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長文タイトル。

作者: 槻谷 充希

理解できない何かができました。

作者が理解できないので多分誰も理解できない何かです。

こんな作品誰が書いたんでしょう。

オチも酷いです。

 この俺、伏見 時雨は俗に言う天才少年だ。自分で言うな?事実、人よりすべての事に長けているのだから仕方ないだろ?


 成績は学年トップ。運動能力も陸上部トップに次いで学年で2位。頭脳明晰、容姿端麗。


 女子人気も高く、男子との関係も良好。大企業社長の息子で親の後を継ぐことも確定している。


 俺以上に才、環境共に恵まれている人間はそうそう居ない。だから俺は確信していた。


 ……この告白が絶対に成功すると!!


「好きだ。付き合ってくれないか?」


 相手は一年の 藍苑 恵 


 黒髪ロングの絵に描いたような大和撫子だ。


 俺の様な天才に告白されて断る理由なんて無――


「ごめんなさい。」


 ……へ?


「私、貴方の様な自身に満ち溢れてる人、嫌いなのよね。」


 今、嫌いって言った?言ったよね!?


「貴方、才能に恵まれてると思ってるでしょ?貴方なんてこの地球から見たら歴史の一部にも満たないわ。自分が容姿端麗、頭脳明晰をだと思ってるんでしょうけど、勘違いも甚だしい。自分が人の上に立ててると思ってるなんて烏滸(おこ)がましいわ。」


 そこまで言わんでも……


「とにかく、貴方の辞書に〝謙遜〟が追加されない限り……いえ、追加されても無理ね。初対面の人間に校内の噂だけで告白する人間なんて信用ならないもの。」

「…………」

「兎に角、さようなら。二度と私の前に顔を出さないで頂戴。」


 そう言い残して藍苑は足早に立ち去ってしまった。


「あらあら……振られちゃいましたねぇ……」


 聞き覚えの無い声がした。


「誰だお前?」


 振り返ると高校生とは思えないほど低身長の――具体的には120センチ位の――中性的な子供が立っていた。


「そうですね……神様とでも名乗っておきましょうかね?」

「馬鹿にしてるよな……?」

「そんなわけないでしょう、大まじめですよ~」


 喋り方と言い何というか、胡散臭い。


「さて、今回の告白ですが、何故振られてしまったのでしょう?」

「そんなの……相手の事をよく知らなかったからだろ?」

「半分正解で半分不正解です。」


 なんだそのラノベとかでよくあるセリフ。


「貴方は人間としての価値が周りから見た時低いんですよ。」

「価値が低い?どこがだ?将来性、見た目何をとっても人より優れているだろ?」

「それだからです。貴方は人の価値とは何だと思いますか?」


 人の価値?そんなの――


「一生に稼ぐ収入金額とか、どれだけの学業を修めたとか、誰だけ魅力的かじゃないのか?」

「不正解です。人の価値とは……信用です。その人がどれだけ信用できるかなんです。」

「信用?」


 信用が人の価値?それだとしても俺は、


「考えてみてください、自分を天才だと思っている人間にそれが見て取れる人間に信用を置きますか?」

「それでも……」

「貴方は目の前に初対面のスーツで整えられた髪の好青年と手入れされていないロン毛、放置された無精髭を生やした男性に『いい仕事がある』と言われたらどちらについていきますか?」

「……好青年。」

「それが信用です。本当に大雑把に表すとですが。」


 それでもそのほかがその人の価値にならないとは限らないじゃないか。


「なるんですよ。」

「え?」

「権力もお金もその人がその人であることでさえ、信用から成り立っているんです。」


 何を言ってるんだこの子は?と言うか俺の心読んだよね?


「貴方の財布に入っている紙幣、硬貨がなぜその金額の価値だと思っているんですか?」

「国が指定してるからだろ。」

「国にその金額だと信用させられているんです。国が500と掛かれた金属には500円の価値があると、壱万円と書かれた紙切れには1万円の価値があると。」

「そういうひねくれた考えする?」

「どうぞご自由に解釈ください。あくまでもこれは神様の持論なので……」


 やっぱりこの子ふざけてるよね。


「なら権力はどうなんだ?」

「権力と言うのはその人に任せれば大丈夫、と言う信頼から成り立つものだと思うんですよ。」

「……それもそうだな。」

「今まで成功してきた人間と失敗続きの人間。上司はどちらに仕事を任せるのでしょうか?」

「俺高校生だから知らん。」

「そうでしたね、失礼……まぁ、何が言いたいかと言うと、その人がやってきたことがその人の価値に直結するんですよ。」


 確かに、一理あるな。


「最後のその人がその人である事も信用で決まるってどういうことだ?」

「よくぞ聞いてくれました。」


 そう言い放った目の前の神様を名乗る子供の目は笑っていなかった。


「例えば、全世界の人間があなたを人間と認めなくなった場合。つまり貴方への信頼が0になった時、貴方は自分が〝貴方〟であると証明できますか?」


 背筋が凍った。辺り空気が刺さる。呼吸を躊躇う程のプレッシャーを感じた。


「全ての義務を、権利を失ったあなたは自分を自分だと信用できますか?」


 声が出なかった。


「人間、やり直せると言いますが、本当にそうでしょか?自分がやってしまったことも、成し遂げたことも、無かったことにはできないんですよ。」


 意識が遠ざかる。


「努力すれば報われるなんて、報われるなんて報われた人間だけが言えるんです。だからと言って努力をしない人間は報われた人間を羨む権利すら無い。理不尽なんて当たり前です。そう作ったんですから。貴方たちは生き様も死に様も選べずに死んでいく。それがお似合いです。」


 意識が途切れ、覚醒した。




 ― ― ― ― ― ―




「ッ……!!」


 荒くなった呼吸と大量の脂汗。30にもなって俺は輝かしかったあの頃に縋ってしまっている。


「皮肉なもんだ。皆同じような形になって何も疑わず生きて、死んじまうんだから。」


 俺は牛乳を取り出し冷蔵庫の戸を閉めた。

_人v人v人v人v人v人v人v人_

_|   まさかの夢オチ    |_

  Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y


何なんでしょう。

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