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第一話

『今日未明、○○県××町で殺人事件が起こりました。被害者は北条光国さん、北条幸恵さん親子とみられ、詳しいことはただいま捜索中です。中継の○×さん、様子はどうでしょうか』


街中の電気屋にある、店前に設置されているウィンドウに囲まれたテレビ。そのすべての画面にニュースが映し出され、ヘリから生中継しているであろう画像が映されていた。


「うわぁ…ひどい事件だね…」


それを見ていた男が呟く。その言葉は雑踏にまぎれ、誰の耳にも届かないまま消えていった。


『詳しい情報が入りました。先ほど言ったように被害者は北条さん一家。刺し傷があることから何者かに刺されて殺されたとみられています』


テレビ画面の下にテロップが現れ、被害者の名前とその子供の年齢があらわになった。

『死亡 北条光国(47)北条幸恵(46)長男(19)長女(14)』

家族全員死亡、と報道されてはいるが、それを見ている男はその家族が五人家族だということを知っている。ここの家族はもう一人、16歳の娘がいる。ここに載っている『長女』は本当は次女と表すのが正しい表し方なのだ。


「警察も報道も本当に惚けてるねぇ」


整った顔を愉快そうに歪めながら、どこか冷めたような目でテレビを見つめる。

お、と男が声を上げた。もう一人の人間が事件現場から発見されたことが報道されており、画面には玄関に立つ一人の少女と計関数名が映し出される。


『女の子です!もう一人女の子がいます!手にもっているのは…包丁でしょうか?彼女自身も全身真っ赤です!』


全身が何かに濡れたように重みを持ち深紅に染まっていることが遠目でも分かる。

その姿に男は小さく驚きの声を上げた。


「へぇ…あの子がこんな姿になるだなんて」


人って何があるかわからないもんだねぇ…と呟いてから、男はテレビから離れて雑踏にまぎれていった。



・ー・ー・



翌日、事件の詳細が露になった。


死亡者は北条光国、北条幸恵、長男、次女の四人。その中で死体があった隣の部屋からもう一人、少女が発見された。全身血塗れ、手には深紅に染まった包丁を持っていることから彼女が罪に問われたが、彼女は記憶が曖昧だという。つまり、事件が起きた時のことを覚えていないのだ。

彼女はこの家の長女。名前は露にはされなかったが、その少女は今警察の保護下にあるという。

警察庁が代表してこういった。


「彼女は混乱していて記憶が曖昧です。詳しいことは彼女の記憶が戻ってから犯人を捜索したいと考えております」


嘘など微塵も入っていないが、信じない者もなかにはいる。

ネットではこの事件が次々と掲示板に載せられ、事件の真犯人の憶測が飛びかった。


〈やっぱ長女が殺したんじゃね?〉

〈年齢的に女子高生だろ?だったら家族殺すなんてことできないんじゃね?〉

〈しかも薬とか使ってないんだったら男に勝てるはずがない。押さえつけられてはい終わり〉

〈後ろから殺ったんじゃねえの?〉

〈正面から心臓ひとつきだとよ〉

〈マジでか。だったら無理だな〉


などなど。世界中からの意見が寄せられる場所もあり、ネットでは常に混乱状態だ。


それから二週間ほどたったころ。

書き込みは一切なくなり、そのスレッドなどはすべて消された。


少女が記憶を戻さない


普通なら火種となるはずだが、なぜか書き込みが一切なくなって行く。

それは不思議なことであり、当たり前のこととしてかき消されていった。


少女は、未だに記憶を取り戻さない。


書いてる時も「なんかプロローグみたいだ…」とか思ってしまいました。が、これからちゃんと進展していくので大丈夫ですよ!

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