〔共通ルート〕第3話「桜導アプリ起動」
【前書き】
桜導アプリの初起動。
朋広にとってはただのスマホ機能だが、
世界にとっては“装具覚醒”の第一段階である。
朝日が病室のカーテンの隙間から差し込む。
朋広は手足の感覚をゆっくり確かめながらベッドを降りる。事故の影響は残るが、杖は不要。
胸ポケットに手を当てると、微かに光る桜が揺れている。
朋広(心の声)
「……また光っとるな……今のスマホ、光りすぎやろ……まあ、ええか」
リハビリ担当の理学療法士に促され、朋広は廊下を歩く。
手足の感覚はまだ鈍いが、胸ポケットの光が微かに暖かく包む。本人は無自覚だが、核の力が微妙に補助している。
昼過ぎ、許可をもらって病院の外に出る。リハビリの一環として、短い距離を原付で走る。
服は桜模様の羽織と淡い桜色の着物のような装いに自然に変化(本人は普段着としか認識していない)
原付も核の力で微妙に補正され、事故前より安定している
歩道に立つシルエットの人影をちらりと目にする。
誰か助けを求めているかもしれない
胸ポケットの桜の光が少し強まる
誰の想いかは分からないが、ほんのわずかに心が動く
朋広(心の声)
「……なんや知らんけど、ちょっと気になるな……ほな、行ってみるか」
歩道を進むと、スーツ姿の男性が転びそうになった瞬間、朋広は自然に手を差し伸べる。
桜の光が微かに揺れ、暖かさが体を包む
助けられた男性は驚きつつも礼を言うが、誰も装具や桜の光には気づかない
男性
「おおっ、ありがとう……! 本当に助かったよ!」
朋広
「いやいや、別に……ほな、気をつけてな」
【事故後の身体の不自由さを装具の核が補助しているため、自然に救助行動ができる
誰の想いかはまだ分からないが、胸ポケットの光は後の桜装具や共鳴】
帰り道、コンビニの前を通ると、小さな桜の光が胸ポケットで揺れる。
朋広(心の声)
「……また光っとる……なんや、このスマホ、ホンマに便利やな」
窓ガラスに映る自分の姿をちらりと見る。
自分が20才姿になることはまだ知らない
【後書き】
桜導アプリの発動は、世界の再構築の兆し。
だが、彼はまだ何も知らない。




