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第1話 プロローグ

本作品はカクヨムにも掲載しております。




 哲学だとか、心理学の観点で語るつもりはない。


 もっと単純な話として、受け止めてほしい。


『人と人は真に理解しあえない。わかりあえない。故に人を真に救うことなんてできない』


 実際に、僕はその通りだと思う。


 喜怒哀楽を表す言葉は無数に溢れているけれど、感じた気持ちを誤差なく正確に伝えた上で、その感情を同じ形で共有してもらうのは極めて困難なことである。


 そうと分かっていたはずなのに、僕たちはこの数ヶ月もの間、わかりあえないなりに行動を起こした。お互いが、お互いに対しての行動を。


 結局のところ、それらは何の歴史にもなりえない単なる出来事でしかなかったけど、強いて言うのであれば、こと僕たちの学校関係者に限り、その結末は記憶に残る事件になったのかもしれない。


 それぞれが文化祭を利用した結果、その日は僕たちの人生に大きな転機をもたらす一日となった。



 ステージ上で大勢を前に『死ね』と叫び続けた者。


 利用されていると疑いながらも信じ抜いた者。


 自死を図る人にかける言葉の正解を探し求めた者。


 学校を爆破させた者。


 燃え盛る炎に囲まれる中で殴り合う馬鹿二人。



 きっと忘れることはないだろう。


 文化祭の日も、その日までの過程も、眠っている間にみた夢の内容も。


 それらすべてを大切にしたい、そう思った。












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