よし、この道を真っ直ぐ行こう」
「じゃ、じゃあ…ユーマさん、行きますよ」
シキが、左手をつないできた。
あったかいんだな、女の子の手って。
「ウチも繋ぐ」
ネシアも右手をつないできた。
これは…待望のハーレムルートですかね?
俺たちの旅はまだまだ続く〜
最後がこんなですけど。
まだまだ続きます。と言うか続けます。
ちゃんと続けますので、次も読んでいただけると嬉しいです。
ではまた、次回会いましょう