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第90話「戻って来た大嵐」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

☆最新刊『第3巻』発売決定しました! 6月27日発売予定!※予約受付中です!


※6月6日付けの活動報告に情報を掲載しましたので、宜しければご覧くださいませ。

何卒宜しくお願い致します。

「ええっと……ディーノが私の依頼を引き受けて、ゴブリンどもと戦ってくれたら、金貨30枚に加えて、この私自身と愛をあげる。つまり……貴方の奥さんになってあげるわ」


「な、何、それえ!!!」

「何ですってぇ!!!」


 エミリーから発せられた衝撃の発言。


 開店前の英雄亭には、ディーノとニーナ、

 ふたりの大声が店内中に、響き渡った。


 ディーノが引き受けてくれないと……村はお終い……

 そんな悲壮な雰囲気を漂わせながら、エミリーは思い切り身を乗り出した。


「ディーノ、お願い! 依頼を引き受けてっ! 私と楓村を救ってっ!!!」


「ううう、ディーノさんっ!」


 エミリーの困窮……

 否、楓村の危機を聞いたニーナは混乱していた。

 

 ふたつの気持ちが揺れ動いているのだ。


 存亡の危機に陥った楓村を救う為、

 何とかディーノさんが依頼を引き受けて欲しい。


 でも、引き受けたら……

 エミリーさんがディーノさんの奥さんになってしまう!?


 そもそもゴブリン1,000頭って何!?

 ディーノさん単独では、全く勝ち目自体がないのではっ!

 

 万が一……ディーノさんが死ぬかも……しれないっ!!!

 死んだら……もう二度と会えないっ!

 というか!

 死んだら嫌だ!!

 死ぬなんて、絶対にダメ~~っ!!!


「うううう~……」


 どうしたら!

 どうしたら、良いのっ!?


 思い悩むニーナが、唸り続けていたその時。


「こらああああ~~!! 何で勝手に帰ったぁ、ディーノぉ~~!!!」


 ディーノの心と身体へ散々刻み込まれた……

 聞き覚えのある、怖ろしい声が、またも英雄亭中に響き渡ったのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 約1時間後……

 開店の時刻が来てオープン、ランチタイムへ突入した英雄亭で……


 テーブルに陣取っていたのは……

 ディーノ、エミリー、戻って来たステファニー、カルメン。

 そしてカルメンに緊急集合をかけられたクラン鋼鉄の処女団(アイアンメイデン)のメンバー3人である。


 ……既にディーノはエミリーの依頼を受諾する決断をし、その旨を伝えていた。

 ギルドを介さない為、依頼主から直接という発注となる。


 そしてクラン鋼鉄の処女団(アイアンメイデン)も、ディーノに助力し、

 楓村へ遠征する事が、新リーダーとなったステファニーから命じられていた。

 

 相手がゴブリン1,000頭の大群と聞いて……

 ステファニーとカルメンは全く動じていないのだが、

 さすがにマドレーヌ、ジョルジエット、タバサは緊張気味である。


 ちなみに……

 大混乱に陥ったニーナは、給仕の仕事へ戻っていた。

 忸怩じくじたる思いを胸に、複雑な表情で、

 店の片隅から一同を見守っている。


 閑話休題。


 ざっくりと事情を聞いたステファニーではあったが……

 彼女にとって今、一番の関心事は、ディーノが勝手に?帰った事。

 当然、怒り心頭である。


 「がみがみ」と10分ほどのきつい説教の後……

 ステファニーが一喝。


「ディーノっ!」


「はい、ステファニー様」


「もう二度と、私との約束の不履行は許さないわよ」


 眉間に深くしわを寄せ、迫るステファニーであったが……


「ええっと……一応、心には留めておきます」


 しれっと言う、ディーノはまるで柳に風である。


「何よ! 一応って!」


 ステファニーは怒りのあまり、ダン!とテーブルを叩いた。

 頑丈な樫のデーブルにみしっとひびが入った……


 しかし、ディーノに臆した様子は全く無い。


「はい、まさかの例外があるって事です。条文的に言うのなら、但し緊急事態の場合はこの限りでないって事ですね」


「ふざけないで!」


「いえ、全然ふざけていませんから」


 と、ここでエミリーが手を挙げる。

 自己紹介は終わっているので、各自の名前と顔、立ち位置は把握している。


「すみません、ひとつお聞きしても良いですか、ステファニー様」


「何よ、エミリー」


「ステファニー様とディーノの間柄って何なんですか?」


「れっきとした婚約者「違いますっ!」よっ!」


 ディーノ、ステファニー両名の声が完全に重なり、

 エミリーは大いに戸惑い、混乱する。


「ど、どっちなんですか? 私、ディーノの奥さんになって構わないのですか?」


 そんなエミリーの疑問に先手を打って答えたのは、ステファニーである。


「大丈夫! ノープロブレム!! 我がヴァレンタイン王国は一夫多妻制よ。エミリー、あんたを正妻である私の次、第二夫人にしてあげる!」


「おいおい……ちょっと待ってください。正妻、第二夫人って何なんだ?」


 という、蚊帳の外へ置かれたディーノの制止と疑問は完全にスルーされた。


 と、ここへ!


「ちょっと、待ったぁ!!」

「その話、ペンディングゥ!」

「妻の順位は要調整です!」


 ニーナ、マドレーヌ、そしてタバサも乱入。

 テーブル席は大混乱に陥ってしまった。


「うわ、参ったなあ……」


 困惑するディーノを他所よそに……

 周囲の男性客からは、


「大爆発しろっ!!」

「粉々になれっ!!」

「ぶっ潰してやる!」

「あの野郎! 永遠に出禁にしろ!」


 ディーノに対する、怨嗟えんさの声が熱く激しく渦巻いていたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

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