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第85話「冒険者ギルドの大嵐②」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

☆最新刊『第3巻』発売決定しました! 6月27日発売予定!※予約受付中です!

何卒宜しくお願い致します。

「あら? ディーノ君。そしてカルメン、久しぶりね……一体どうしたの?」


「ま、まあ……いろいろありまして」


 事情を全く把握出来ず、相変わらず首を傾げるブランシュ。

 ディーノは苦笑し、頭をかいた。


 一方、ステファニーはといえば、全く臆さず、ブランシュへ問う。


「あんたが、マスター? いや、マスターはアールヴのはず。じゃなくて人間だから違うわね」


 一見……可憐な美少女。

 しかしひと言でも喋れば……

 見た目の清純なイメージとは全く合わないと初めて認識出来る。

 

 つまり美少女の皮を被った『ど悪魔キャラ』

 恐るべき自称幼馴染、その名はステファニー・オベール。


「え、ええ……私はブランシュ・オリオル。この支部のサブマスターですけど」


 少し動揺したブランシュは、何とか名乗ったが……

 ステファニーは「全く眼中になし!」という雰囲気で、鼻を鳴らす。


「ふん! たかがサブマスターじゃ、全く話にならないわ。私を今すぐマスターに引き合わせなさい」


 ステファニーの言葉を聞き、苦笑したブランシュは、大袈裟に肩をすくめる。


「へぇ、貴女、凄い上から目線と物言いね。でも当ギルドは理不尽な貴族の指示を一切受け付けないし、強引な介入も絶対に許さないの。……知らない?」


「知らないわよ、そんなローカルルールはっ!」


 ステファニーは挑発されたと思ったのか、ブランシュに向かって、

 いきなり拳を振り上げる。

 それも「ぐー」だ。


 今のステファニーはいわば、カマキリ。

 戦闘態勢に入って、破壊力抜群な悪魔の鎌をふりかざす。

 そんなイメージがピッタリだ。


 や、やばいっ!

 ぼうっと見ている場合じゃなかった!


 カマキリの鎌イコール、悪鬼のグーパン――

 ディーノの脳裏に、血まみれになったオークがリフレインし、ブランシュに重なった。


 慌てたディーノはブランシュを守る為、駆け寄ろうとした。

 だが、ディーノが駆けよる前に、巨大な拳が伸び、

 ステファニーの腕を「がっし!」と掴んだ。


「控えてください、ステファニー様。さすがにサブマスターに暴行するのはまずいです」


 そう……

 大暴走しかけたステファニーの腕をとっさに取って止めたのは、

 彼女に心酔する忠実な従士、カルメン・コンタドールであった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 約5分が経過した。


 ステファニーの凶暴さに圧倒され、複雑な表情のサブマスター、ブランシュへ……

 ディーノがいろいろと説明する間、カルメンはず~っと主の腕を押さえている。


 改めてディーノは語る。


 自分とステファニーとの関係……

 まあ今や無関係なのだが……

 そして彼女が今日ギルドに出向いた理由等も話して行く……


 ステファニーはあくまで以前の主。

 現在は「全くの無関係」だとディーノが強調した時……

 「ぎろり!」と、凄まじい目で、ステファニーはディーノを睨み付けた。


 思わずディーノが苦笑したその時……

 ステファニーの腕を押さえているカルメンが口を開く。


「ブランシュさん、私が推薦人及び身元引受人になりますから、ステファニー様の登録手続きをして頂けませんか? 可能ならばマスターにお願いして……」


「カルメンさん……貴女」


「お、お願いします。ステファニー様は大器ですっ! 類稀な才能をお持ちなのですっ! 必ず名のある冒険者になりますからっ! 私が保証しますっ!」


 熱く語るカルメンの姿を見て……

 サブマスターのブランシュも苦笑した。


 傍若無人。

 傲岸不遜。

 我が道を行く。

 ふたつ名は『荒れ狂う暴風』


 そんな言葉を体現したようなランクAの超一流冒険者カルメンが……

 ここまで他人を推すなど、全く異例の事なのだ。


「お願いします、サブマスター! 私カルメンが荒れ狂う暴風なら、ステファニー様はその名を遥かに上回る、天をも揺るがす大嵐……すなわちテンペストとお呼び出来る方なのです!」


「ふうう、分かったわ……ランクAの貴女がそこまで言うのなら……マスターにお願いしてみる」


 ブランシュは大きなため息を吐いた。

 根負けした様子である。

 カルメンが絶賛する『大器』の才能を見てみたいと思ったのかもしれない。


 遂に……

 カルメンの願いが通じた。

 彼女が惚れ込んだ『大器』ステファニー・オベールの冒険者デビューが、

 大きく大きく前進したのである。

東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

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今回の掲載は『センターカラー』です。乞うご期待! 

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お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」

も宜しくお願い致します。

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