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百三十五話 月待庵の午後、助ける手と舞う桜

午後の月待庵は、柔らかな日差しが店内に差し込み、静かな空気が漂っていた。


朋広はいつもの席でノートを開き、小説を書いている。

その時、店の入口付近で荷物を抱えた客がつまずきそうになった。

反射的に手を伸ばして支えると――


桜核が反応。

障害の身体を補うため、他者を助けるためだけの20才姿短時間変身が発動。

手足は滑らかに動き、客の荷物をしっかり支えられた。

朋広は体感だけを感じ、「お、助かったな」と自然に呟く。

自身の書き物や日常動作では、この変身は発動せず、身体は通常通りのままだった。


カウンター越しには、桐生さくらが優しい京都弁で客に声をかけている。

恥ずかしがり屋の彼女の動きに、微かに桜片の光が揺れ、店内に柔らかな桜舞いが広がった。


少し離れた席には、朝霧みくが本を開いており、桜舞いがささやかに彼女の周囲を漂う。

朋広はその光景を見て、何とも言えない心地よさを感じながら、ただ手足の軽さと桜舞いの空気を楽しむだけだった。


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