狩り続けて…
最初にゴブリンを倒してから、どれくらい経っただろうか。
俺たちはまだFランクだったと思うんだが。
シキとネシアは狩り続けている。
「せやあっ!」
「やぁぁぁぁっ!」
「あのー、二人とも?そろそろ帰らない?」
「あとちょっと」
「あと二体狩ったら帰りましょうか」
なんて言い出してもう何匹…
俺の背中の鞄の中には魔石がゴロゴロしてる。
いや、稼げるのはいいんだけどね?
さっきからオーガとか、ハイオークとか、ゴブリンメイジとか、明らかな上位種を狩ってるんだけど。
オーガなんて一体討伐でもCランクあったよ?
それに…
魔石回収係も中々エグいんだよ。
二人が惨殺した死体から取り出すのって。
これが高く売れないなら絶対取らない。
正直、二人に散々仕込まれたからな。
これくらいできないとって…魔物の解体。
はあ、そろそろ戻るか。日も落ちてきたし。
「二人とも〜。日も暮れそうだし、街に戻るよー?」
「わかったー」
「わかりましたー」
返事はいいんだ、返事は。
あとは実際に動いて欲しいんだ。
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結局、15分くらいあとにようやく帰り始めた。
「今日だけでどのくらい狩った?」
「うちは70くらいかな」
「私は65くらいだったと思います」
「……。魔石200個は超えてるんだけどそれは」
「乙女の秘密ってやつや。な、シキ」
「ですよー」
乙女…なんだろうか。
女の子ではあるのだが、乙女…ね。
乙女が魔物を2人で200匹も倒すか?
俺は倒せてないからな。
1回させられたけど、オーガ相手とか逃げますし?
ゴブリンならやれたけど。
それも一体が限界。
俺が弱いのか、あいつらが強いのかわからなくなってくる。