舐めやがっ…なん だ…と!
「よし、こいやぁぁぁあ」
開始の合図とともに、デビル三兄弟の一番細いのが突っ込んできた。
いかにも魔術師然とした格好なのに、手に構えるのは短剣。
溝が刀身に刻まれてるってことは毒か?
まあなんにしろ、当たらなければ問題ない…よね?
「降参するなら今のうちだぞ?はっはっはっはっ…」
デブ、無駄にいい声出すんじゃねえ。
まるでどこぞのハマリ役だな。
笑いを堪えてるのにばれてしまうじゃないか。
こーゆーのは、弱いと見せかけてボコボコにするものと道理が決まってるからな。
膝を震わしてみたり、腰が引けてる感じを装ってみたり。
おかげで完璧に舐められてますね。
けどーーーーーーーーー
残念ながら、所詮素人の雑魚だ。
…右、左、右、…下っ!
簡単に剣筋が読める。
伊達にネシアやシキと特訓してねえよ。
激情したオーガよりわかりやすいなんて…ねえ?
「くっ、なんで当たらないんだ…魔法でも使ってるのか⁉︎ずるいやつめ!」
かれこれ5分くらい逃げ回っていると、あまりの当たらなさに魔法を疑いだした。
…たぶん、いつもは自分らがやる手法なんだろうね。
残☆念だけど使ってないんだなぁ。
「そろそろいいかな?」
剣を構える。
「やっとやるきになったのか?逃げ回ることしか能がないのか?モンスターが来ても逃げ回ってるんじゃいつまで経っても倒せねえぞー!」
外野うるさい。
遊んであげてるのに、気づいてるのは2人ってとこか…ネシアとシキを除いて。
「うぉおぉぉぉぉお!」
動きを止め、剣を構えたことを隙と捉えたのか、ガリが突っ込んでくる。
まっすぐに振り下ろされる短剣を右ステップで華麗にターン。
すれ違い様に足を払って転がす。
喉元に剣を突きつけ、
「どうだ?」
…気絶したか。はい1勝め〜。
次は…