〔暁桜ルート〕 第5話 「桜色の旋律、街に舞う」
午後の日差しが街角を照らす。
京都市伏見区、原付で名古屋に向かう途中、朋広は胸ポケットのスマホ型装具が微かに光るのを感じる。
朋広(心の声)
「……今日もなんか光っとるな……まあええか」
街路を進むと、交差点で小さな子供がボールを追いかけて道路に飛び出す。
胸ポケットが淡い桜色に揺れ、風に舞うような光の波紋が視界の端に広がる
本人は「……あ、原付止めてよかった」としか思わない
朋広が手を伸ばすと、原付の速度が微かに制御され、子供は無事に歩道へ。
他者治癒や防御機能が自然に働いた瞬間
エフェクトとしては桜の花びらが散るように光が揺れる
通りを進むと、コンビニ前で荷物を抱えた女性がつまずきそうになる。
桜満開装具が微光で反応
荷物は落ちず、女性は軽く転びながらも自力で踏ん張る
本人は「なんや最近のスマホ、賢いな」と自然に呟く
街路沿いの歩道では、軽自動車が滑りそうになった瞬間、風に舞う桜光が空気を揺らし、車は微かに制御され事故回避。
誰も気付かず、朋広も「うわ、びっくりしたわ」と無自覚
夕暮れが迫る頃、胸ポケットの光が一瞬、濃い桜色に変化する。
誰の想いかは分からない
読者には「誰かの強い感情が反映された」と感じさせる
原付を止めて水たまりに映る自分の姿を見る。
羽織と着物の桜模様が柔らかく揺れる。
20才姿で体感は軽やかだが、本人は気付かず自然に動く。
朋広(心の声)
「……助けるだけや、礼も要らん……でも、なんか心地ええな」
街中に小さく残る光の揺れ。
桜適合装具保持者たちの想いが、知らず知らず主人公に力を与えている
誰が桜適合者かはまだ不明、読者に微かな匂わせ




