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第88話「想定外の依頼」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

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何卒宜しくお願い致します。

「お兄さん、私を買ってくれない?」


 ディーノの背後から、いきなり聞き覚えのない少女の声が、

 『信じられないセリフ』と共にかけられた。


「は?」


 思わず声が出た。

 改めて、ここはどこ?

 と、辺りを見回した。

 冒険者登録をするステファニーと共にやって来たのに。


 そう、改めて見回しても……

 ここは冒険者ギルド、加えて朝早くである。

 そんな妖しい「お誘い」の声がかかる場所ではないし、時間でもない。


 王都育ちのディーノは、この街の『裏側』も知っていた。

 裏側とは非合法な違法行為……すなわち犯罪がはびこる場所、

 文字通り裏通りの歓楽街だ。

 それも夜の遅い時間なのである。


 15歳は微妙な年頃である。

 ヴァレンタイン王国の法律では16歳から、結婚する事が可能である。

 だからステファニーも強引に寝技へ持ち込もうとした。


 そもそもディーノは女子に対してあまりガツガツしていない。

 ステファニーの影響かもしれないが、モノにしようという、

 本能的な欲求が希薄なのだ。


 だからというわけではないが、王都の歓楽街には今のところ全く興味がない。

 それ故、ディーノは足を歓楽街へ足を踏み入れた事は一度もない。

 だが少女とはいえ、先ほどのセリフは暗に『売春』を誘うものである。


 まさか!

 と思い振り返ると……

 鎧や法衣ローブをまとった冒険者だらけのこのフロアには不似合いというか、場違いな古びた農民服を着た、真面目そうな少女がひとり立っていた。


 パッと見、歓楽街で仕事をする女性っぽくはない。


 改めてディーノが見やれば……

 少女は栗毛の長い髪をポニーテールにし、後ろでまとめていた。

 年齢は、ディーノより少しだけ年下だろう。

 こちらをじっと見ている。


 無視してそのまま行っても良かった。

 しかし、ディーノは何故か、少女の真剣な眼差しが気になった。

 だから声をかけてみる事にした。


「なあ、俺を呼んだのは君かい?」


「ええ、そうよ。貴方、さっき掲示板を見てたわよね? 依頼を探している冒険者でしょ?」


「……ああ、確かに俺は依頼を探す冒険者だが」


「だったら! ……貴方にぴったりの仕事があるわ」


「そうかい……」


「成功したら、素敵な報酬をあげる」


「素敵な報酬?」


「ええ、素敵な報酬……こ、こ、こ、この私を!……あ、あげるわっ!」


「はあ!? き、君をっ!?」


 依頼の報酬。

 それがこの少女自身。

 自分を買ってくれとはそう言う意味か。


「私が報酬って……何か、理由がありそうだね、話してくれないか?」


 と、ディーノが尋ねると、


「わ、私の村が魔物に襲われてピンチなのっ! た、助けて欲しいのよっ!」


「成る程……そうなのか。でもギルドに依頼はしないのかい?」


「そ、それは……ダメなのよ!」


 少女の言葉を聞き、ようやくディーノは理解した。 

 何か事情があって、ギルドにはまともに依頼が出来ないのだと。


 ディーノは再び少女を見た。


 彼女の眼差しは相変わらず真剣である。

 依頼の内容も含め、何か特別な理由がありそうだ。


 と、ここで、


 ぐ~……


 空腹を報せる音がした。


 ディーノは朝食を摂っていたし、腹が空いてはいない。

 と、すれば腹を鳴らした『犯人』は……


 ピンと来たディーノが見れば……

 『犯人』である少女は顔を真っ赤にし、

 無言で俯いていた。


 思わず微笑んだディーノは、


「なあ、俺の馴染なじみで、美味い飯を食わせる店がある。これから行かないかい?」


 と誘ったが、


「…………」


 少女は返事をせず無言であった。

 ディーノは構わず、促した。


「その上で、君からもう少し詳しく話を聞くよ」


 ディーノは促したが、少女は口ごもる。


「……私、お金が……」


 少女が、食事の誘いにためらった理由が明らかになった。

 食事をする為の「持ち合わせがない」という事だ

 既に女子とのデートをクリアしたディーノにとっては些細な事である。

 全く問題ない。


「ノープロブレム。大丈夫さ、飯代くらい俺が出すよ」


「…………」


「さあ、行こう」


「あ!」


 少女が小さな悲鳴をあげたのは、ディーノが逡巡しゅんじゅんする彼女の腕を掴んだ為である。


 こうして……

 受け付けの女性に、ステファニー宛の言伝ことづてを頼み、

 ディーノは少女の手を曳きながら、朝の冒険者ギルドを後にしたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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