旅
ふんふんふふーん♪
シキの鼻歌を聞きながら、歩くこと数日。
そう、数日。
馬車は壊れ、拾ってくれる人も居らず、3人でテクテクと街道を歩いている。
魔物に襲われたりしたけども、3人の魔法で余裕で撃退出来ている。
「ユーマさんが男性だったなんて信じられません」
今でもいうか…あれから数日経ったというのに。
それはそうと、レベルアップとかはないのかね?
こないだの山賊戦で戦ったわけだし…
「ステータスなら、街の神殿に行かないと更新できないわよ」
「です」
今見れるのは、俺だけと言うわけだな。
「ステータスオープンっ」
名前:ユーマ
種族:ヒト
職業:世迷人
体力:少なめ
魔力:無限
能力:魔力譲渡
言語共通化
上限突破
魅了
無限収納
魔法:火魔法
土魔法
魔力が無限になってる。
これは。
いまいち理解ができないが、魔法を使い放題ということだな。
うん、便利だ。
しばらく歩くと、道が舗装されだした。
アスファルトで舗装、なんてわけじゃない。
しかし、石がしっかりふいてあって、歩きやすい。
「道が綺麗になったな。」
「そうですね。村が近いのかもしれません」
「どのくらいの規模やろなぁ、宿があればええんやけど」
しかしながら、日が暮れてきても村は見えない。
こりゃ、野宿パターンだな。
徹夜…で見張りをしないと。
強制?まさかそんなことはない。
俺の俺による女子の為の見張りだからな。
「そろそろ今夜の泊まる場所探さないとな。あと飯も」
「…せやな。しゃーないわ」
「ですね〜」
「あっ、あそこのくぼんだとことかええんちゃう?」
「そうだな」
街道沿いの森の中、少し窪んだ地を今夜の宿にした。
「よし、アースクリエイトッ」
地に手をつけて、唱える。
身体から力が少し抜けていく感覚はあるが、男になる前に…女状態の時に起きていた身体の疲れは全く感じない。
MP無限はあれだ、凄すぎる。
さして力を入れずに、丸いドームが出来上がった。
半径2メートルくらい、高さ1メートルくらいの土のドームだ。
旅を始めてから気づいたのだが、俺の魔法は固いらしい。
多すぎるMPによって、低いレベルのものでも強力になるみたいなのだ。
「ユーマ、お疲れ〜。鳥が取れたよー」
「戻りました〜」
2人が帰ってきた。
俺が泊まるドームを作ってるうちに、狩りに行ってたようだ。
で、なんですかね?あの大きさ。
「食べきれるのか?その量」
第一声がこれ。
なぜなら、鳥の大きさが…デカすぎる。
馬並みの大きさですよ?
食べるのは3人、どうすんのこれ勿体無い。
「今日のは少し小型やったけなぁ、足りるかどうか…」
「ふぁっ⁉︎」
これで小型…いや、それよりも足りないかもだと?あの身体のどこに入るのかきになる。
「どうしたんだユーマ。固まっとるけど」
「たぶん、びっくりしたんじゃないですか?大きさに。私も初めて見たときはそうでした」
「ユーマ?捌いてくれ。ウチはちょっと苦手なんや」
「ユーマさん…頑張ってください」
多くのことが衝撃すぎてフリーズ。
ええと…どうしよう。
俺にやれと。
確かに鳥を捌いたとは言ったけどな。
普通のニワトリくらいだと思うじゃん。
このサイズの鳥のさばき方なんて知らんわ。
「さてー、やりますか」
始めたはいいが…無理だろこれ。
ニワトリなら逆さ吊りで頸動脈を切り、血抜きをするのだが。
つれない。
「ネシア、首を斬ってくれ」
足を紐で縛って、高い木に結んだ。
これで血抜きはできた。
羽根はなんとか湯につけて毟った。
3人で協力してなんとか…ね?
とまあ、こんな感じで夕食ー地鶏焼きならぬ何かの鳥焼き完成。
量が半端なく多かったけど。
ほぼ二人で食べ終えてました。
70センチくらいあるササミとか化け物だよ。
それを完食した二人も化けも…なんでそんな目で見るんだ?いや、ちょっと考えただけでな…
「全部心が漏れてます」
「なにぃ!心が読まれてたって?」
「…はあ、心の声がだだもれなんですよ、ユーマさん」
心の声が出ていたようだ。
以後気をつけよう。
シキにも呆れられたしね。
とまあそんなこんなで今日が終わる。
「おやすみー」
「おやすみなさいです、ユーマさん」
「ユーマ、おやすみ」
俺が真ん中で、シキとネシアがその両方。
ここのところ、こうやって寝ている。
はじめは嬉しかったが…今となっては恐怖しかない。
寝ている時に寝技を左右からかけられて…意識を失って…気づけば朝。
身体の疲れなんて取れないよ…
中間テストなどの関係で、少し遅れました。
またちょっと遅れると思いますが…
誠に申し訳ないとしか言えません。
ストック作っとけば…と強く後悔。