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第十八話 ─桜光のささやき─

夕暮れ、向島の団地周辺は橙色の街灯に包まれ、昨夜の雨の水たまりが静かに光を反射している。

福田朋広はベランダに立ち、手元のスマホを眺めながら呟く。


「……最近の機種はほんまに便利やなぁ。通知もいっぱい来るわ」

画面には、先日の小さな救助や善意の行動に対して、微かに光が揺れる桜模様のエフェクトが表示されている。

朋広自身は何のことやらわからず、ただ「便利になったもんやな」と笑うだけ。


そこへ、近所の子どもを見守っていた桜色リボンの少女、桐生さくらが通りかかる。

「福田はん、今日もええことしてはりましたな」

「いやぁ、なんやろ、自然と手が動くねん。ええことか悪いことかは、後で考える感じや」

自然体の優しさが、読者に主人公の善意を強く印象づける。


同時に、高瀬みのりも現れる。

「福田はん、あの子ら無事やったみたいやし、安心やね」

「せやな、みのりちゃんも手伝おう思たけど、まぁええか」


そのとき、原付のハンドルやスマホから、ぼんやりとした桜色の光が漂い、夜の街に微かに反射する。

主人公は気づかず、読者だけが「蓄積されている力の兆し」として認識する。


その夜、通知が届く。

「5キロ先で救助要請。桜原付召喚せよ」

朋広はスマホを見て、ノリでボケる。

「おお、5キロか……しゃーないな、原付、桜モードで頼むわ!」

こうして、初めて桜光の存在を意識する場面が、ユーモアを交えつつ描かれる。


その直後、夜空に微かに漂う桜色の光は、主人公の善意と読者だけが知る未来の力の伏線となる。

まだ20才姿には変身できず、59才の身体で救助活動を行う朋広。

だが、この夜の小さな出来事が、後の桜模様羽織・着物や変身の初伏線につながる。


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