いい日旅立ち
無言で宿へと帰った。
主人にツユナの追加を頼んで、部屋に直行する。
「さて、とりあえず…これからどうするか決めよう」
「せやなぁ、まあユーマとウチがキスするのは決まってるとして」
「私どもですよ?」
ええ、存じております。
…いろいろと重圧がすごいので抑えてほしい。
「わ、わたしは…なんてことを…」
ツユナは勝手に盛り上がっていく二人とは裏腹に、落ち込んでいる。
さっきのキスやら、飛び出してきたことを気にしているみたい。
「とりあえずクエストを受けてお金を貯めないとどうしようもないぞ?」
今の所持金だと、一人増えたので宿に一週間も泊まれない。
ましてや昼と夜の食事などの諸出費も増えるのだ。
「ですよね…わたしのせいで」
まだ言ってる。
苦手なんだよね、ネガティブな人。
だからーー
「…ちゅっ」
軽く頬にキスをしてやった。
これで復活してくれーーーー
…た。
…えっと。あれ?二人の目がコワイデス。
「ユーマさんっ!私にもぉ」
シキが突撃してきた。
こんなにも積極的なシキを見るのは初めてだ。
「んっ…ちぅっ」
同じく頬にしてやる。
まるでボッと音が出たかのような勢いで真っ赤になるシキ。
「ウチには⁉︎ねえねえ!」
そして、相変わらずの押しのネシア。
黙ってたら100点満点の美人だと思うんだがな。
話すと…95点くらいになる。
そして。ここはしておかないと終わらないのが容易に想像できる。
「ああ、…ちゅっ…」
んっ⁉︎こいつめ、頬にしようとした瞬間に顔を動かしてマウストゥマウスにしやがった。
いや、嬉しいんですけどね?
まあ…
で。どうして気づけば急速にこうなった?