ギルドとやら
なんとか…さしたる問題もなく、無事に俺たちは門を通れた。
ただーーーー大きな問題があることに気づいた。
そう、お金だ。
この国では、北の国と交易をしていなく、むしろ敵対しているらしい。
両替不可だとは思ってなかったから、北の国のお金しか持ってない。
「おっふろーおっふろー♪」
そして。シキが壊れたっぽい。
今更お金がないから泊まれないなど言ってみろ、どうなることやら。
「ネシア、どうしようか」
「せっ、せやなぁ…うーん。思いつかんわ」
「とりあえず今日泊まる宿を探さないと…」
「まあ、日が暮れるまでまだあるさかい、冒険者ギルドとやらにでも言ってみるのもええんちゃう?」
そうだった。
冒険者になろうとこの街に来たのに、気づけば街に入ることが目的みたいになっていた。
「ここか、ギルドとやらは」
街を歩く人に聞くとすぐにわかった。
さすがは冒険者の国なだけある。
建物は、3階建ての立派な石造りのものだ。
ドアは開きっぱなしで、中が伺える。
「シキ、ネシア、行こうか」
「お風呂のためにっ!」
「おー」
シキのお風呂愛が重すぎて辛い。
早く入らせてあげたいが…金がないからなぁ。
中は、思っていたよりもーと言うか寧ろ綺麗すぎる。
銀行みたいな感じに窓口が並んでいる。
「ユーマ、こっちやで」
ネシアが、登録の窓口を見つけたようだ。
銀行みたい、だが、案内板がほぼなく、慣れないと不便そうだ。
必要なところは覚えておいて損はないだろう。
「登録か?字は書けるか?」
受付のおねいさん、だと良かったんだけど。
ごりごりのおじさんでちょっとショック。
「3人登録したい。字はーー」
「ウチ書けるで」
「私も書けますね」
「じゃあネシア、頼む」
俺も字は読める。ただ、翻訳された字なのか俺が日本語書いてもこっちの字に翻訳されるのかわからない。
間違えると恥ずかしいからな、こんなとこで。
「おし、これで登録完了だ。初めはランクFからだ。まあ頑張りな」
「「「ありがとうございます」」」
登録料、なくて良かった。
すっかり忘れていたからな。
字が書けないよりもひどい恥をさらすところだった。
ちゃんと確認しとこう。
どうもです。
いつも読んでいただきありがとうございます。




