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第79話「ステファニー様、襲来①」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

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「ディーノぉ!!!」


 心と身体へ散々刻み込まれた……

 聞き覚えのある、怖ろしい声が英雄亭に響き渡った。

 

 ひとりの美しい少女が、英雄亭の入り口に仁王立ちしていた。

 女子達と歓談するディーノを、腕組みをし、睨み付けている。

 少女は傍らに、逞しい巨躯の女性冒険者を従えていた。


 遂に!

 怖れていた『暴風雨』が襲来したのだ。

 

 そう、突如現れたのは……

 ディーノを追い、はるばる南のエモシオンからやって来た、

 オークをグーパン一発で殴殺する猛女ステファニー・オベール。

 そして今やステファニーに心酔する女戦士、

 カルメン・コンタドールのふたりであった。


 仁王立ちしたステファニーとカルメンの姿を目の当たりにしたディーノは……

 大きく息を吐いた。

 

 いずれこのような状況になる事は予想していた。

 心構えもしていた。

 

 だから、全くの想定外という事はない。

 しかし想像するだけと、実際に体験するのとは大いに違う。


 そんなディーノを睨み付けたステファニーは「つかつか」と歩き、近寄って来た。

 ディーノを睨み付け、驚く女子達を睨み付け、最後にじっとテーブルを見やった。

 酒が満ちた杯と、料理を盛りつけた皿がテーブルに数多並んでいる。


 不快そうに、「ふん!」と鼻を鳴らしたステファニーは、

 鋭く蹴りを繰り出した。

 

 どぐわっしゃ~~んん!!!


 凄まじい音がした。

 重厚な木製のテーブルがあっさり蹴り飛ばされ、吹っ飛んだ。

 テーブルに載っていた杯は酒を、皿は料理を無残にまき散らしながら、宙を舞い、床に落ちた。


 陶器が粉々になる派手な音と、女子達の悲鳴が交錯する。


「きゃ~っ!!!」

「いや~っ!!!」


 ディーノが「すっく」と立ち上がる。

 女子達を守ろうと、両手を大きく広げた。


「い、いきなり、何するんですか」


「…………」


 さすがに動揺し、少し噛んだディーノを、ステファニーは無言で見つめた。

 

 対して……

 勇気を振り絞り、ディーノは、なおも抗議する。


「理不尽ですよ、ステファニー様」


「!!!」

「!!!」

「!!!」


 抗議するディーノが発した名前を聞き、その場の女子全員が驚き、息を呑む。

 彼女達も、『噂の猛女』ステファニーが遂に王都へ現れたと知ったのだ。


 ディーノを睨むステファニーの視線は……

 まるで獲物を狙う猛禽類もうきんるいのような鋭さである。

 そして低くドスの効いた声で、言い放つ。


「……浮気は絶対に」


「え?」


「許さない」


「許さない」という言葉と同時にステファニーの手が電光のように伸び、

ディーノの襟首を掴んだ。

まるで野良猫をひっつかむように。


「うわ!」


 吃驚するディーノに構わず、ステファニーは「ぐいぐいっ」引っ張ると、

 抵抗しようとするディーノを容赦なくひきずりながら……

 英雄亭を出て行ったのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ディーノが連れ出され、楽しかったデートの様相は一変した。

 その場に取り残されたニーナ達は呆然としている。


 「凄まじい!」という言葉を遥かに超越した、

 巨石のようなステファニーの存在感に、誰もがただただ圧倒されていたのだ。


 暫し経ち、ようやく言葉を発したのはニーナだった。


「な、なんですか!? あ、あの人」


 ニーナの言葉に、何とか反応したのはマドレーヌである。


「あの人が……ステファニー……様」


 と、その時。


「そうだ。あの方が新生鋼鉄の処女団(アイアンメイデン)の新リーダー、ステファニー・オベール様だ」


 いつの間にか、ニーナ達の傍らに、巨躯の女戦士――カルメンが立っていた。


「カルメン姉御」

「姉御!」


 マドレーヌ、タバサがカルメンを呼び、ジョルジエットが問う。


「あ、姉御、お、王都へ帰って来たんですね?」


 しかしカルメンはジョルジエットの質問には答えず、言い放つ。


「軽はずみなお前達の行為、言わば不身持ち……厳罰ものだ」


「不身持ち?」

「厳罰?」

「あ、姉御!」


「問答無用! お前達3人は、ディーノ・ジェラルディがステファニー様の婚約者だと、はっきり認識していたはずだ」


「そ、それは!」

「でも! ディーノ本人が否定を」

「そうです、自分はステファニー様とは、もう無関係だと言ってました」


「黙れ! 問答無用と言ったはずだ」


「…………」

「…………」

「…………」


 遂に無言となってしまったマドレーヌ、タバサ、そしてジョルジエット。

 しかしニーナが猛然と抗議する。


「ちょっと! 酷いじゃないですか?」


「……お前は誰だ? ウチのメンバーと何をしている?」


「私はニーナ、この英雄亭の従業員です」


「は! 従業員が客と飯を食っているのか?」


「今はプライベートの時間です。それより理不尽じゃないですか? いきなり乱入して来てあの振る舞い、折角のデートが滅茶苦茶です!」


「ニーナとやら、お前は私の話を聞いていなかったのか? 婚約者が居る男とデート? 極めて不埒ふらちだ!」


「不埒? 馬鹿な事言わないでくださいっ! 貴女こそ、マドレーヌさん達の話を聞いていなかったのですか? ディーノさんはあの人とはもう無関係です!」


「無関係ではない! ディーノ・ジェラルディはステファニー様の婚約者、厳然とした事実だ」


「そんなの無効です。ディーノさんは認めていません」


「いや、ステファニー様が仰れば、それは事実となる。カラスが白だと仰れば、それが事実となり、ルールともなるのだ」


「そんな無茶な!」


「無茶ではない! それが事実であり、現実なのだ」


 ニーナの言葉を真っ向否定し、カルメンが重々しく告げた。

 しかし!


「それは違うな、カルメン」


「な? お前は」


「辺境伯の小娘如きに何故、そう入れ込む、カルメン」


 苦笑しながら立っていた偉丈夫は……

 この店の主ダレン・バッカスであったのだ。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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