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4話

その日世界に激震が走った。動画投稿サイトに1つの動画が投降されたのが原因だ。そのアカウントが作られたのはちょっと前。そして名前も知られていないただの趣味なよだろう。


しかしその動画の内容が男の歌声なのだ。しかも女より低い男の声質をいかしたロックの歌で。残念なことに顔は映ってなかったが、その人自身が歌ってギターも引いいていたのは瞬く間に世界で有名になり、ネットニュースやテレビも無視できないほどに


「この声って海翔のだよな?」


俺は食事後に姉に呼び出されてリビングに行くと、俺が投稿した歌がテレビに映っていた。


「そうだけど、なんでテレビでやってんの?」


俺は本当に分からなくて聞いたが


「海翔大丈夫か?女は男に飢えてんだよ。だから男が歌なんて投稿したらみんな聞くだろ。それに男じゃなくても普通に上手いし。しかもこの歌聞いたことないぞ」


「あ、この曲と歌詞は俺が作ったんだ。咲雪に頼まれてね。結構いい出来だと思うけど」


「あれも海翔が作ったのか!」


そう言って俺に手持ちのスマホを見せる姉さん。その画面には『男を見守る会』と書いてあり、その下にはコメントがズラッと並んでいた。



『グダった卵』


今、このサイトで男が歌ったロックが流れてるんだけど!!!!!



『味噌汁には大根を入れるべし』


は?え?男の歌声?そんなのあるわけないじゃん。どうせ女が男声を真似ただけでしょ



『グダった卵』


いやまじまじ。嘘だと思うならトイカで検索してみ



『筋金入りのアニメオタク』


ヤバっ!歌うますぎでしょ。それにこの音の低さは絶対に男!こういうことする男がいるの!誰か知ってる人いない?



『味噌汁には大根を入れるべし』


ホントじゃん!こんな歌聞いてるだけで妄想しちゃうよ。しかもギター上手すぎ。プロより上手いんじゃないの!



『良薬は口に甘い』


この人仮面被ってるけど、普通にカッコイイ〜。筋肉もいい感じについてて、この人が踊ってる姿とか見たら確実に気絶する



『いずれ男と結ばれる運命』


この人、実は私の彼氏



『グダった卵』


この人の情報持ってる人いないの?罪にならないぐらいの情報を教えてプリーズ



『男は神の遣いじゃなくて実際に神』


この人はまさしく神。こんな歌声が聞けるなら死んでもいい



『味噌汁には大根を入れるべし』


それにしてもだけどこの歌を聞いたことないけど、この人の自作かな?あの筋肉が着いた腕に抱かれたい。ハァ♡ハァ♡ハァ♡



『グダった卵』


変態め。私も同じ気持ちだけど正直濡れるのが止まらない♡



『私は勝ち組ヒロイン』


こういうの男と私は会いたい♡




「は?何これ?」


「かいにぃが歌った歌を投稿した結果こうなってるの。それに今度はこれを見て」


妹は俺にテレビをつけて、俺に見せる。


『えーっと、ただいま入った情報によると男が某有名な動画サイトに自身の歌声を投稿したそうです。実際の動画がこちらになります』


そう言って俺の歌声がテレビで流れる。俺は隣を見ると母さんや姉さん、咲雪はうっとりとした表情で歌を聴いてる。

そして動画が終わり、スタジオの様子が映し出されるが、そのカメラは地獄絵図だった。スタジオの全員が倒れていて、皆一様に幸せそうな顔をしていて、鼻血を出して倒れていた。そしてしばらくその状態が続き、起きた一人の女性によって番組が閉められた。そして宣伝が流れる。


「···················」


「かいにぃ、言った通りになったでしょ?男はこの世界で貴重なの。どの家庭も本来なら生まれた時点で家から出さずに隔離して育てることもあるから。そんな男が自分が歌った歌を投稿したらテレビでも動画の視聴回数もすごく登るのは間違いないの。身元が特定されるようなことは無いけど、その立ち姿から身元を特定されることもあるの。女の執念を舐めない方がいいよ」


「お、おう」


「ほら、海翔も反省してるんだから咲雪もそこまで責めないの。今回は海翔の歌が聞けたことでチャラにしましょ」


「う、うん。でもかいにぃはこれからは気を付けてね」


そう言って咲雪は階段を上がって行く








「はぁ、はぁ、ここまで来れば聞こえないよね」


私は部屋に戻ってイヤホンを取りだしスマホに接続する。そしてそれを耳にはめ、かいにぃの歌を再生する。


「~~~~♪~~~~♪」


かいにぃの歌は聞いてて気分が盛り上がるし、普通に楽しい。するとそれを邪魔するように電話がかかってくる。


「むぅ、誰だ〜。邪魔しないでよ。って美咲じゃん」


私は美咲からの電話に出る。


「もしもし、夜に電話って珍しいね」


『お母さんと一緒にテレビを見ててその時のことを咲雪と話したいって言ったらOKしてくれたの。さも男の人の歌声聞いた?』


「あー。うん。聞いたよ」


『すっごくかっこよかったよね!お母さんなんか家事を忘れて聞いてたよ。私もそんな気持ちだったけど』


「うん、私もお姉ちゃんとお母さんと聞いてたよ。凄いカッコよかったよね」


『あの歌声って3年の海翔先輩に似てなかった?』


私は内心焦る。私とかいにぃが兄妹ということは誰にも教えてない。それはお姉ちゃんも同じことだ。それを教えるとかいにぃを狙って色んな女がこの家を出入りするからだ。だからどんな事があってもかいにぃが兄だということはバレてはいけない。


「そ、そうかな〜。かいに······海翔先輩はそんな事しないと思うけどな〜」


『確かにそうだね。海翔先輩はそんな事しないよね。もっと孤高の戦士みたいなオーラがあったもんね』


確かにそうだったね。私は内心そう思いながら美咲の話を聞く。今はとっても優しい世界で1人の私のお兄ちゃんだ。


「でも車に轢かれちゃったんだから、そんなオーラを出す所じゃないんじゃない?むしろ人肌が恋しいとか?」


『そんなオーラだったら世界中の女が海翔先輩のことを狙うと思うな。』


「そ、そうだね」


そんなことにならないことを祈る。かいにぃはとっても優しくなったから今までのイケメンさとその体つき、そして頭脳明晰、運動神経抜群なところで世界中の女が寄ってくるだろうな。

今のかいにぃは優しいからそれを拒絶しないで全員を受け入れてしまいそうだ。


『あ、私宿題しないと。学校閉鎖のせいで宿題の量がすごいことになったよね』


「それは学校中の女子生徒が休むからでしょ。全員が。女教師も半分くらいは休んだって聞いたけど」


『咲雪はもう宿題終わったの?後で写真撮って送ってよ〜』


「今回の数学は式も書くんだよ?それを移すくらいなら自分でやった方が早いよ。応援してるよファイト♪」


『ぐぬぬー他人事だと思ってるな』


「実際に他人事だしね。そろそろ宿題頑張んなよ。バイバイ」


『あ、うん。バイバイ』


そう言って私は電話を切る。


「かいにぃのことは絶対にバラしちゃダメ。それはお姉ちゃんやお母さんと決めたこと。それを破ったら1年間かいにぃに近寄るの禁止」


私は自分に言い聞かせるように何度も何度も呟いた。勿論かいにぃの歌を聴きながら。








「はぁ、まさかここまで大事になるとはな」


俺は【収納】の中身を確認しながら呟いた。俺は今自分に幻覚魔法をかけて机に座って勉強しているように見せている。実は【収納】の中身を整理しているのだ。自分でも分からないほど仕舞いまくった荷物はかなりあり、中には魔物の素材や武器、道具、魔道具など多種多様にある。その中から生活に役立つ道具を選び取り出している。


魔道具というのは自分の魔力を使って効果を発揮する道具だ。俺が使ったギターも魔道具の1つだ。

俺は中身を整理して使えそうだと思ったのは

布団、タオル、ノート、引き出し、衣類、鏡、アクセサリー


布団は【睡眠】と【物理耐性上昇】【魔法耐性上昇】が付与されていて、ベットに横たわり魔力を込めるだけで眠りにつくことが出来る。起きることは出来るが、それは自力となる。

素材は

木は【エンシェントトレント】の腕

シーツは【ファットドラゴン】の皮

中身は【シープデーモンエンペラー】の羊毛

を使用している。


タオルは【吸収】と【乾燥】が付与されていて、どれだけ汗を拭いてもすぐに吸収し、乾燥するからゴワゴワすることは無い。

素材は

拭くのは【シープデーモンエンペラー】の羊毛

糸は【ドラゴンカイザー】の髭

を使用している


ノートは前世では珍しい木から作った。この作り方は俺が考案したものだが、この世界にもうあったのは残念だ。

ノートは【記録】と【消去】を付与してあり、どれだけ書いても、すぐ消え、新しいまま使える。ノートを見返そうと思えば、記録が残っており、そこからみかえすことができる。

素材は

木は【エンシェントトレント】の腕

印は【カラフルタイガー】の体毛をすり潰した液体

を使用した


引き出しは【収納】と【整理】を付与してあり、無限煮物を入れることが出来て、俺の【収納】のように乱雑に置かれることなく、ボックス事にまとめることが出来る。

素材は

木は【エンシェントトレント】の腕

釘は【アダマンタイトゴーレム】の体

をしようしている


衣類は前の世界で作ったものだが、姿もこの世界に馴染んでるのでOKにした。

服は【汚染無効】と【防御力上昇】【伸縮自在】が付与してあり、靴には【汚染無効】と【疲労耐性】と【伸縮自在】が付与してある。服の方は帽子から靴下までほぼ全て作ってある。当然下着もあるし、手袋などもある。

素材は

服は【ファットドラゴン】の皮

靴は【ドラゴンカイザー】の皮

を使用している


鏡は【空間横断】と【異空間創造】を付与してあり、これを使えば自分が作った空間に行くことが出来る。しかし世界を渡ることは出来ない。

素材は

周りの金属は【アダマンタイトゴーレム】の体

鏡は【ミラーバルーン】の体

を使用している


アクセサリーは沢山あるため紹介しきれないのでその都度紹介する。


「ふぅ、こう見ると使えるものが沢山あったな。でも【オークエンペラー】の肉とは取っておいたけどいつ食べよう。めっちゃ美味いって言われてたのに。それに鉱石とか宝石はどうしよう。絶対に使わないのに。誰かにプレゼントとしてあげるのもいいな。うん、そうしよう」


俺は自分でも納得いく答えが出て、次に剣や鎧はどうするかを悩む。


「これってこの世界じゃ確実に要らないものだよね。どうしようかな。溶かして功績に戻せばいっか。魔法が付与してあるのもあるけど【付与魔法】なら俺だって使えるし、芸術品だけは残しとこう」


俺は【火魔法】を使い、いらない鎧や剣などを燃やし始める。そして溶けてくるとそれをそのまま【収納】に仕舞い、【収納】に【整理】の魔法をかける。そして『金属』の項目を作り、そこに鉄や銀、金、ダイヤやミスリル、オリハルコン。中に玉鋼やアダマンタイトがあった。ゴーレムは狩りまくったけど、ほとんどは国に売ったから金ならあるんだよな。それも使わないし溶かすか。


俺は自分の【収納】の中の武器や鎧をほとんど溶かし、金属に戻した。すると鉄や鋼が多いかと思いきや、貴重なものしか入れてなかったからか、ミスリル、オリハルコン、ダイヤなどの高級鉱石ばかりだった。それ以外にも俺の知らないのもでてきたので後で調べようと思う。


そして俺はこれをどう加工するかと悩んだが、その案はあっさりと出た。魔法を使えばいいのだ。

【土魔法】で流し込む土台を作り、【火魔法】で融解した金属をその中に流すだけ、【土魔法】の精度で形が変わるが、そこは心配ない。伊達に勇者をやってた訳では無いからな。


そして俺は鉄、鋼、銀、金と進めて行き、十分だと思ったあたりでダイヤの加工に移る。ネックレスや指輪、腕にはめるリングなどもいい。俺は色々悩みながら、初めは簡単な指輪から始めた。指輪の形を作ってはめるだけだからね。

今更だが俺は全てをダイヤで作っている。周りは銀でダイヤをつけるのでは無く全てをダイヤで作っている。例えミスしてもまだまだあるし、また作り直せばいいだけだからね




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