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るりは魔力の一部を解放し、純粋な魔力の奔流が干し屍たちを飲み込んだ。無限の干し屍が粉々に砕け散る「玉ねぎの皮一枚分の魔力だけど、制御を間違えたらこの宇宙ごと吹き飛ぶからね。」とるりは冷静に警告した。
『だからアンデッドは嫌いなんだよ。』るりがりんの脳内に愚痴混じりの声を響かせる『通常形態じゃダメージが通らないくせに、何より食えねえのが腹立つ!』
「普通の状態じゃ倒せないってことは、掠食魔法形態にすればいいの?」
『そうだ。だが今はやめておけ。俺が満腹になる前に強制起動したら、お前の魂が燃料にされる。地獄の苦しみを味わいたいなら別だが…まあ、まだそこまでのピンチじゃねえしな。』
「懲罰の炎!」
傍らでリサがりんにも解読できない呪文を唱えると、ありふれた制式長剣が眩い聖光を放ち始めた。あたかも凡鉄が聖剣へと変貌したかのようだ。光の剣を振るうリサは、よろめくミイラ兵に向かって無駄のない剣閃を繰り出す。一撃ごとに干し屍は全身から聖炎を噴き上げながら崩れ落ちた。もし声帯が残っていれば、おぞましい悲鳴を上げていただろう。
『どう見ても聖職者系だ。聖属性がアンデッドに効くのはRPGの常識だろ。』
「はあ……正直あの姿を見たら思考停止するわ。生き物としての本能的な恐怖かしら。」対処法が分かったりんの緊張は解けた。通常兵器では効果が薄いとはいえ、無意味というわけでもない。
りんの両手に魔法陣が煌めく。恒星を粉砕する威力を持つ弾丸を無限に撃ち出す巨大なガトリング砲を構え、掃射を開始した。無限の干し屍が原子レベルで分解されていく。
「これぞ……奇妙な武器だな。幾多の宇宙を巡っても初めて見た。」
汗を拭いながらリサがりんの銃器を見つめて呟いた。
ガトリングを携える魔法少女。
「彼らは本当に怨念でアンデッドになったの?」
「強大なアンデッドや呪物の影響かもしれないが、そんな気配は感じない。おそらくは……。」




