出会い・別れ・旅立ち
なんやかんやあって、ツユナが付いてくることに。
「ツユナ、なんで付いてこようと思ったんだ?」
ちなみに、ネシアとシキはまだ武器を選んでいる。
「…ここは、わたしの…お、おじいちゃんのお店の、倉庫だったの。…でも、おじいちゃんが去年に死んで…それから、叔父さんが店をやってる。…ここ、そのまま使っていいって言ってたから使ってるけど……心が読めるから、わたしが怖がられてるの。あと…邪魔だ、追い出したい…って心が読めて…。
わたしは、もう、ここにいてもっ…叔父さんにも迷惑だしっ、でも…行くあてなんかないの。あなたは…こんなわたしでも、怖くないって。嬉しかった。だからーー」
人の心が読める分、心が優しいんだろう。
「そうか。ツユナ、挨拶とかしておかなくていいのか?」
「…うん。いつでも出て行っていいって言ってたし」
ふむ…ツユナの叔父さんがはじめは悪い人なのかと単純に思ったんだけど、そうでもないな。
確かに俺がその立場だとしたら、そういった対応を取るかもしらん。
血は繋がっているかもしれんが、自分の娘じゃないし。
邪魔だと思っていたとしても、言わずにここにいさせているのが大人としての対応なのだろう。
「ユーマ、ウチこれがいい」
「私はこれですね。重さが丁度いいです」
ネシアは幅の広い剣。
アイアンじゃなく、銀をベースにできている。
柄には美しい装束が彫ってあり、ネシアにぴったりだ。
一方シキは、細身のレイピアと呼ばれる種の剣。こちらは刀身が紅く、光を反射して綺麗だ。
こちらも柄と鐔に細かい装束が彫ってあり、技術の高さを感じる立派な拵えだ。
「ツユナ、この二つを買いたい。いくらだ?」
「タダでいい…わたしも荷物持ってくるから…待ってて」
タダでいいというわけにもいかんだろう。
と、声をかけようとしたが既に奥へと消えてしまった。
さてーどうなっていくのか。