表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

202/431

幽桜ルート 第8章 第1話「桜色の共鳴」

夜明け前の伏見、桜の花びらが朝霧に溶け込むように街を染める。

20歳姿の朋広は、桜満開装具の微細な振動を手のひらで感じながら、深く呼吸する。

昨夜の戦いで得た覚醒の余韻が、街全体に優しい桜色の光として残っていた。


「朋広さん……今日も一緒にいてくれますか?」

さくらが静かに差し出す手に、朋広は自然な笑顔で応える。

「せやな、さくら。ずっと一緒や」


街を歩くと、ヒロインたちの装具が桜色に微かに光り、彼女たちの想いが桜満開装具に共鳴する。

天音の癒し、伏見美琴の静けさ、如月ほのかの知識、雛菊ゆらの伝統、朝霧みくの温もり、九条つばめの自由――

すべての波長が街全体で重なり合い、微かな光の渦となる。


「ワシらの想いが、装具を通して街に……」

朋広の言葉にさくらは微笑む。ペンダントの桜色は濃く、光の旋律はより力強くなっていた。


突然、空の彼方で微細な振動が走る。黒紫影ではなく、未知の力の気配――

「これは……次の段階への兆しかもしれん」

桜満開装具がさらに輝き、ヒロインたちの想いを吸収して潜在力を強化する。


街角の公園では、子供たちが桜の花びらの中で遊んでいる。

「みんなが笑ってる……これが一番の宝物やな」

朋広は自然と手を広げ、ヒロインたちと手を重ねる。

桜色の光が街全体に波紋のように広がり、幽桜ルートの最高潮の平穏と絆の瞬間が生まれる。


「これで、街も、みんなの想いも守れる……!」

さくらが目を輝かせ、他のヒロインたちも微笑む。桜満開装具の光は渦を描き、夜明け前の伏見を優しい桜色で包んだ。


桜色の共鳴が、幽桜ルートのクライマックスを告げ、ヒロインたちとの絆はさらに深く確かなものとなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ