表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

208/472

二百八話 — 図書館・夜の残照と微かな光

閉館間際の図書館。

創作ラウンジには、朋広と数名の利用者だけが残っていた。


朋広はノートを開き、静かに文章をまとめる。

周囲には薄暗い照明と、ページをめくる微かな音だけが響く。



---


隣の席には 如月ほのか。

眼鏡越しに資料を読みながら、髪留めの桜装飾が微かに光る。

ほのかはその光が装具の反応だと気づき、軽く微笑む。


朋広は気づかず、

「……なんや、光っとるな。新種の花粉か?」

と独り言で処理する。



---


奥のテーブルには 白鳥つむぎ。

ヘッドホン型のアクセサリーが微かに揺れ、朋広のページめくりに合わせて光を放つ。

つむぎも光の意味を理解しているが、何も言わず静かに作業を続ける。



---


窓際の席には 星野こよみ。

星型ピアスが、ページをめくる動きに反応して淡く脈打つ。

こよみも反応を察している。


朋広は気にせず、

「おい、夜空の星も反応してるんか?」

と冗談交じりに呟く。



---


ラウンジの隅には、名前も装具も明かされない影。

光はわずかに揺れ、朋広がペンを置くと微かに強まる。


誰の装具か、桜か冥かも不明。

読者は、静かに揺れる光の波紋を追う。



---


閉館アナウンスが流れ、利用者たちは退室。

朋広はノートを閉じ、

「さて、今日も終わりやな」と呟く。


階下や窓際の装具は、静かに桜核を蓄え、

満開に向けて少しずつ波紋を広げていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ