第79話「ステファニー様、襲来①」
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
◎コミカライズ版コミックス
(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)
☆最新刊『第3巻』発売決定しました! 6月27日発売予定!※予約受付中です!
何卒宜しくお願い致します。
「ディーノぉ!!!」
心と身体へ散々刻み込まれた……
聞き覚えのある、怖ろしい声が英雄亭に響き渡った。
ひとりの美しい少女が、英雄亭の入り口に仁王立ちしていた。
女子達と歓談するディーノを、腕組みをし、睨み付けている。
少女は傍らに、逞しい巨躯の女性冒険者を従えていた。
遂に!
怖れていた『暴風雨』が襲来したのだ。
そう、突如現れたのは……
ディーノを追い、はるばる南のエモシオンからやって来た、
オークをグーパン一発で殴殺する猛女ステファニー・オベール。
そして今やステファニーに心酔する女戦士、
カルメン・コンタドールのふたりであった。
仁王立ちしたステファニーとカルメンの姿を目の当たりにしたディーノは……
大きく息を吐いた。
いずれこのような状況になる事は予想していた。
心構えもしていた。
だから、全くの想定外という事はない。
しかし想像するだけと、実際に体験するのとは大いに違う。
そんなディーノを睨み付けたステファニーは「つかつか」と歩き、近寄って来た。
ディーノを睨み付け、驚く女子達を睨み付け、最後にじっとテーブルを見やった。
酒が満ちた杯と、料理を盛りつけた皿がテーブルに数多並んでいる。
不快そうに、「ふん!」と鼻を鳴らしたステファニーは、
鋭く蹴りを繰り出した。
どぐわっしゃ~~んん!!!
凄まじい音がした。
重厚な木製のテーブルがあっさり蹴り飛ばされ、吹っ飛んだ。
テーブルに載っていた杯は酒を、皿は料理を無残にまき散らしながら、宙を舞い、床に落ちた。
陶器が粉々になる派手な音と、女子達の悲鳴が交錯する。
「きゃ~っ!!!」
「いや~っ!!!」
ディーノが「すっく」と立ち上がる。
女子達を守ろうと、両手を大きく広げた。
「い、いきなり、何するんですか」
「…………」
さすがに動揺し、少し噛んだディーノを、ステファニーは無言で見つめた。
対して……
勇気を振り絞り、ディーノは、なおも抗議する。
「理不尽ですよ、ステファニー様」
「!!!」
「!!!」
「!!!」
抗議するディーノが発した名前を聞き、その場の女子全員が驚き、息を呑む。
彼女達も、『噂の猛女』ステファニーが遂に王都へ現れたと知ったのだ。
ディーノを睨むステファニーの視線は……
まるで獲物を狙う猛禽類のような鋭さである。
そして低くドスの効いた声で、言い放つ。
「……浮気は絶対に」
「え?」
「許さない」
「許さない」という言葉と同時にステファニーの手が電光のように伸び、
ディーノの襟首を掴んだ。
まるで野良猫をひっつかむように。
「うわ!」
吃驚するディーノに構わず、ステファニーは「ぐいぐいっ」引っ張ると、
抵抗しようとするディーノを容赦なくひきずりながら……
英雄亭を出て行ったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ディーノが連れ出され、楽しかったデートの様相は一変した。
その場に取り残されたニーナ達は呆然としている。
「凄まじい!」という言葉を遥かに超越した、
巨石のようなステファニーの存在感に、誰もがただただ圧倒されていたのだ。
暫し経ち、ようやく言葉を発したのはニーナだった。
「な、なんですか!? あ、あの人」
ニーナの言葉に、何とか反応したのはマドレーヌである。
「あの人が……ステファニー……様」
と、その時。
「そうだ。あの方が新生鋼鉄の処女団の新リーダー、ステファニー・オベール様だ」
いつの間にか、ニーナ達の傍らに、巨躯の女戦士――カルメンが立っていた。
「カルメン姉御」
「姉御!」
マドレーヌ、タバサがカルメンを呼び、ジョルジエットが問う。
「あ、姉御、お、王都へ帰って来たんですね?」
しかしカルメンはジョルジエットの質問には答えず、言い放つ。
「軽はずみなお前達の行為、言わば不身持ち……厳罰ものだ」
「不身持ち?」
「厳罰?」
「あ、姉御!」
「問答無用! お前達3人は、ディーノ・ジェラルディがステファニー様の婚約者だと、はっきり認識していたはずだ」
「そ、それは!」
「でも! ディーノ本人が否定を」
「そうです、自分はステファニー様とは、もう無関係だと言ってました」
「黙れ! 問答無用と言ったはずだ」
「…………」
「…………」
「…………」
遂に無言となってしまったマドレーヌ、タバサ、そしてジョルジエット。
しかしニーナが猛然と抗議する。
「ちょっと! 酷いじゃないですか?」
「……お前は誰だ? ウチのメンバーと何をしている?」
「私はニーナ、この英雄亭の従業員です」
「は! 従業員が客と飯を食っているのか?」
「今はプライベートの時間です。それより理不尽じゃないですか? いきなり乱入して来てあの振る舞い、折角のデートが滅茶苦茶です!」
「ニーナとやら、お前は私の話を聞いていなかったのか? 婚約者が居る男とデート? 極めて不埒だ!」
「不埒? 馬鹿な事言わないでくださいっ! 貴女こそ、マドレーヌさん達の話を聞いていなかったのですか? ディーノさんはあの人とはもう無関係です!」
「無関係ではない! ディーノ・ジェラルディはステファニー様の婚約者、厳然とした事実だ」
「そんなの無効です。ディーノさんは認めていません」
「いや、ステファニー様が仰れば、それは事実となる。カラスが白だと仰れば、それが事実となり、ルールともなるのだ」
「そんな無茶な!」
「無茶ではない! それが事実であり、現実なのだ」
ニーナの言葉を真っ向否定し、カルメンが重々しく告げた。
しかし!
「それは違うな、カルメン」
「な? お前は」
「辺境伯の小娘如きに何故、そう入れ込む、カルメン」
苦笑しながら立っていた偉丈夫は……
この店の主ダレン・バッカスであったのだ。
いつもご愛読頂きありがとうございます。
※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。
宜しければ、下方にあるブックマーク及び、
☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。
東導号の各作品を宜しくお願い致します。
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
◎小説版第1巻~7巻
(ホビージャパン様HJノベルス)
大好評発売中!
◎コミカライズ版コミックス
(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)
☆最新刊『第3巻』発売決定!6月27日発売予定!※予約受付中!
第1巻~2巻も大好評発売中!
※月刊Gファンタジー大好評連載中《作画;藤本桜先生》
☆5月18日発売の月刊Gファンタジー6月号に最新話が掲載されました。
今回の掲載は『センターカラー』です。乞うご期待!
また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。
コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。
WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。
マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。
毎週月曜日更新予定です。
お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。
最後に、連載中である
「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」
も宜しくお願い致します。




