2話 魔法とスキル
爽やかな風。
見渡す限りの草原。
「ここが異世界…。」
「まず何をしようかしらね。どれくらいの広さかもわからないし、まずは食料の確保を進めましょうかね。」
『主は天使ゆえ、飯など食わなくても生きていけるぞ。』
「え、そうなの!?」
『まあ食べる分には特に問題などないがな。』
「それなら、せっかく異世界に来たことだし魔法が使えるのか試してみましょうかしら。」
『一応魔法は存在しているが、すぐに使えるようになるものではないぞ。』
「やってみないと分からないでしょ。」
『まあ良い。まずは火魔法にでも挑戦してみたらどうじゃ。魔法にはイメージが大事なのじゃぞ。
自分の中でどんな魔法かをイメージして唱えるのじゃ。とりあえず火魔法で一番簡単な「火球」をやってみるが良い。』
イメージ…。
「火の玉を作り出してそのまま押し出す感じ。」
「ファイアボール」
すると、火の玉がみるみるうちに大きくなり、放出され、辺り一面が焼け野原になった。
ポカーン。
「これが一番簡単なの?どういうこと?」
≪天使魔法:『天使の業火』を習得しました。≫
『はぁ?ちょっと待て、どういうことじゃ?』
「どういうことって?」
『いや、どういうことってまず一度目で魔法を成功させるのもおかしいし、それにあの威力はなんだ?おかしいであろう?』
「いや、私の方がビックリしてるんだけど。一番簡単な魔法なんじゃないの。」
『私も今確認したのだが、お主の独自能力「審判者」
の効果で魔法の威力が増大されてるみたいだぞ?それに、ただの火魔法ではなく主の固有能力
の「天使魔法」になったんじゃな。それは天使魔法:「天使の業火」じゃな。』
「あの、前から気になってたんだけど、その能力ってのは何?」
『そんなことも知らんのか?』
「ひどい言いようね。今日ここに飛ばされたんだからしょうがないでしょ。」
『まあそうじゃな教えてやるぞ。
まず、能力にはいくつかある。
魔物固有の「固有能力」
個体ごとの能力である「独自能力」
あとは各々が条件を満たせば獲得できる「通常能力」・「特殊能力」・独自能力の強化である究極能力などがあるぞ』
「へぇ、そんなに種類が。」
『まあ、究極能力は到達できるものなどゼロに等しいがな。』
「能力のことも分かったし、異世界生活始めますかー!!」
『その前にこの魔法の後片付けをしてくれ。』
「はい。」
こうして私の異世界生活は幕を開けたのだった。




